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【短編小説】会社員のとある一日

前書き

実話を少しだけ誇張して書きました。ささっと読んで、笑ってやってください。

本文

私はとある大企業に勤めている技術系のサラリーマンだ。
忙しい日々を送っているが、これはある一日を綴った物語である。

朝、開始のチャイムと共に朝会開始。ここで昨日のやった事と、今日やる事を各々が報告する。二十名以上も居るので、一人二,三分でも結構掛かる。

(長えな・・・。しかも、何言ってるかわかんねえし。苛)

時々、ぼそぼそかつ長々としゃべるおっさんがいるが、チームリーダーである自分はうんうんと頷き、決して心に思っている事を顔に出す事はない。

それが終わったら、会議が三連チャン。品質問題に、改善ネタ出し会議に、基準類改定内容確認の会議だ。そしてメールの処理をして、午前は終了。

午後一に安全パトロール。職制と一緒に見回るが、今日の点検場所は自分の持ち場。昨日片づけたし、メンバーにも言っておいたから大丈夫! と思ったら、なんとペットボトルの机上放置でアウト!

(オー、マイガー!!)

職制からの指摘もあり、すぐにメンバーを緊急収集して対策会議。

『ペットボトルを放置しない為にはどうするか?』

を題材に30分の白熱した議論が展開。出た結論をフォーマットに記入し、上司へ確認依頼。すると、カタカナ文字の半角と全角が混ざっているという素晴らしい指摘を頂き、すぐに修正対応。

ここで少し休憩。 ふ~、ブラックコーヒーが胃に沁みるぜ・・・。

休憩後は書類対応。健康宣言のとりまとめや、交通安全活動として自宅周辺の通勤路マップをGoogleマップを見ながら精巧に作成。そして、個人週報にチーム週報、海外現法からの品質月報、総原価低減活動、現場改善活動の代筆を行う。

おおっと、忘れていた! 先週言われていた『作業標準書の書き方の標準書』が明日納期だったので、半分ほど対応。ここで終業チャイムがなったので、続きは明日へと持ち越し。

働き方改革で残業管理が厳しくなったため、本業の技術業務は後回し。
家でやろうにも、パソコンのログ情報で仕事の持ち込みがバレるそうなので、やめておこう。

同僚が家で仕事をしていたのがバレ、怒られた上に反省文を書かされた二の舞にはなりたくないからな。会社を出ると、季節的にちょうど夕暮れ。
沈んでいく夕日を見ながら、俺は一人満足する。

今日も頑張った。 ・・・日本の未来は明るいぜ!!

おわり

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