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Mocaの読書感想★

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Mocaが読んだ小説文庫についての読書感想を紹介するマガジンです。 読んだ本もしくは面白かった本の記事を挙げていきます。 宜しくお願いします。
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記事一覧

小説(物語の白馬の王子様)vs.教養本(ガリ勉教授)第1回戦

小説(物語の白馬の王子様)vs.教養本(ガリ勉教授)第1回戦

読書する際に小説と教養本どっちの本で読書するのかを検討する。

そんなときに小説と教養本を対抗させる。

小説を“物語の白馬の王子様”を名付け、教養本を“ガリ勉教授”と名付けた。
“物語の白馬の王子様”と“ガリ勉教授”はライバル関係。

何故、小説は“物語の白馬の王子様”なのかというと、そもそも小説っていうのは、著作者によって生み出したフィクション(想像でつくられた架空もの)のストーリーであること

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『AXアックス(伊坂幸太郎)』読書感想

タイトル:『AXアックス』

著作者:伊坂幸太郎

出版社:KADOKAWA

★感想家族小説と犯罪小説を合わせたかのような小説。
伊坂幸太郎の作品は、結構、生き方の教訓について述べられているし、シュールでシンプルな作品だと思う。
「兜」の印は章立ての段落で区切りをつけているのかもしくは、主人公の立場の切り替えのスポット当てのためにつけているのかが理解不能である。
その妻子持ちで、想像力の豊かであ

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本は命がある

本っていうのは命がある。

本を読む際には、書いている著作者の気持ちを絶対に忘れていてはいけない。

それぞれの本には、人と繋がる紙媒体の組織である。

1ページずつ何種類の情報源が詰まってあるのだ。

どんな国籍・人種だろうと、性癖だろうと、政治的概念だろうと、宗教観念だろうと、人それぞれの思想の自由は大切にすることだ。

例えば、戦争の話だとしたら、戦争経験者もしくは被災者が書いた作品だとすれ

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『パトリック・メルローズ5:アット・ラスト』(エドワードセント・オービン)読書感想

★感想ベネディクト・カンバーバッチの『パトリック・メルローズ』最終章!

やっと最終章イエーイ👊😆🎵

だが、まだドラマを観ていない現状...。

いや、観ている!

面白かったっていうか、何ていうか、上級階級の世界でも、DVや性虐待、モラハラなどがあるんだなぁと思った。

ドラマはこの小説通りでした。

今回の『パトリック・メルローズ』は暗い。

いや、元々暗いか。

でも、心理的で哲学的

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『パトリック・メルローズ4:マザーズ・ミルク』(エドワードセント・オービン)読書感想

★感想パトリックは英国貴族として弁護士になって、妻と二人息子がいる展開になる。パトリックは父親になって、子供2人養うことになった。最初は長男のロバート視点だったが、途中からはパトリック視点になった。父親と息子の関係性で共通点が所々あるとされている。パトリックは大学時代に付き合っていたジュリアと再会し、再び関係を持つ。最終展開がどうなるのかは5巻で楽しみだ。

『パトリック・メルローズ2:バッドニュース』(エドワードセント・オービン)読書感想

★感想二十二歳になった金持ち貴族育ちの息子であるパトリックは父親の死を遂げ、麻薬依存性をエスカレートしていく話。
パトリック、一体、何があったんだ!?( ; ゜Д゜)
麻薬中毒になっていき、テレビの番組のように幻覚を見るようになった。
考察によれば、前作に登場した親戚が麻薬をしていたので、多分、そのせいで影響が出たかも知れない。あとは父親からの性虐待等のトラウマも影響に出てしまったかもしれない。

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『パトリック・メルローズ3:サム・ホープ』(エドワードセント・オービン)読書感想

★感想麻薬中毒になった原因は一巻で幼少期だった頃のパトリックが父親による性虐待を受けたトラウマがあったため、今にも父親を憎んでいることをジョニーに告白した。父親は亡くなってから、ずっと憎しみを持っていたため、その罪悪感と恐怖感でパトリックの人生が悪い影響になっていたとされている。マーガレット女王はソニーが持ってきた鹿肉をご馳走したが、ソースでドレスが汚れて、女王がカンカンに怒っていたことが面白かっ

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『火の鳥宇宙・生命編』(手塚治虫)読書感想

★感想今回の『火の鳥』は、人型の火の鳥が出てくるちょっとした近未来の話なのである。
前半の「宇宙編」では、「望郷編」に登場した牧村が突如、ミイラになるという話なのである。
いかにも、世にも奇妙な物語のようなストーリーだった。
牧村の性格上は、傲慢であって、他の宇宙人を殺害してしまうような最低な人間である。
だから、火の鳥が怒って、牧村を罰として赤ちゃんに若返て、赤ちゃんから大人へ、大人から赤ちゃん

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『パトリック・メルローズ1:ネイバーマインド』(エドワードセント・オービン)読書感想

タイトル:『パトリック・メルローズ1
:ネイバーマインド』

著者:エドワードセント・オービン

出版社:早川書房

★感想まだドラマ観ていないけれども、先ず原作から読んでから観ようと思った。ベネディクト・カンバーバッチが出演しているドラマである“パトリック・メルローズ”。麻薬依存やアルコール依存をテーマにした話なのである。原作の本書を読んでみると、ヤバかったです。
まずは、パトリック・メルローズ

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『10分間ミステリー The Best』(『このミステリーがすごい』大賞編集部)読書感想

タイトル:『10分間ミステリー The Best』

編集者:『このミステリーがすごい』
大賞編集部

出版社:宝島社文庫

★感想ミステリー小説の作家が「このミス」によって選ばれた10分間のミステリー短編集アンソロジーなのである。
通勤中の電車の中でもスキマ時間の休憩でも、読めれそうな短編集なのである。
それぞれのミステリー小説では、感動的な展開であったり、切ない展開であったり、ホラーもしくは

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『4ページミステリー60の奇妙な事件震える黒』(蒼井上鷹)読書感想

タイトル:『4ページミステリー60の奇妙な事件震える黒』

著者:蒼井上鷹

出版社:双葉文庫

★感想61編の短編ミステリー小説。
ミステリー小説っていうより、まるで「世にも奇妙な物語」のような奇妙な事件を読者と共に考える話。
61作品あるので、4ページ完結作品なので、スキマ時間帯に読める。
この作品には、3つの隠されたキーワードがある。
1つ目は犯人は実は主人公。
物語を読んでいたらわかるけど

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手塚治虫『火の鳥乱世編vol.7,8』読書感想

手塚治虫『火の鳥乱世編vol.7,8』読書感想

★感想・乱世編(上)
今回は源平合戦(平安時代後期〜鎌倉時代)に関する話なのである。
弁慶と牛若丸って、どこかで聞いたことがあるっていうことは、そういうことだったんだ。ある意味、日本史の勉強に習った。
天狗の正体は我王!?
鳳凰編に出てきた我王って、400歳ぐらい生きているんだ。
仙人!?え、いつ、永遠の血(火の鳥)を飲んだんだ!?
我王が見た夢とは...。
猿と犬は源氏と平氏と例えられ、弁慶にも

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『ジョイランド』(スティーブン・キング)読書感想

『ジョイランド』(スティーブン・キング)読書感想

タイトル:『ジョイランド』

著者:スティーブン・キング

出版社:文春文庫

★感想スティーブン・キングの作品でホラーとか多いので、ホラーを期待していたが、ミステリー小説だった。
なんだ、てっきり、遊園地が呪われているかと思った。
まあ、幽霊屋敷で殺人事件が起きたら、恐らく呪われているうちに入るのでしょう。
キングのミステリーが慣れていないせいなのか、あまりにもハマらなかった。
でも、何故かこの

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『魔王』(伊坂幸太郎)読書感想

タイトル:『魔王』

著者:伊坂幸太郎

出版社:講談社文庫

★感想てっきり、シューベルトの『魔王』をテーマにした作品かと思っていた。もちろんその要素は出てくるが...。
社会的や政治的の要素を踏まえたテーマであり、その超能力によって、人の心を操り、社会や自分の人生を変えていくというテーマである。
いかにも、ファッシズムという社会はまるでジョージ・オーエルの『一九八四年』を感じさせるような社会だ

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