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写真が苦手な私。(エッセイ)

車で30分の所にある大きいファミリーパークでイベントが行われていた。

本を持ち込み、出店されているお店で珈琲やお菓子を買って、それを楽しみながらパーク内で読書を楽しもうというイベント。

ファミリーパークというだけあって、子供連れの人達が多かったのだが、ファミリーパーク内にはフォトスポットがあり、そこで写真を撮っている親子が居た。

『〇〇、可愛いよ〜こっち向いて〜』

何て声が聞こえてくると、小さい子供は可愛くポーズをとって親御さんが写真を撮るのを待っている。

そんな光景を見るたびに、私は自分の小さい頃を思い出し、こう思う。

『私は、あの子みたいに写真に写るのが苦手だったし、あんな可愛いポーズなんて出来なかったな〜』

親に、撮るよ〜って言われれば、自分がどうすれば可愛く写るかをちゃんと分かってポーズをとっていてたあの子。

けれど私は、そんなポーズをすぐとれる子供ではなかった。

笑顔で写っている写真もあるけれど、私が小さい頃の写真で一番印象に残っているのは、動物園のキリンの前で、無表情で写っている私の写真…。

ほんと、絵に書いたような無表情…。

そんなわけで、大人になった今でも写真は苦手で出来るなら写りたくない。

今の時代の様に、ラフに写真をパシャ、パシャと撮ることは出来ても、写るのは嫌だと思う。

それでも、成人式の時の前撮りだけは、逃げることが出来ず(笑)頑張って笑顔を作り、早く終わらそうとした。

写真が苦手な自分なりに頑張り、とてもスピーディーに撮影を終わらせる事が出来た。

写真を撮られながら私は何かの暗示にかかり、笑顔は中々の出来だった様に思う(笑)

写真が苦手な私。

それでも、あの子の様に自分の見せ方をちゃんとわかっているのは、少しジェラシーはありつつも、羨ましく思う。

私にないものを、あの子は持っていたから。

でも、今はまだ、写るよりも、撮る派だ。


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