あきらめたこと③/色盲のつぶやき
子どもの頃、母はボクに「将来は医者か弁護士に」って言ってた。
ま、昭和あるあるな感じ。
だけど、医者も弁護士も自分の職業として興味は持てなかったし、そもそもソレ(色の見え方の特性)があると医者になんてなれないことは、母もわかっていたと思う。
パイロットやレーサーをあきらめ、好きだった絵を描くのもやめたボクは、将来をうまくイメージできないまま高校3年生になっていた。
とりあえず大学には行こうと思っていたけど、自分がどの学部に行きたいのか、どの学部が向いているのかがわからない。
そんな時、通っていた高校で、ある私立大学の理学部の推薦枠が空いているって話を聞いた。
そこは関西じゃトップクラスの大学だったけど、まわりのみんなは、まずは国公立をめざしていて、早目の推薦枠で決めてしまおうって生徒はいなかったようだ。
ボクはその推薦入試を受けた。
で、落ちた。
推薦といっても100%受かるもんじゃないとは聞いていた。
ただ、高校の担任からは、試験のあと、ボクのソレについて大学から問い合わせが入っていたことを聞かされた。
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