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アメリカの田舎町で乳がんの治療を始めた

日本からアメリカに戻ったのが、4月1日(月)。まだまだ極寒かと思いきや、意外とあったかい!いえい!と、飛行機が1時間くらい遅れたこともあり、ばたばたと、空港に迎えに来てくれた夫の運転で、日本から持ち込んだ、超音波検査とマンモグラフィーの結果のCDと、生体検査のスライドを、癌センターに届けに行きました。

窓口で受け付けてくれた若い女性は、極めて感じよく、にこやかに対応してくれました。おーいい感じ。

そして、翌2日(火)は、わたしの治療チームの窓口となる担当者の方と顔合わせ。はきはきてきぱきとした女性で、これからの進め方について説明を受けました。さらに、家族の病歴を詳しく聞かれ、遺伝子検査を進められました。保険が効くので、100ドルくらいでできるとのことでしたが、正直わたしはあまり興味なかったのですが、担当者の方と夫が非常に前のめりで、まあ、いいか、と検査を受けることにしました。

この日は、MRI検査もしました。

しかし時差ボケがひどい!頭がぼーっとする。
そうか、今までは、朝からモンテッソーリ保育園に戻れば、すぐに時差ボケは解消してたんだった。

この時点で、非常に気になったいたのが、日本での超音波検査の結果を、再度アメリカの癌センターで見直した結果。

・主な腫瘍の他に、裏に7mmと5mmの石灰化のような腫瘍のようなものが見られる。癌の可能性あり。

・脇のリンパ節に転移が疑わしい影が見える

3日(水)は、チームの長である外科医と顔合わせ。ふくよかな男性で、ぽそぽそといくつか質問されました。「普段、アクティブな方ですか?」と聞かれ、「ヨガを好きでやっています。」と答えると、「とてもアクティブ (Very active)」とパソコンに打ち込んでいたのが印象的。ヨガを好きでやっている程度で、”とても”なのかしら?トライアスロンとかじゃなく?

まだまだ時差ボケ。1ヶ月英語を聞いてないのに加え、日本語でもそうだけど、なんで医療従事者ってこんなにも特殊な単語を普通に使うのかしら?などと思いながら、ぼーっと医師と看護師さんの顔を眺めていたわたし。

昨日撮ったMRI検査の結果がもう出ていて、これはすごい朗報。

・腫瘍サイズ:1.6cm×1.6cm
・リンパ節への転移無し

チーム長は、日本の超音波の結果より、このMRI検査の結果を全面に信頼してる模様。

4日(木)は、手術を執行してくれる外科医と顔合わせ。わたしと同年代の女性。すごくチャーミングで素晴らしい方。しかし、まだ時差ボケ中のわたしの頭が冴えたのは、彼女が開いたデータの最上部に、「右乳房の癌」という単語を見つけたときだった。「え!左だけじゃなく、右にも癌が見つかったんですか?!」と驚愕すると、「あら、これ、間違っているわね。左よね、大丈夫。」と。「むおー、これ、昨日のちょっとだらっとしたチーム長のタイプミスじゃない?信用ならん!」という心の声をどうにか抑えました。さて、気を取り直し、わたしが選択し得る手術方法と治療順番の説明を受けました。いくつかパターンがあります。

・手術範囲:①全摘する ②部分摘出。
※生存率は、全摘でも部分摘出でも同じ。全摘した場合は放射線は無しで抗がん剤のみ。

・再建するか:全摘した場合に、再建するか否か

・治療順番:①抗がん剤(4つの薬)をしてから手術する ②手術してから抗がん剤と分子標的薬(2つの薬)と放射線。
※抗がん剤をして腫瘍を縮めてからのほうが当然手術自体は簡単に済む可能性が高い。ただし、抗がん剤の副作用などについてはわたしは知らないのでチーム長に要確認。

あとは、癌の大きさが2cm以上の場合は、一般的には最初に抗がん剤をやるらしいが、わたしの癌の大きさは、2cmで、微妙。

ということで、夫もわたしも、なんとなく、「最初に抗がん剤して、全摘して再建。」がいいのでは、と思っていた。

それが大きく変わったのが、4日(木)に家に帰ってから受けた、チーム長からの電話だった。こないだののんびりとした雰囲気とはちょっと感じが違い、「病院のディレクターたちを含めた全体会議で議論した結果、まず部分摘出で手術をしてから抗がん剤と放射線をするという治療法をおすすめします。」とのこと。「部分摘出でいけますか?腫瘍サイズ2cmですけど?」と聞くと、「いや、MRIでは1.6cmだから、1.6cmでしょう。2cmより小さいですよ。」さらに、「4種類の抗がん剤は、癌の状況に対し、副作用が強すぎます。」と、ばっさり。

このあたりは、勝手な推測だけど、わたしの身体が非常に小さく(日本人としても小さく、妹にいつもからかわれてるレベル)、まさに子どもサイズ(9歳か10歳)だということも考慮された気がする。
そう、ここはモンタナ。住民の99%は白人で、わたしが初のアジア人癌患者なのでは、と疑っている。実際、病院で、白人以外を見たことがない。

ということで、4月5日(金)朝には、チーム長の提案どおり、「部分摘出、手術が先」ですすめたい、と、長と手術執刀医にメッセージを送りました。

で、そっこー手術執刀医付きの看護師さんから返信があり、「手術は4月22日(月)か29日(月)が可能」ということで、4月22日(月)を選択しました。

そんなこんなで、4月5日は母の誕生日だったのに、プレゼントを贈るのをすっかり忘れていた!ふぅ。




 




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