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誰だって持っている、自分だけのお守りみたいなもの。




美容院に行って髪をばっさりと切ってもらう。いつも、髪型や色味は写真でイメージを伝える。予約の日までにといろいろ考えてみたけど、最近はバタバタと目まぐるしい毎日で、なんとなく選んだ何枚かの写真を見せた。



「いいっすね。できますよ、しましょう」

なんだかわくわくしたようにも見える笑顔で、自信満々にそう言う美容師さん。



ホッ。

その瞬間に気持ちがほどけたのがわかった。

今日は絶対、いい日になる。


今日がいい日になって、
明日からもまたいい日かもしれない。

そういう予感を持てることが、希望になる。


大げさかもしれないけど、
なんてすごいことなんだろうと思う。





ずっと溜めていた段ボールを束ねてゴミに出す。いつもこういうのはひもがゆるんでしまうから気をつけて結んだ。ゴミ捨て場に出すために外に出たら、無駄に余ったひもが風になびいていた。

不格好で、でも、わたしっぽいな、みたいなことを思った。



あったかくて心地いい日を通り越して太陽がじりじりと照りつける日は、すこし顔をしかめてしまう。

あの人に偶然まちで出会ったとしたら、わたしは、しかめた顔をゆるめて笑えるんだろうかとか考える。

自分のぐらついている部分に気づく。




noteをやっていてよかったと思うのは、自分の気持ちを、些細な心の変化を、見逃さないようになってきたことだ。

外の世界の目まぐるしい変化にちっぽけなわたしは飲み込まれる。息がしづらい。深呼吸の必要性が今になってわかる。




最近、「僕らは奇跡でできている」を見た。

初めて見たときから好きだったけど、改めて見てみたのは初めてで。こんなにも泣けたっけ。

胸の奥の奥、気づかないうちに溜まっていたものがほどけて溢れる。


生き物のことだけは絶対に負けたくないって思ってるうちに、"すごいことをやらなきゃ"って思うようになりました。そうしたら、生き物の観察が楽しくなくなりました。つらくなりました。

僕の祖父は、「やりたいならやればいい、やらなきゃって思うならやめればいい」って言いました。笑って言いました。
理科ができてもできなくても、僕は、いてもいいんだなあって、思いました。

「僕らは奇跡でできている」7話より




いてもいい。やればいい。得意じゃなくても、好きなこと。自分がちゃんと、選んだこと。









外に出る。太陽が眩しい。

風を浴びてみる。今日は春の匂いがする。



ああ、わたし、大丈夫だ。

大丈夫になれるもの、
いくつでも持っておくのがいい。



カレーを食べるのに白い服を着てきてしまった。
まあいいや。いつも食べるカレーよりもすこし辛い。でも、今はこんな気分。

穏やかな音楽。物腰のやわらかな店員さん。

あ、やっぱりこのお店に来てよかった。




やってみたいと思うこと、やってみること。

自分のこころに耳を傾けること。



こういうちょっとしたことが、
わたしのお守りになる。




それを知っているわたしは、
もっと素敵な自分になれる。


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