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『DVから逃れる』 あるDVサバイバーの記録 #004

#004  児相と役所の訪問

警察への通報後、しばらくして児童相談所と役所の職員が訪問に来た。
私は今回の通報の話といつか離婚する時に証拠として出そうと思っていた日記や動画を見てもらった。すると児相の職員は「かなり重いDVですね。」と一言。

正直私はここまで重いDVだとは思っておらず、自分の置かれた状況がかなり悪いことに恥ずかしながらようやく気づいたのである。

「今回110番してくれて本当に良かったです。」と言われたものの、これで本当に良かったのか自責の念に囚われた。
児相は子供達への影響が深刻なので役所と連携して継続して相談していくことになったが、児相は何故か私と元夫2人並べて話を聞くことにこだわった。
しかし、ここは役所の職員が機転をきかせて別々に話を聞くことにしてくれた。(ありがとう役所の職員!)さらに役所の職員が言うには、私は外面の良い元夫だと思っていたが、元夫の本性は周りの人間には既にバレていたようで今回の話が出た時に役所の中では「ああやっぱりね」という反応だったと教えてくれた。

その後児相は元夫からも話を聞こうと何度も電話したが一向に繋がらないと言う。
元夫は私には「俺は何も悪くないから来るなと言ったんだ!」と言っていたがこれは真っ赤なウソだった。
そこで元夫が家にいる時間を見計らって突撃訪問することにしたらしい。

突撃訪問を受けた元夫は子供達に対する謝罪や反省よりも自分の立場を守ることに必死だった。「田舎町でウワサが広まったら困るから来てもらっては困る」「役所の人間には守秘義務があるだろう」「ただの夫婦喧嘩、子供には一切暴力を振るっていない」…

これには役所の職員もかなり呆れていた。

そして私はDVシェルターへの避難を勧められた。
しかし、2番目の子が大学受験の時期で引越しや様々な手続きができなくなることを理由にこの時は断った。

避難をしなくてはならないようなDVだったんだと驚きと同時にショックを受けた。
避難は絶対にしたくないと思ったが、これからどうなっていくのだろうととても不安になった。
この後は定期的に警察から連絡がありその都度近況を報告していたが、しばらくは元夫とは冷戦状態で家の中でもなるべく顔を合わさないように生活していた。

それから遂に運命の日がやってくるのである。

続く


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