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【詩】蜃気楼だけ

輪郭のない春が来て
その薄い影に
ぬるい風が吹きつけている
曖昧な季節
いつも
いつも
君を探していた
次の季節
次の季節と
思ううちに
一年が過ぎて
心の中に
蜃気楼だけ
揺れている
思うより短い春に酔い
君にかける言葉を探している
それとも
もう
手を振った方がいいかしら
君が遠いこと
今だけ忘れて

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