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04 ハイジュエリーブランドの歴史と定番コレクション


ハイジュエリーブランドの歴史や定番のコレクションについてまとめました。
比較的手の届きやすい価格(50万円以下)のジュエリーを中心に紹介していきます。


1.Van Cleef & Arpels(1906年、フランス)

19世紀初頭にパリのヴァンドーム広場に創立された、宝石、時計、香水を扱うハイジュエラーです。

1896年にダイヤモンド研磨士のアルフレッド・ヴァンクリーフと、宝石商の娘エステル・アーペルが結婚し、1906年にアルフレッドが義兄弟たちとパリのヴァンドーム広場にVan Cleef & Arpelsを設立しました。
創業時から、ヴァンドーム広場にあるアトリエで世界最高水準の技術を持った職人がジュエリーを制作しています。
フェミニンで繊細、エレガントなデザインが特徴で、花や蝶など自然界の美しさをモチーフにしています。

(1)アルハンブラ

1968年に誕生した、四つ葉のクローバーをモチーフにしたコレクションです。
「幸運になりたければ、幸運を信じなさい」という創業者の甥ジャック・アーペルの口癖を形にしており、幸運のシンボルとして比類ない地位を築いてきました。

アルハンブラコレクションはモチーフの大きさによってスウィートアルハンブラ、ヴィンテージアルハンブラ、ピュアアルハンブラ、マジックアルハンブラに分かれます。
ここでは定番と呼ばれるヴィンテージアルハンブラの商品を紹介します。

アルハンブラコレクションは、使用される天然素材のカラーバリエーションも大きな魅力のひとつです。
各宝石には以下のような効能があると言われています。

マザーオブパール:真珠をはぐくむ真珠母貝の総称。大きな包容力で持ち主の心を癒します。
オニキス:持ち主の意志の力を強くし、他人の悪意を跳ね返して身を守ります。
カーネリアン:身に着けると不運に立ち向かう力が授かります。
タイガーズアイ:金運や仕事運を高め、願望の達成をサポートします。
マラカイト:持ち主に危険が迫ると自ら割れて知らせたり、悪夢から持ち主を守るという言い伝えがあります。
カルセドニー:心に安らぎをもたらし気持ちを安らげます。

また、2005年から毎年クリスマスのホリデーシーズン前に発売されているヴィンテージアルハンブラの限定コレクションも人気を博しています。


(2)フリヴォル

ハートが寄り添ってクローバーを形づくるデザインが特徴の人気コレクションです。
鏡面仕上げのゴールドで作られたハート型の花びらが、そよ風に踊る花のような軽やかさを再現しています。


(3)ペルレ

遊び心と躍動感をテーマにしたコレクションです。
メゾンを象徴する繊細なゴールドパールを使用したジュエリーで、1点でも重ねづけでも、自由なスタイルを楽しむことができます。



2.Tiffany & Co. (1837年、アメリカ)

ニューヨークで創業した、アメリカを代表するトップジュエラーです。歴史的なデザインから、著名なアーティストによる革新的な作品まで、アメリカを代表するデザインを生み出してきました。

1837年にチャールズ・ルイス・ティファニーとジョン・B・ヤングの2人が、ティファニーの前身である文房具や装飾品を販売するティファニー・アンド・ヤングを立ち上げました。
1848年にフランスで二月革命が起きたときに貴族から宝石を買い入れ宝石事業へと進出し、アメリカで最大の宝石商となりました。
1853年には社名を今のTiffany & Co. に改称し、ティファニーブルーと呼ばれるカンパニーカラーをはじめて使用しました。
スカイブルーのカンパニーカラーは、春の訪れを告げる小鳥「こまどり」の卵をモチーフにしているそうです。
1961年、映画「ティファニーで朝食を」の公開を機に世界中の女性が憧れるジュエラーとなりました。

Tiffany & Co.を創業したティファニー氏は、世界中から最高品質の大きなダイヤモンドを収集して華麗なジュエリーに仕立て、ニューヨークの新聞から「キング オブ ダイヤモンド」と讃えられるまでになりました。
厳選された最高品質のダイヤモンドが輝くエンゲージリングや、多彩なデザインのマリッジリングは、純白のリボンがかけられたブルーボックスに収められ、世界中の花嫁が憧れる永遠の愛のシンボルとなっています。

(1)ティファニー T

2014年からスタートしたコレクションは、ティファニーのテーマであるクリエイティビティ、幸福、愛、強さを表現しています。
ブランド名の頭文字をモチーフにしたシンプルなデザインは性別や世代を超えて多くの人々に愛されています。


(2)ティファニー ハードウェア

NYならではの大胆なエネルギーと、街並みに広がる力強い建造物に着想を得て2017年に発表されたコレクションです。
重量感があり、1つ付けるだけで全体の印象を大きく変えてくれます。


(3)ティファニー ノット

2022年に発表された、NYの街の建築要素であるチェーンリンク(金網)からインスピレーションを得たコレクションです。
人々との絆、創業地ニューヨークで生き抜くために必要な自我・精神といったブランドのスピリットを表現しています。


(4)リターン トゥ ティファニー

1997年に展開されたコレクションです。
かつてティファニーではジュエリーに彫った顧客番号をもとに、紛失時に持ち主の元に戻すサービスがありました。現在では顧客の数も増えてサービスを継続することは難しくなりましたが、過去の歴史へのオマージュとしてコレクションに残しています。


(5)エルサ・ぺレッティ

ぺレッティは1974年からティファニーのデザインを手掛け、様々な名作を生み出してきました。
当時は装飾的できらびやかなデザインが多かったこともあり、比較的シンプルで繊細な曲線で表現されるデザインはジュエリー界に革命をもたらしたともいわれています。

80年代に一世を風靡した「オープンハート」シリーズは「心を開いて」という名前の通りペレッティの愛の精神が表現されたコレクションです。
今も昔も想いを伝える素敵なアイコンとなっています。

一粒ダイヤモンドの王道として愛される「バイザヤード」には「どんな女性でもダイヤが楽しめるように」という願いが込められています。
ダイヤモンドを、素肌に馴染みさりげなく輝くスキンジュエリーへと変えました。



3.Cartier (1847年、フランス)

フランスで創業した高級宝飾や腕時計を扱うブランドです。

1847年にルイ・フランソワ・カルティエがパリのモントルゲイユ街29番地(現在のパリ1区)のアトリエでメゾンを開いたのが始まりです。創業初期から王侯貴族御用達のジュエリーブランドとして名声を確立していきました。

19世紀末のヨーロッパでは曲線的で花や植物などのモチーフが特徴の「アールヌーヴォースタイル」が主流でした。一方、カルティエはフランスやイスラム、東洋の古美術を研究し、幾何学デザインで直線的な「アールデコスタイル」のジュエリーを発案しました。

さらに1904年には、世界で初めての男性用腕時計「サントス」を発表します。
当時、腕時計は女性のための宝飾品で、男性は懐中時計を使用するのが一般的でした。 1911年に一般発売されると、ヨーロッパ中の男性たちから注目を集めました。
1917年にパリの解放を記念し戦車の形状を模して製作された「タンク」とともにロングセラーとなっています。

(1)パンテール ドゥ カルティエ

カルティエのアイコンであるパンテール(ヒョウ)を全面に取り入れた、1914年に登場したコレクションです。
パンテールの猛々しい目や身体の曲線美がそのまま落とし込まれ、しなやかで力強いジュエリーへと昇華されました。
カルティエでは、挑戦、威力、自由を表すパンテールモチーフをさまざまなジュエリーに使用しています。


(2)トリニティ

1924年に登場したコレクションです。
愛を表すピンク、友情を表すホワイト、忠誠を表すイエローの3色のゴールドを使って絆を表現しています。


(3) LOVE

1969年に誕生した「愛の絆」「束縛」をテーマとしたコレクションです。
フラットなフォルムにビスモチーフが等間隔に配置されたデザインが特徴です。
コレクションの先駆けでもあるラブブレスレットは、専用のドライバーを使って手首に装着することから「現代の愛の手錠」と呼ばれています。


(4)ジュスト アン クル

ラブブレスレットを考案した伝説のデザイナー、アルド・チプロ氏によって1971年に生み出されたコレクションです。
フランス語で「一本の釘」を意味する通り、日常的に見慣れた1本の釘をゴールドの輝きと美しい曲線を魅せる斬新なデザインへと昇華しています。
ロックテイストを主張しながらも上品な雰囲気をまとうジュスト アン クルは、カルティエの新しいアイコンとして注目が集まっています。


(5)クラッシュ ドゥ カルティエ

「2つの顔を持つジュエリー」がコンセプトのコレクションで、カルティエの伝統的な要素であるスタッズ、ビーズ、クル カレ(丸みを帯びた四角錐)を使っています。
全面をスタッズが覆っていますが、全体的に見ると丸みを帯びたフォルムで、攻撃的なイメージとフェミニンなイメージが同時に演出されています。


(6)ダイヤモンド

「ダムール」は一粒ダイヤモンドのコレクションで、その名の通りクラシックな愛のシンボルとなります。旧称の「ディアマンレジェ」からコレクション名が変更になっています。

「エタンセル ドゥ カルティエ」は、控え目で洗練されたパヴェダイヤモンドのコレクションです。

ダムールのアイテムごとのダイヤモンドのサイズと価格です。(価格はYGのものです。)



4.CHAUMET(1780年、フランス)


ティアラを代表する「愛のジュエリー」の制作で名声を得てきたCHAUMETは、ヨーロッパ諸国の王室に愛され続けてきました。
240年に及ぶ伝統を受け継ぐリングは、永遠の愛と絆の証とも呼ばれています。

1780年に創業者のマリ=エティエンヌ・ニトがパリのサントレーノ通りに小さな宝石店を構えました。
店舗の前で偶然起きた事故から助け出したことをきっかけに、ニトとナポレオンの交流が始まりました。
ニトは1804年の戴冠式でナポレオンと皇后ジョセフィーヌが使う王冠やティアラを手がけ、1830年には王室御用達の宝石商に任命されました。

(1)ジョセフィーヌ

ナポレオンの皇后ジョゼフィ―ヌに敬意を表したコレクションです。
現代的で自由な精神の持ち主だった皇后ジョゼフィーヌは、エレガンスと軽やかさを兼ね備えた新しいスタイルを生み出しました。
フランス革命後勢いを失っていたパリが、再びファッションの都として花咲くきっかけになったと言われています。


(2)リアン

1977年にメゾンの歴史的な作品に登場するモチーフに着想を得て製作されました。
メゾンを象徴する、時代を超えたコレクションとなっています。
愛、友情、思いやりなど、人との絆のお守りとして毎日身に着けることができます。

※PG、MOPのみ


(3)ビー マイ ラブ

永遠性や生命、豊かさの象徴であるミツバチを好んだナポレオンは、マントや調度品などあちこちにミツバチの文様をあしらいました。
そんなミツバチを現代的に再解釈してジュエリーに昇華したのが、2011年に発表されたビー マイ ラブコレクションです。
ハチの巣を象った六角形の繊細なハニカムパターンが、ひと目でそれとわかるアイコンになっています。

※PGのみ


以上です。
お読みいただきありがとうございました!


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