今日投稿すれば228日連続!続けられてすごい!とのこと

『ご自由にお書きください』とのこと。サンキュー。
『読んだ本の感想をnoteに書いてみませんか?』が表示されたら野坂昭如『俺はNOSAKAだ ほか傑作撰』(新潮社)の感想文を書こうと思っていた。しかし思惑が少しばかり外れたので同じ野坂昭如の小説『エロ事師たち』を最初に読んだときの感想も含めたエモくてエロくてメロウな感じの思い出を綴りたい。
 死んだ女房の連れ子の女子高生とやろうとするシーンは良かった。手元に『エロ事師たち』がないため、それまでの流れが思い出せないのだが、実に芸術的で官能的な愛の交わりが描かれそうな雰囲気からの、無残な結末に舌を巻いた。勿論、そこだけが良いのではない。全部が良い。もっと読みたいと思った。連れ子の女子高生とやろうとするシーンを(おいおい)。
 内容も面白いが文章が良かった。初めて見る文体だった。
 この文体は『俺はNOSAKAだ ほか傑作撰』収録の『対談 文壇酒場と文壇の関係 坪内祐三と』によると「(前略)当時は西鶴風だとか言われていましたけど、西鶴じゃない、オリジナルなんです」とある(坪内祐三談)。
 そう言われると「そうかオリジナルか!」と思う。だが西鶴風というのも間違いではない気がする。昭和時代の『好色一代男』が『エロ事師たち』に思えるからだ。野坂昭如の語り口は現代に井原西鶴が蘇ったら真似するかもしれない。それぐらい良い。西鶴が嫉妬するかもしれないと言ってもいい。私『好色一代男』を読んだことないですけどね(笑い)。
『骨餓身峠死人葛』も評判通りの出来だった。会話の文章が良い。惚れた。昔は、こういう語り口調の人が実際にいた。今もいるとは思う。しかし以前より減っただろう。昭和が終わり平成に入った頃にはいた。令和に入った頃から聞かなくなってきた気がする。気のせいか。それにしても昭如という名から漂う昭和感にはただならぬものがある。試しに書いてみる。野坂昭和。違和感ゼロだ(笑)。これも気のせいかもしれぬ。
 そんな感じで書き終えようとして、最後の最後に凄まじい衝撃を受けた。『俺はNOSAKAだ ほか傑作撰』は箱っぽいケースに入っているのだが、そのケースの裏表紙に、こんな紹介文が書いてあったのだ。
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 ぼくらが青春だったとき、野坂さんはあの高倉健に優るとも劣らない”団塊の世代のヒーロー”だった。二人に共通したのは、反逆と反体制の姿勢。その裏側には、常に弱者への共感とやさしさといたわりがあった。ぼくは、そこに強く惹かれていた。若者よ、今こそ、怒りを込めて振り返れ! 野坂さんの小説を読む意味がそこにある。
 スタジオジブリプロデューサー 鈴木敏夫氏評
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 どこにでも湧くなあ、というのが一番の感想だ。これじゃジブリじゃなくてゴキブリだ(おいおい)。帯に書かれた推薦文なら分かる。本体の一部であると思われるケースに印刷されているのだ。そんなポジションなんだ! と驚く。写真集の帯に色々と書いている秋元康の仕事にも驚嘆しているのだが、それに肩を並べる高いポジショニングだと思う。そうなるとオフサイドトラップに要注意。トラップにはハニーもあることを忘れずに。それはそれとして、絵の上手な外国人のシンママとお幸せに!(おいおい)
 追記。この雑草の如き生命力の半分でも『火垂るの墓』の可哀想な兄妹にあったなら悲劇は避けられたかもしれない、と思った。しかし、それだと『火垂るの墓』は成立しえずスタジオジブリによる映画化もなかったわけで、そうだとすると鈴木Pが推薦文を書くこともなかった気がする。作品と無関係になるからだけではない。『火垂るの墓』のアニメ映画化がスタジオジブリに与えた功績は大きいと思うし、その業績が鈴木Pのキャリアアップに貢献していると考えるからだ。あの兄妹の哀れな死は、スタジオジブリの経営と鈴木Pの成り上がりのために役立ったのだ。兄妹よ、以て瞑すべし。嬉しくないか。

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