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映画「PERFECT DAYS」と、大切なもの。



※この記事は、映画「PERFECT DAYS」の台詞や場面に関する内容、それらへの個人的な解釈を含みます。





映画「PERFECT DAYS」を見ました。

最近はテレビを決まった時間に見る習慣もなく、それと同じように、最新の映画をチェックすることもない。


でも、この映画だけは見たいと思った。


この映画について話す人の顔が眩しくて、
嬉しいが込み上げていたから。


わたしもそんな気持ちを知りたいと思ったから。




でもそれゆえに、
わたしは映画の内容こそ知らないものの、

「これを見て自分はどう感じるか」
「何か感じ取れる人でありたい」

という気持ちが頭の片隅にあった。


でも、そんな雑念は、どのシーンからなのか
いつのまにか、溶けて消えてしまっていた。





平山さんの口角が上がる瞬間、
なぜかわたしも嬉しくなった。


アヤちゃんがカセットテープの良さをわかってくれたときの、あの、じんわり嬉しい感じ。

その嬉しい気持ちを言葉にしないのもよかった。
ただ、ひとり、自分の中の嬉しい。





「この木はおじさんの友達なの?」


ともだち、って言葉をこんなにも特別だと感じたのは初めてだった。


わかってくれる人。

何も言わずにただそばにいてくれる人。

毎日の中で、会いたくなる人。

やさしい気持ちをくれる人。





平山さんに聞いてみたかったこと。
一緒にいて、感じたかったこと。

ニコちゃんにはまだまだあったのかなあ、
なんて思うと胸がギュッとなるけど、


あの、平山さんと過ごせた時間が
あったのとなかったのと、
きっと全然違っていたと思う。


それと同じように、わたしも。

この映画を見る前と見た後と、
確実に違っている。






自分以外の誰かからどう見えるかってことを
人は、わたしは、気にし過ぎているのかもしれない。

かっこ悪く見えているのかな、って考えていること自体が何かを傷つけている気がする。


自分にとって大切でどうしようもなく輝いて見えるものを、ちゃんと大切にしていたい。

ひとつずつ、大切なものを見つけていく毎日にしたい。






It only exists once, at that moment.
それは、その瞬間、ただ一度だけのもの。


エンドロール、やっと落ち着いた涙がまた溢れた。


一瞬のきらめきを、見逃したくないな。


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