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幸せはお金で買えない、愛はお金で買えないの嘘

「お金で幸せは買えるか」とか「お金で愛は買えるか」という問いは昔からあるが、脊髄反射的にNOを選択する人が多いのではないだろうか。自分の答えはYESだが息子である君はどう思うだろう?

お金で幸せは買えると思う理由は数多くのファクト(事実)があるからだ。断っておくが、全ての幸せがお金で買えるとはさらさら思っていない。しかしお金で買える幸せは思っているよりも多い。

これは少し考えれば分かることで、お金には価値の保存と交換機能があるからだ。ただの紙切れには価値はないが、それが食べ物や服、家や移動手段、病気を治す薬や、介護の人手を頼んだり学校に通うことに交換できる。

たとえば健康や若さはお金で買えないと言われる。確かにお金があっても現在の科学レベルでは不老不死にはなれない。しかし豊かな国に比べ貧しい国の平均寿命は短い。そういった国々では栄養状態や衛生環境が良くなかったり、病気でも薬が買えなかったり手術ができないからだ。

また、愛情はお金で買えない代表格のように言われるが、そんなことはない。たしかに一欠けらの愛情がないのに交際したり結婚したりする人はいないだろうが、結婚する場合に年収は(特に女性にとって)今も昔も重要な項目だ。

そして親子の愛情についても同様だ。深刻な児童虐待は貧困と関係していることが多いことが知られている。君も知っているとおり自分は里親制度に登録しようと児童相談所に話を聞いたことがあるが、貧困が虐待につながるケースが非常に多いと聞いている(ちなみに裕福な家庭では無理に勉強させる教育虐待が多いそうだ)

お金がないと最も濃いはずの親子の愛さえも壊れてしまうのだ(お金があれば絶対に壊れないとは言っていない)

経済的な理由から結婚をあきらめたり、子供を作ることをためらったり、子育てを放棄したり、進学するのに借金して返済に苦しんだりする人たちがいる。そしてお金がなくて介護ができず泣く泣く親や配偶者を殺めてしまうことさえあるのだ。以下はそんなカナシイ報道の一部だ。

この他にも、先日公共放送のニュースでは、能登半島地震で被災した家族を抱える自営業の父親が「とにかくお金です。お金がないとお店の再建も暮らしていくのもままならない」と切実に訴えていた。

こういったファクトから目を背け、お金があっても幸せじゃないとか、幸せはお金で測れないとか、いかにも自分は清く正しい人間のように言うべきではないと思う。こう言う話をすると、不幸や不満を解消するのは足りない分を埋めるだけだから幸せを買えるワケではないと屁理屈を言う人がいるがそれはおかしな話だ。

不幸というのは読んで字のごとく幸せが不足していると考えれば、不足している幸せが買えるということは、お金で幸せを買えることに他ならない。

そしてよくないのは、上記で挙げた課題についてぜんぶ国や政府や企業のせいにし、誰かに課題と費用を押し付けて解決させようとすることだ。そこから拠出されるお金は誰かが汗水たらして働き収めたお金だし、赤字国債を発行することになれば未来の世代に負担を押し付けることにナル。そして国や企業でこういった難題に取り組むのは自分たちと同じ市井の労働者だ。

お金で買えるものは思っているより多いし、それで解決できることだって多い。それをきちんと理解して向き合い、自分はどうしたら良いか、何ができるのかを考えて欲しい。それが健全な投資をする第一歩になるはずだ。

五体満足に生まれてきちんとした教育を受けている君には、お金のことはなんでも国任せ、人任せで他責にするニンゲンになって欲しくない。

ずいぶん前に著名な東大の教授が「これからの日本はみんなで貧しくなればよい」などと言っていたが、平和で豊かな日本だからできるボケた発言だ。

お金がないと言うことはお腹が減ってもご飯が食べられず、寒くても暖が取れず、自分の子供が病気になっても何もしてあげられないということだ。

自分はそんなことには耐えられない。

たとえ「みんな」がそれで良いと言っても自分は辞退する。自ら貧しくなりたい人は勝手になれば良いと思うが、日本人お得意の同調圧力で「みんな」とか言って道づれにするのは止めて欲しい。自分はなんとか自分で貧しくならないようにこれからも労働と投資をして生きていくつもりだ。

ただ、勘違いして欲しくないのは「お金があれば何でもできる」「お金があれば何をしても良い」となって誰も何も愛せず、信頼できないような残念なニンゲンになって欲しくはない。そういうニンゲンが相続財産を巡って肉親同士で争ったりスルのだ。

それはお金で不幸を買っているようなものだ。


君が成人してこれを読んだときに、自分の言っていることはおかしいと思うだろうか?

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