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空白の数年間/色盲のつぶやき

前にも書いたけど、写真は子どもの頃からよく撮っていた。
風景だったりスナップだったり人だったり。
カメラをさわるのが好きだったってのもあるけど、どこに行くにもカメラを持ち歩いていた。

大人になってもよく写真を撮っていたから、時々、仕事として撮影を頼まれることもあった。
だけど「デジタル難民」って記事に書いたように、デジタル化にうまく対応しきれなくなったボクは、仕事や誰かからの依頼で写真を撮ることをやめた。

それからも、趣味としての写真は続けていた。
でも、実は数年間、ほとんど写真を撮らなかった時期がある。

趣味としての写真は誰かに責任を負うわけじゃないから、自由に楽しめばいい。
だけど、ブログやFacebookに自分の撮っている写真を載せ始めたことが、ボクは自分と写真の関係を追い詰めるきっかけになった。

例えば、ボクの写真に「手前の赤い花がいいアクセントになってるね」とか「夕焼けのグラデーションと緑の対比が素敵」なんてコメントをもらう。
ほめてもらっているのかもしれないけど、赤や緑がよく見えないボクにはそんなコメントの内容がピンとこなかったし、そもそもその写真の狙いはそこじゃなかった。

誰かのために撮っているわけじゃないし、趣味の写真は自分が楽しめればいい。
そう思う一方で、色盲のボクが写真を自分の表現手段のひとつにしようとしていることに虚しさを感じるようになった。

やめよう。

そして、ボクにとって写真との空白の数年間ができた。

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