2023年、サンタクロースになる
クリスマスが近づく頃に毎年思い出すことがあるのですが、皆さんはいつごろまでサンタクロースを信じていたでしょうか?
私は小学校高学年までと、わりと長めに信じていました。
しかし夢見がちだったというわけではなく、むしろ未就学児の頃から魔法など非科学的なものはあるわけがないと言っていた冷めた子どもでした。
それなのになぜそんなに長く信じていたのかというと、父親のせいです。
煙突から入るとか魔法でカギを開けるとかそりで空を飛ぶとか、そういう話は最初から信じていなかったので、幼少期の私は実際にはどうなんだと親に尋ねました。
すると父親が実際の公認サンタクロースの試験内容などを見せてくれながら、まあ実際にこの人たちだけで世界中に配りきることはできないんだけど、こういう人たちが参加している世界的な組織があって、寄付金を募ってそこから子どもたちにプレゼントを買っているんだという説明をしてくれました。
嘘の中に真実を混ぜると信憑性が増すといいますが、幼かった私はそれにまんまと引っかかってしまったのです。
他にも思いつく限りおかしいと思ったことについて質問すると全部リアリティのある内容で返されましたし、何よりそんな嘘をつく必要なんてないから本当なんだろうな!と思い、2つ下の妹が先に気づくときまで信じ込んでしまうことになりました。
真実を知ったときは、こんな意味のない嘘ついて騙して笑ってたのかと周りの大人に対して不信感を抱きました。
このときの私が何にがっかりしたのかというと、
真実を教えてもらっていたとしても、理解できなかったりおもしろがって周りの楽しみを壊したりするような子どもではなかったのに、侮られていたように感じた
「夢を壊したくない」などというが、そもそもそんな夢を見させる意味がわからなかったし、一方的に夢を押し付けておいてあとから奪う行為が不誠実だと思った
というのが、当時感じていた内容に近いと思います。
さらに今になって考えると、あの時の私が素敵だと思った、直接子どもと関係がなくてもプレゼントをあげるために活動してくれている大人たちはいなかったんだなということへの失望もあったのだと思います。
そして2023年のクリスマス前、旧Twitterでブックサンタという活動があることを知りました。
まさに昔の私が素敵だと思っていたサンタクロースそのものでした。
昔から本が大好きだったのもあり、この活動を知ってすぐに私はオンライン書店から本の寄付を行いました。後日、運営費の寄付も行いました。
今回はオンラインで済ませてしまいましたが、実際の書店で選ぶのも楽しそうだと思いましたし、書店の売り上げにもなるからとても良いなと思いました。
参加してみて、本当に良かったと思っています。
年始にステッカーと栞が届いて、私も誰かのサンタクロースになれたんだという実感が湧いてきて嬉しくなりました。
同じように、全国の子どもたちのために本を選んだりお金を寄付している人たちがたくさんいるんだと思うと、もっと嬉しくなりました。
本を置くスペースがなくなってきてから電子書籍で本を買うようになり、書店に足を運ぶことは少なくなってしまったのですが、次回は書店で本を選んで参加したいと思います。
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