眞斗通つぐ美

雅で素敵な挿絵に魅かれて源氏物語が大好きになりました。源氏物語図の場面を示す目印の一覧…

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雅で素敵な挿絵に魅かれて源氏物語が大好きになりました。源氏物語図の場面を示す目印の一覧を作りたいと思っています。https://twitter.com/Tokonatsu54 に、場面のまとめの追加を始めました。よろしかったらご覧ください。

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0 源氏物語のなんちゃって図像学

源氏物語や百人一首が描かれているらしい絵を見てもどういう場面なのかはなかなかわかりません。 何となく雅で素敵という以上の情報を絵から得られないのです。 何となく、ずっと、歯痒いことではありました。   西洋絵画には女性が弓矢と月と一緒に描かれていたら女神ディアナだとか白百合と一緒に描かれていたら聖母マリア様だとかいう約束事に関する『図像学』という学問があるそうです。   それなら源氏物語も、そういう約束事を収集して、絵を一目見たらどの場面かすぐにわかるようにできたらどんなに楽

    • 賢木⑳諒闇明けの新年

      🌷桐壺院の喪明け 年明けて桐壺院の喪が明け、宮中は華やかさを取り戻した。 🌷宮中行事の準備の華やかな噂 十四日夜の男踏歌 や 十六日夜の女踏歌、下旬の内宴 などの宮中行事の準備の賑わいのことが御耳に入る。 🌷悲哀 院の御在世中は、踏歌は、帝の御前から院と中宮の御所、春宮御所を廻って、明け方に宮中に戻ったものだった。 しかし御出家の今となっては、中宮のおられる三条宮には宮中の華やかな行事も遠いこととなり、人生の悲哀が御胸に迫られる。 🌷勤行生活 中宮は、ひっそり

      • 賢木⑲藤壺宮桐壺院の一周忌法要と法華八講を主催し、最終日に出家する

        🌷十一月一日 桐壺院の御命日 中宮は、桐壺院の一周忌の法要に続いて、法華八講の御準備に御心を砕いておられる。 十一月の初め、桐壺院の御命日に雪がひどく降った。 源氏から中宮にお便り申し上げる。 💌⬅️🧑🏻‍🦱……………………………………………………………………………………………………………    御命日となりましたが、院にはいつになればまたお会いできるのでしょうか。    別れにし今日は来れども 見し人に 行き逢ふほどを いつと頼まむ …………………………………………

        • 賢木⑱””’名のみことことしう

          🌷名のみことことしう   🤔雨夜の品定めの前には、『光る源氏 名のみことことしう 言ひ消たれたまふ咎 多かなるに』と言われてるわよ?   🤔呼ばれ方は大仰だけど、ちょっと言えないぐらい咎が多いらしい?   🤔どういうことかしら。   🤔ちょっと言えないぐらいあちこちで御盛名らしいけど、実際は大したことない品行方正青年よ、ということ?   🤔それとも… 大層ご立派なニックネームでお呼ばれだけど、内実は軽率軽薄でアラだらけな方なのよ、ということ?   🤔雨夜の品定めまでは

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        0 源氏物語のなんちゃって図像学

          賢木⑱”” 尚侍と中宮と 道長の姫たち②嬉子 添臥 望月の果て

          🍵閑話休題 添臥   😮ねねね!!!白河天皇様の御生母茂子様は、春宮妃でいらしたというのだけれど、添臥でいらしたんですって?   😦道長様の明子様の方の能信様が御養父ですって。   🤭お話飛ぶわねえw   🤪でも、添臥と聞いたら、なになに?ってなっちゃうわ!   😮添臥ってどんな御身分なのかしら。   😦左大臣の姫君の葵上さんも、添臥として、源氏君との御結婚をなさったみたいなのよ。   😮添臥からそのまま正妻になられたりもするみたいだから、添臥というのは年上の御褥専門の女

          賢木⑱”” 尚侍と中宮と 道長の姫たち②嬉子 添臥 望月の果て

          賢木⑱”’ 尚侍と中宮と 道長の姫たち①妍子、威子

          🌷尚侍の御身分   🤔ねえ、尚侍って、お妃なの?   🤔尚侍って、源氏物語で言えば、朧月夜君とか、後の玉鬘さんとかの御身分よね。   🤔女御とか更衣とかは帝のお妃なんでしょうけど、尚侍は、奥の寝室ではなくて、表の公務員的な御身分なのではない?   🤔女御宣下された正式のお妃ではなくて、公務員的な尚侍の御身分だから、密通といってもそこまでの罪じゃないのかしら。   🤔朧月夜君は、御匣殿(みくしげどの)別当として宮中に入られて、前の尚侍が桐壺院の服喪で退がられた後に尚侍におな

          賢木⑱”’ 尚侍と中宮と 道長の姫たち①妍子、威子

          賢木⑱”愛ってなーに? 小学生の夫

          🌷愛ってなーに?   🤪ねえねえ! 愛ってなーに?   😀えーーーーーっ!!!   🤔源氏君は、12歳で元服。数えで12だから、令和なら、どうしたって小学生よ。小学生で成人式。   🤔それでその成人式の日に、16歳の葵上と御結婚。12歳の花婿よ。   🤔葵上も数え齢だから、まあ中学生のお齢よね。   🤔小学生の時から妻なり添臥なりと正式な共寝が始まって、自邸の二条院にも左大臣邸にも多分内裏にも、召人というのか、いつでも性関係に応じるお気に入りの女性が常にごろごろいる人生

          賢木⑱”愛ってなーに? 小学生の夫

          賢木⑱’ 女に餓えたことのない男の恋とは? 🫣愛してない?

          🌷愛してない?   😧ねえ!さっきのお話だけど、、源氏君は、朧月夜の尚侍の君のことは、本気でお好きだったんじゃないの?   😧そうよねえ。 結局恋人と言えるような女性は数多と言うほどはいらっしゃらない中で、お若い時から、間男的とはいえ、群を抜いて華やかなお付き合いが続いてらした方、と思ってたわ?   🤔後宮の方に手を出すってとんでもない不敬の罪という気がするけれど、帝公認、というのは不思議な感じだったわ。   😦でも… 間男というのは右大臣家の言い分で、『花宴』で源氏君

          賢木⑱’ 女に餓えたことのない男の恋とは? 🫣愛してない?

          賢木⑱朧月夜との文の交換

          🌷頭の弁の朗誦から 右大臣家の敵意を更に身に感じる 右大臣家の頭の弁が『白虹日を貫けり』と聞こえよがしに誦んじたことが心にかかり、改めて藤壺中宮との秘密が心に重くのしかかってくる。 🌷朧月夜からの文 何もかも煩わしくなって、朧月夜の尚侍とも疎遠になっていた。 頭の弁とも前の弘徽殿女御の皇太后とも同じ右大臣家の人である。 いつしか晩秋の時雨の季節となった頃に、朧月夜の尚侍から文があった。 👧🏻➡️💌…………………………………………………………………………………………

          賢木⑱朧月夜との文の交換

          賢木⑰ 雲林院から 二条院に帰邸、藤壺に山紅葉、朱雀帝に対面、春宮に参内中の藤壺に挨拶

          🌷二条院に帰邸する 何日か逢わなかっただけなのに、紫の君は一層美しく成長しているように見えた。 落ち着きも加わってきた高雅な人に、夫の愛を不安がっている様子が仄見えるのが可憐でいじらしい。 藤壺中宮に惑い乱れる気配などが表にでてしまっていたのか、それが雲林院への『色変はる』という歌になっていたのかと思うと、 可哀想にも健気にも思えて、愛しさが募ってたまらず、 いつもよりも懇切に細やかに、愛撫にも熱がこもるのだった。    (✉️風吹けば まづぞ乱るる色変はる 浅茅が露に

          賢木⑰ 雲林院から 二条院に帰邸、藤壺に山紅葉、朱雀帝に対面、春宮に参内中の藤壺に挨拶

          前坊の続柄 (はらから)

          🍵閑話休題。 『葵の巻』まで戻ります。 六条御息所のお仕えした前坊(=前の皇太子)という方が、桐壺帝とどういう御関係かよくわからないでいたのですが、 前坊は、桐壺帝と同腹の『一の院』の皇子、弟宮ですね。 桐壺院の 同じき御はらから(=同腹の御兄弟) とありました。 『葵の巻』。 六条御息所は、左大臣邸が葵上の出産で沸いているさ中、 朦朧とする記憶を辿っているうちに、自分の衣に芥子の香りが濃く染み付いていることから、我が身を離れた生霊の不埒を悟り暗然とします。 葵上の葬送の

          前坊の続柄 (はらから)

          賢木⑯’’ 暗雲 紫上の嫉妬 御身分 明石の姫君

          🌷朝顔宮の屋敷には夜這いしていない?   🤔🔓中宮の三条宮には、少なくとも二度忍び入ってるのに、🔒桃園の式部卿宮のお屋敷に忍んで行く場面はなくない?   🤔中宮の兄君の兵部卿宮より朝顔宮の父君の式部卿宮の方がガードが固い、なんてことある?   🤔朝顔宮には、恋心としては、そこまで御執心じゃなかったということがあるのかしら。   🤔美貌とは書いてなかった気がするんだけど、見落としてるかしら。   😧さぞお綺麗になられたんじゃないかって、想像してるところはあったわよ。   🤔

          賢木⑯’’ 暗雲 紫上の嫉妬 御身分 明石の姫君

          賢木⑯’ 暗雲 紫上の嫉妬と不安の芽生え

          🌷朝顔『宮』とは?   🤔朝顔宮って、宮の姫君だから、身位は女王でいらっしゃるのではないの?   😮ほんとだ!宮って皇女だけの御尊称よね。   😮ほんとねえ、なんで朝顔宮とお呼ばれなのかしら。   🤔時代によっても、宮の範囲が多少変わってるかもしれないけれど。   😦皇女のなさる加茂の斎院をお務めだし、皇女に準ずる方だって、世間みんなが思ってるぐらい高貴な位置にいらっしゃるということなんでしょうね。 🌷朝顔と源氏の過去の関係   🗓️源氏17歳   😦『帚木の巻』で、

          賢木⑯’ 暗雲 紫上の嫉妬と不安の芽生え

          賢木⑯ 秋になり 雲林院に参籠

          🌷雲林院に籠る 源氏は拗ねてるのか😮?! 源氏も、お可愛い盛りの春宮に会いたくてたまらないが、中宮に思い知らせてやりたい気持ちが勝って、参内もせずに引き籠っているが、 手持無沙汰で、秋の野の風情を見がてら、紫野の雲林院に詣でた。 母方の伯父君が 律師として お籠りの宿坊に参って、2,3日勤行してみると心に沁みることも多い。(Cf. 僧階 …僧正→僧都→律師) 秋の野の一面に色付き移ろいゆく景色は艶美で、凡俗の日常を忘れてしまいそうである。 学のある僧達を召し出して

          賢木⑯ 秋になり 雲林院に参籠

          賢木⑮ 藤壺中宮 出家の決意

          💧その後の源氏  「あんな恥をかいて、今後どんな顔で会えばよいのだ」「いやいや、憐憫でもよいから何とか御心に掛けていただけるまでは、こちらからは御文もさしあげまい」 そんなことを思って、源氏は、内裏にも春宮にも参らなくなり、 「ひどい方だ」とみっともないほど恋しくて悲しくて、魂が抜けてしまったようになって、具合も悪くなってくる。 「生きていれば辛さばかりが募っていく」と出家を思う一方、 源氏一人を恃みに生きている若紫の可憐さを見ると、この人を振り捨てていくことなど到底で

          賢木⑮ 藤壺中宮 出家の決意

          賢木⑭ 三条宮に藤壺を襲う 二夜目 髪を取られる

          🌷🌙夕暮れ 中宮御回復 夕暮れの頃に、中宮の御気分は漸く回復して来る。 まさか、源氏が一日中塗籠に潜んでいたなどとは、中宮は思いもよらない。 女房たちもお心を乱すのを怖れてそのことは申し上げずにいた。 中宮は、昼の御座にいざり出て来られる。 もう大丈夫と、兵部卿宮なども退出されて、御前は人少なになった。 中宮は普段からあまり御側に人を置かない方なので、女房たちはそこここの物陰などに控えている。 事情を知る王命婦たちは、 「あの君を、人目を忍んで塗籠からお出しするに

          賢木⑭ 三条宮に藤壺を襲う 二夜目 髪を取られる