それぞれが向かうところ book review
『ほとばしる夏』
J・L・コンリー・作
尾崎愛子・訳
福音館書店 2008
人がよりよく生きるために何が重要かと訊かれれば、私は迷わず『決めること』と答えると思う。自分の言動を自分で決める。そのため自分を知り、自分に正直であること。でも、自分一人だけでは決められない物事は多い。どうにもならないことは、人生にはつきものかもしれない。
この物語の語り手、シャーナは作家を夢みる十三歳。両親、十二歳の弟コーディーとヴァージニア州、ウォーレンスバーグに住んでいた。祖父母の代から