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【CL札幌予選1位通過】オーガポンex×テツノイサハex《未来オーガポン》13000字越

割引あり

はじめまして、珍横浜育成委員会のめんたこと申します。
この度はCL札幌にて結果を残せたため執筆させて頂きました。
初の試みということもあり、noteを書きなれている会長の671sに大きく尽力して頂いた合作noteとなります。
デッキの強みや各対面の戦い方等徹底的に解説しているので読んでいただけると幸いです。


◾️CLで上がるにあたって

ドラパルト・ルギアが事前に言われている通り圧倒的二強。これらと戦えるとされるロスギラや依然強いリザードン、そしてミライドンあたりが続くと考えた。

どう考えてもドラパルギアが中心に回っており、使う側に回るか・メタる側に回るかの二択を迫られている。

この頭二つ抜けている側とそうでない側の2つに分類して思考を始める。


ここで留意すべきは今回のCLは新環境に変わってたったの一週間であり、皆CLに向けて情報を隠していることは間違いないということ。
シティリーグなどが各所で開催され、概ね何が強くて何が負けている、といった情報はあるものの、やはり本番でどういった工夫のなされているデッキが勝ち上がってくるかは全くといって予想がつかない。

ここでもしもTier1側のデッキを使うとすれば、どこまで意識して構築すれば良いのだろうか。
ドラパルトなんかは構築上カスタマイズ性は大変高く、対策に対する対策などは簡単に組み込めるのだが、周りがどこまでのカードを入れてくるかが全く検討がつかない関係上、予想を大外しして沢山のカードを死に札にしてしまう可能性すらある。
また、新弾のカードでまだ注目を浴びていない未知のデッキがその日まで隠し通され、環境上意識されているものを次々と轢き殺している可能性も否めない。
その上で、今回Tier1側に回るのは危険と判断。

メタる側も「メタられる側がどこまでメタを意識するかわからない」と言われればそうだが、メタにも種類がある以上、メタられる側が特定のメタへの対策を入れて当たらない確率と、メタる側が丁度そのメタ対策に当たる確率ならば圧倒的に後者の方が低い。

「メタ」を敷くことはメタカードを入れるだけなので簡単だが、二強とは言ってもその後に続くデッキたちも十分合わされば無視できないものになっている。

→できることならば構築単位で上位に勝てつつ、パワー勝負を他に仕掛けていけるものが望ましい。


メタカードは勝率を補完する手段としての一つであり、そのデッキの特性を考慮しつつ入れる/入れない時の勝率の幅を天秤にかけるだけの話で一概に否定されるべきではないが、事実対面しそうな全てのデッキを逐一対策するといったアプローチは非効率でありながら、時としてデッキの根幹となる動きを邪魔することも多い。故に純粋に殴り合うデッキを使う場合、一旦はせめてTier1には構築単位で勝てるものを考えたい。ダメならばまた視点を変えるのみ。

その視点からドラパルトやルギアに勝ちきるためにまず必要な要素を簡単にまとめてみる。 


対ドラパルト
進化元を含め盤面のHPが十分に高い
→種ex・Vで殴り切るデッキや何度も回復を行え得る構築など

対ルギア
非エク高火力やテツノカイナ、及びレガシーでのサイドズラしにサイドレース上で十二分に勝て得るアタッカーを使う
→?????


対ドラパルトは色々やりようはあろうが、対ルギアがかなりやばい。
大半のデッキがルギアメタカード採用に逃げているのも納得だ。

更に至極当然だが、CLは対戦数が多く、どれほど立ち位置が良かろうとも高い再現性が確保できていなければ、勝ち上がるビジョンは見えてこない


みんな考えることは同じなので、これらの要件を満たすテツノカイナex系のデッキが環境上刺さりが良いことには気づく。

当然視野には入っていたが、今回環境上位へのパワー勝負で優位に立て得るような以上の条件を同様に満たしつつ、誰一人として予想できない完全新デッキの開発に成功した。
それこそが未来オーガポンだ。

VFvFFv-Ab7FhG-FF5bkV



◾️オーガポン緑の面exの性質と構築の方向性


みどりのまい
自分の番に1回使える。自分の手札から「基本草エネルギー」を1枚選び、このポケモンにつける。その後、自分の山札を1枚引く。

①種ポケモンでありながら置いた瞬間にエネルギーを盤面にエネルギー加速を行える

②エネルギーがそのまま1ドローに変わる

などが強力。


様々な活用方法が考えられるが、今回は①オーガポンが種ポケモンである点を最大限活かし、テツノイサハexと組んで後攻1ターン目からアグロ勝負を仕掛けられるものを構築した。

基礎的な動き
4/22 原案

ひたすらサイド2のポケモンで戦い続けるのみでは単なるファンデッキの一つに過ぎないが、後1からHP220までの1体を盤面から消し去る盤面破壊力にポテンシャルが感じられたため研究を続行。


ここで②の性質に着目したい。
「エネルギーが1ドローに変わる」
これは即ち
「実質的に毎ターン盤面のオーガポンの数だけ山札残り枚数が一枚少ない」

ことを意味している。(他にも解釈を仕方は様々だが)
毎ターンオーガポンの数だけエネルギーが半トレッキングシューズ
になる、と言えば分かりやすいだろうか。

我々は高い山札圧縮力により能動的妨害を可能にした昔の雪道ジャッジマンミライドンや、手札補充で手札干渉をうまく活かしたミュウVMAXを既に経験している。
ミライドンがタンデムユニットやエレキジェネレーターで山札を圧縮しているように、虫取りセットやエネルギー自体が圧縮札になりつつ、フュージョンシステムのようにみどりのまいで手札枚数は減らない。ミライドンがターン毎に必要なのはエネとジェネレーターだけであるように、オーガポンはテクノレーダーかイサハexのみ。
このオーガポンexというカードも、実はこの類のカードなのではないか。


その読みは見事に当たっていた。オーガポンをエンジンとしたデッキはアグロデッキでありながら、相手の手札干渉に強い、ひいては能動的な手札妨害が可能なのである。

ジャッジマンを使った後大半のデッキは次のターンのサポートに繋がりづらいが、みどりのまいでその点は一定クリアできている。
また、大半のデッキはエネルギーは中終盤ハズレ札で、かつハイパーボールのコストとしてリソースやサポートなどを切っていくことが多いが、これは中終盤山札の半分以上が"当たり札"となりつつ、コストの大きいカードを不採用にすることで残したいカードの保存が容易であるため、気軽に使用することができる。


故にジャッジマンの最大枚数採用して、相手の動きに制限をかけつつビートしていく両刀デッキが完成したのだ。ジェネリックミュウVMAX、爆誕。

これらの要素をフュージョン

デッキコンセプトは後攻1ターン目からの盤面破壊。
1ターン目攻撃に九割ほどの高い再現性を持ちながら、適時ジャッジマンでの妨害を挟みつつ、圧倒的にテンポを取り進めて行く。

しかし勘違いして欲しくないのは、後1全力右手プレーデッキかと言われればそうではない。アクセルピークのミライドンやアヤシシ、勇気のお守りなどを最大限に活用して継続的に器用に攻め続ける必要があるので、それについて後に解説する。


◾️デッキコンセプトの環境的適性


おすぎさん(@osgggg)のツイートより

これはCL札幌のデッキ分布だが、予想通りドラパルト・ルギア・ロスギラで半分を占め、ミライドンリザードンロスバレ…と続いている。
環境で勝ち上がるには当然環境上位に有利に立ち回れるものを使う必要がある。


◇後1攻撃の価値

後攻1ターン目の攻撃はサイドレースを有利にする意味合いもあるが、これの価値は環境上のデッキがどれほど盤面展開に頼っているか・それ自体にデメリットがないかに大きく依存する。
例えばドラパルトexデッキを考えてみよう。

色々省略

テツノイサハがドラメシヤを倒せば、次のターン、ドラパルト側は攻撃を選べばドロンチは1体、ドロンチ2体並べれば攻撃を諦めることになる。
いずれの場合もドラパルト側の継戦能力が著しく下がり、有利に事が運ぶ。ポケモンキャッチャー表でエネ付きを狩れようものなら爆アドである。
ドラパルトは他のデッキよりも盤面展開に依存しているため、こういった最速での小物狩に根本的に弱いのだ。

今回の例はドロンチ3体+ロトムV置き+手貼までできているが、多くの場合はここまでならない。
大抵の場合、手貼ができなかったためネイティを置いたり、そもそもボールが足りずあまり展開できずに番が終わり、そういった場合はかなりイージーな試合になる。

後1攻撃自体はおとぼけスピットでも可能だが、ロストと違い盤面のHPが高いこと、またHP220(240も可能)まで倒すことができる点が大きい。これはつまりロトムV前出し壁を許さない他、様々なV・exをも関係なく飛ばしていくことが可能だからだ。

後攻1ターン目にルギアVをぶっ飛ばせるため、このままかなり優勢に進む。
特に相手はまさか後攻1ターン目から220ダメージが飛んでくるとは思っていないため、ルギアV2体目を置いてこない。

仮にルギアVが前でスタートせずとも、テツノツツミやポケモンキャッチャーで前に引っ張り出してゲームセットな試合が沢山起こる。
そもそもルギアデッキの1ターン目の盤面展開能力などしれているので、チラーミィを1体倒すだけでも大きなリードになり得る。


ロスギラに関しては、昨今のルギアの躍進により神殿など色々なメタカードが必要になった結果、ボール平均採用枚数が顕著なまでに減っており、後1パンチで1体取るだけでも刺さる場面が多い。

このように、環境上位に対してイージーウィンの試合が量産される時点で他のデッキとは一線を画している上、Tier1がドラパルトである以上、後1からの盤面破壊は価値が高い。


もう少し抽象度の高い話をする。
前環境はアンフェアスタンプを採用してカウンターするデッキが多かった。故にアグロデッキは少々やりづらさがあったが、今はそういったデッキタイプをドラパルトが次々に破壊していった。

サイドを先行せず、じっくりと待ちながらアンフェアスタンプ・カウンターキャッチャーでカウンターしていくものが強い“受けの時代”

から

相手(特にドラパルト)に出遅れず、どんどんサイドを取り進めて早い勝負に持ち込む“攻めの時代”

への移行である。


カウンターデッキが減ったことは即ちアグロデッキに人権が戻ってきたことを意味している。


後1攻撃はこれでなくても可能だが、その再現性は約9割とどのデッキよりも高いものであると実感している。
また、他のアグロデッキとはまた違う差別化点を挙げるとすれば、以下に述べるジャッジマンの存在だ。


◇ジャッジマンの価値

最近はすっかり見ることの少なくなった手札干渉サポート。なぜならば、前環境まではビワの価値が高かったから。
決してジャッジマンが弱いわけではないが、ドロサポとしての括りで見るとあまりに弱く不安定であり、かつリザードンやロストが躍進している関係上、ビワでリソースを落とした方が直接的に勝利に繋がる。

しかしドラパルト・ルギアの躍進が始まると、今度はビワの価値が大きく下がった。あまり刺さらないし、そもそも使っている暇もない。


今最もアツい妨害サポートとは何か。それは正しくジャッジマンである。
ドラパルト・ルギア共に攻撃するまでに沢山の必要札を要する。
こういったデッキには継続的に手札妨害を通して動きを阻害するのが手っ取り早い
今はジャッジマンが使えるデッキが一番強いのではないかと思えるほど、想像以上にジャッジマンが効く。
故に、ジャッジマンを能動的かつ継続的に通すことができるこの構築は相当CL札幌環境に刺さっていた。
先に環境上位への構築上アプローチについて挙げたが、考えるべきは盤面の上のカードだけではなかったのだ。

これらより、単純ではあるものの上手く環境デッキの弱点を突けており、上手く勝ち上がれたものと考えている。

余談だが、今タケルライコexとオーガポンexを組み合わせた古代オーガポンデッキが話題になっている。
それとの差別化点はやはりジャッジマンの存在と、アクセルピークでの小回りの利きやすさ。
この二点で古代オーガポンが基本的には苦手寄りなリザードンにこの構築は強く出れているところは+だ。
大変カスタマイズ性の高いカードなので様々な活用方法が考えられるとは既に言った通りだが、最もオーガポンというカードを本質的に捉え、最大限に活かせているのは未来オーガポンだと考えている。

◾️当日のマッチング

1戦目 コントロール○
2戦目 コントロール○
3戦目 ドラパルト(CL準優勝)○
4戦目 ロストギラティナ○
5戦目 ドラパルト(CL優勝2回)○
6戦目 ハピナスマシマシラ(JCS優勝)○
7戦目 サーナイト○
予選一位通過
1戦目 ドラパルト(再戦)×

最後はアヤシシサイド落ちに泣かされた…


◾️各対面の相性

ドラパルト 有利
ルギア 五分~微有利
ロスギラ 五分~微有利
ミライドン 微有利
リザードン 五分~微有利
ロストバレット 五分〜微不利
サーナイト 微有利~有利
ハピナスマシマシラ 微有利〜有利
カウンターテツノカイナ 有利

コントロール対面はテンプレがない以上対処法も決まったものはないが、ジャッジマンや高火力アクセルピークでそれなりに勝てることは練習段階でも分かっていたので相性も悪くないはず。


以下有料

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