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ありがとうの練習


 皆さんは「ありがとう」って思った時にちゃんと言えますか?私は心の中で思っていても中々声にすることができませんでした。それがいつもいつも歯痒くてもどかしいと感じていました。「言いたいのに!」「伝えたいのに!」と思っていました。その時私ができたのは渾身の頷きの様なお辞儀でした。これじゃ何も伝わらないよ!(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)と思っていました。

 子供の頃はなんでも口にする子供だったんですけどねぇ、いつからか黙っている様になってしまいました。なぜなんでしょうねぇ。そして声がどんどん小さくなっていきましたよ。

 そこで私は取り敢えず声を出す練習をしようと決めたんです。例えばスーパーでレジに行ったら毎回店員さんに「お願いします」と言います。カゴを置いてから店員さんがカゴからカゴへ品物を移動する作業を終えたら「ありがとうございます」と言います。これを必ずすると決めたんです。最初はドキドキしすぎとお腹に力が入れられなくて蚊の鳴く様な小さな声でした。うつの症状で体に力が入らないのですが声を出そうにもやっぱり力が入らないのです。ですから聞こえるのか?聞こえないのか?くらいの本当に小さな声でした。最初の頃はもうドキドキしすぎて申し訳ないけど言ってるだけだったんです。人は怖いし声を出すのも緊張しちゃうしでもうドキドキドキドキしてしまって。でも何とかやり続けました。

 1年くらいした頃でしょうか、「ありがとう」って言いたいと思った時にちゃんと顔を見て言える様になっていました。1年かかりましたね。

 今は「ありがとう」だけじゃなくて咄嗟に声を出さなきゃ行けない時とかに出るようになったなぁと思いました。ちょっとぶつかってしまった時とかに「すみません」とか小銭を落として見つけられないでいるマダムに小銭が落ちた場所を「そこに落ちてますよ」と教えたり。マダムは「ありがとう」と言ってくれてこちらも「いいえ」とか言ってちゃんと人間っぽい受け答えができた事に嬉しくなったりもしました。

 ちゃんと自分はなりたい自分に変われたなぁと思いました。時間は人よりもかかってしまったのかもしれないけれどちゃんと目標は達成できたので良かったと思っています。

 大学の時のあまり好きではなかった担任の先生が言っていた言葉を思い出しました。「変わりたいと思った瞬間に8割変われている。あとの2割は行動に起こす事なんだ。」
 あまり好きな先生ではないけれどいいこと言うなぁと思ったのを思い出しています。
この言葉を聞くと行動する事が大変なんだよと思う人もいるかもしれないです。けれどこの言葉で「8割はもう済んでいるのか、あと2割かぁ。あとちょっとじゃん!」と思うことができました。それからは少しハードルが下がって変わる事に積極的でいられます。「あと2割」が合言葉です。

 完璧を求めすぎてしまう私は変化し終わって玄人ぐらいになった状態を「変わる」という事だと思っていました。これってすごく道が長く感じてしまいます。けれど始めた瞬間からその前までの自分とは違う行動をし始めているのだから「変わった」ということになるんだよなぁと思えるようになったんです。これは今までよりもだいぶ楽な考え方だなぁと思っていますよ。

 

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