休日の遅い朝食のような昼食のような食事を艶やかに飾る玉子の黄色やバターの香り

猫と祠とペットレスの女

　手のひらからあふれる大きさと重さ、そしてまだまだ失われていないハリを楽しみながら、俺は女友達の乳房を後ろから抱きしめ、うなじに唇をはわせる。 「だめよ……ふぅ……きょうは帰らなきゃ」 　いつもの甘やかな吐息とは裏腹に、俺の手を振りほどく力の強さは、かたちだけの拒否ではない。わざわざ時計を見るまでもなく、俺もわかっている。女友達が身支度を整え、帰宅するまでの時間を考えると、もうすでに遅いかもしれないくらいの、そんなころあいだ。 　俺は女友達の名前を知らない。 　知っているのは

焼くだけ手こねハンバーグと野草じみたスズナの間に横たわるアポカリプス

鯖の味噌煮と鰯の醤油煮と生姜の夜

深夜の激安現金スーパーに吹き寄せられる蒼氓の影

バッファロー正規データ復旧サービスを利用しました

接続し、認識はするけどパスワードが通らなくてデータが読み書きできないNASがありまして、長いこと放置していたんですけど、思い立ってバッファロー正規データ復旧サービスを利用しました。 結論から言うと、バッファロー正規データ復旧サービスを利用してものすごく良かったです。もっと早く利用すればよかったかというと、それはこちらの事情も絡むのですが、とにかく最も良いタイミングで最も良い結果を得られました。 本当にありがたかったです。 サービス利用の流れは、ネットで記されているとおりにサ

豆と圧力鍋と私

ポートフォリオレビュー/アワード 2023 Vol.2　松永 誠「I surrender」 （推薦写真家：中藤毅彦）を鑑賞しました

富士フイルムが45歳以下の若手写真家応援プロジェクトとして運営する「ポートフォリオレビュー/アワード」を鑑賞しました。 個人的にVol.3　minachom「短パン男」 （推薦写真家：浅田政志）とVol.4　茂木智行「Scratched Moments」 （推薦写真家：GOTO AKI）から強い印象を受けました。 その他Vol.1　加藤 卓「土と太陽」 （推薦写真家：野村恵子）もよくて、非常に見応えのある展示でした。 そういった力作の中でもVol.2　松永 誠「I surr

練り物とこんにゃくの冬と春

タコライスとゴーヤチャンプルーはもしかしてピーキーな料理じゃないかと疑うやまとんちゅ

デラックスアップルパイとペットレスの女

　ん？　留守電？ 　名画座を出て携帯の電源を入れたら、久しくみていなかった留守電アイコンが表示される。これがテープレコーダの記号だなんて、もうわからない人のほうが多いんじゃないかとか、そんな思いをあえてひねくりまわしたのは、伝説的なマカロニウエスタンのロケ地を再現したドキュメンタリーの余韻を吹き飛ばした間の悪さへの、かすかな抗いのような気もしなくはない。 　ただ、表示された固定電話回線の、それも０３番号に　はかすかに見覚えがある。 　とりあえず、多少でも静かなロビーのすみへ移

サバの文化干しや焼肉丼でお手軽に癒やされる自分はちょろいけど、食事も料理も決してちょろいもんじゃない