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好きなことを仕事にしたくない。という気持ちを掘り下げる。

あなたが好きなこと、夢中になれることを仕事にして、幸せな豊かな人生を歩みましょう。という謳い文句が、SNS上にあふれている。

あふれているのだが。

好きなことや興味のあることを仕事にしても、それほど幸せではないかもしれない。

好きなことや興味のあることを副業にしてみた結果、そう感じているので、今日はそのことについて、じっくり掘り下げて書いてみたい。

まず前提を共有する。

職歴は割愛するが、ここ数年の私は、好きでも嫌いでもなく、得意でも不得意でもないことで主な生計を立て(親族経営の会社員)、興味があって得意なこと(いわゆる相談業)でのんびり副収入を得ていた。

だが、会社からの収入は諸般の事情から、そう遠くない未来に期待できなくなるという現実的予測を踏まえ、この1~2年は、副業がどこまで伸ばせるのか、個人事業主として生計を立てられそうという手応えがつかめるのかどうか、判断するために、それなりにリソースを割き、いくつかのチャレンジもしていたのである。

要するに、のんびりモードから、ちょっと本気モードになった。
むしろ本気モードになったからこそ、幸せではないと感じたのである。

なぜ、好きなことや興味のあることを本気モードで仕事にしたら、幸せではないと感じたのか。

好きなことや興味があることをサービス化し、自己アピールをし、他者と関わり、ニーズに応え、収入を得るプロセスが、仕事である、とここでは置く。

このプロセスに、わたしが嫌いで不得意なことがそこそこのボリューム感で含まれるため、本気になればなるほど、嫌いで不得意なことでリソースが圧迫され、純粋に楽しむ機会が減ったと感じたからである。

嫌いで不得意なこと。
相当凸凹している私の場合は、不特定多数の人への広め深めの自己開示や、心理学的テクニックで誘導することや、人を巻き込んでいくことや、ニーズに応えるために信念を曲げること。である。

広め深めの自己開示は、ある程度の信頼関係を構築した上でなら、むしろ喜んでするが、顔も見えない、何を考えている人なのかよくわからない人を相手にすることは、本当はすごく苦手である。何についても、一対一の対応には全然困らないが、不特定多数に相対することには、どうにも居心地の悪さを禁じ得ない。

心理学的テクニックに基づく誘導は、なんだか騙している気分になってしまうから、あまり多用したくない。

人見知りなのに本音ベースを求めるから、人を巻き込むのに苦労する。

好きで興味があることだからこそ、こだわりがあり、譲りたくない一線があるのでターゲットを狭くしたいが、一本釣りリーチが難しいので、ターゲットをゆるめて広くアプローチしようとすると、私のこだわりに価値を感じない人が寄ってきて、期待に応えようとすると萎えてしまう。

こうやって書き出してみると、あなた、いわゆる商売が向いてなさそうだね、という感じである。

内向的で、こだわりが強くて、おもてなし精神に欠ける性格の私が、好きなことや興味があることを仕事にして他者に届けようとすると、必然的に、嫌いで不得意なことをやり続けてリソースを圧迫するから、純粋に好きな気持ちが抑圧されて、幸福感を得られないのだ。

薄々感じていたことだけれど、こうやって言語化すると、なんというか、あきらめがつくのが良い。

解決策の方向性は、2つあるのかなと思っている。

好きなことや興味があることで生計を立てたいのなら、嫌いで不得意なことを特定し、なるべくアウトソーシングをする。あるいは組織やチームで、他の人にまかせる。

好きなことや興味があることを生計を立てる手段としてカウントせず、働きやすい環境で好きでも嫌いでもないことで生計を立てる。好きなことや興味があることについては、自分の城で、思いっきりわがままにやる。

今の私の気分は、後者だ。私の城がほしくてたまらない。

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