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[インターネット リアリティ マッピング]

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2014年にmakersのための情報発信メディア「DMM.make」でネット/メディアアート周辺の作家を数珠つなぎに紹介していく「インターネット・リアリティ・マッピング」という連… もっと読む
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[インターネット リアリティ マッピング]をしようと思った!

極私的なリアリティ私は「インターネット・リアリティ研究会」のメンバーとして活動しています.「インターネット・リアリティ研究会」は,インターネットが当たり前になった時代に生まれてきているであろうネットを経由したリアリティについて考えるために2011年に発足しました.メンバーはネットアートの初期から今までコンスタントに怒りと笑いに満ちた作品を発表している千房けん輔と赤岩やえによるアートユニット「エキソニモ」,メディアアートの世界に「飲み会」でのざっくばらんな批評を持ち込んだ「思い

JODIとエキソニモ:デスクトップリアリティと遊ぶ身体/消える身体

2組の男女ペアのアートユニット今回マッピングしようとしているJODIとエキソニモはともに90年代半ばから活動した男女一組のアートユニットです.わざわざ「男女一組」と書いたのは,現時点でこの先取り上げようとしているアーティストのほとんどが男性だからです.もちろん,自撮りのYouTube映像で有名になったペトラ・コートライトのように女性でネット中心に活躍しているアーティストもいます.しかし,カップルで活躍しているユニットは少ないです.ネットの創成期から今現在に至るまで刻一刻と変化

エキソニモとライダー・リップス:「ネット≒リアル」と「ネット↔リアル」

まずは,この画像[ryder-ripps.jpg]から見てもらいたいと思います.今回取り上げるアーティスト,ライダー・リップスの自撮りの画像です.彼は柔道着を着ています.リンクを飛んでもらうと,さらに画像があって,柔道着の背中には「Red Bull」のロゴがあって,脚の部分には「スポーツとしてのコンセプチャルアート」と書かれています.一体,柔道着を着たライダー・リップスは何をしようとしているのでしょうか. ライダー・リップス=コンセプチャル・アーティストまずはライダー・リ

エキソニモとライダー・リップス:コンセプチュアルなテキストエディター

テキストエディタ「怒りと笑いとテキストエディタを駆使し,さまざまなメディアにハッキングの感覚で挑むアートユニット」と自らを紹介するエキソニモ.ここで注目したいのは「テキストエディタ」という言葉です.「テキストエディタ」文字通りテキストを入力・編集するためのアプリケーションです.これまで「テキスト」というと「小説」や「詩」などの言語表現を指していましたが,今ではそこに「プログラム」も入ってくるようになってきています.「テキストエディット=文章編集」の枠組みがひろがっているのです