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癌患者への対応~日本とアメリカの違い

東京に一時帰国中の3月25日に乳がんと診断され、4月1日にアメリカのモンタナ州の癌センターで治療を始めました。

「日本」と「アメリカ」というとあまりにくくりが大きい気もしますが。もうちょっと正確にいうと、東京都の日本橋あたり(って、まさに東京のど真ん中じゃないですか!)の乳腺外科クリニックと、アメリカのモンタナ州のボーズマンという人口5万人(うち白人が99%)の町の癌センターで受けた対応の違いについて。

そもそも、「あれっ?」と、感じたのが、乳腺外科クリニックで、乳がんと診断された後のお会計をしたときでした。会計を済ませた後に、忍者のようにものすごいさささっと、気配を消して近づいて来られた女性に、小声で「いつでもご連絡くださいね。」と、申し訳なさそうな面持ちで名刺を渡されました。「ん?なんじゃ?」と思いつつ、「ありがとうございます。」と受け取って、エレベーターで名刺を見てみると、乳がん患者向けのカウンセリングの案内でした。

わたしとしては、「そんなにこそこそと扱われる必要はあるのか?」と、軽く違和感を覚えました。

さて、モンタナの癌センターではというと、いい意味で、明るい。悪い意味で、うるさい。初日から、「今日はこの後、どこにランチに行くの?」「いやー、時差ボケで食欲ないから、家で食べるつもり。」と、つい素直にぶっきらぼうに返すも、「じゃあ、この町で一番好きなレストランはどこ?」と、笑顔でぐいぐいと。MRI検査の技師の女性なんて、ずっと歌を口ずさんでて、わたしへの案内もどこかミュージカル風の口調。チーム長付きの看護師さんは、夫とわたしを見かけると、「まき、髪を切ったのね!すごいいい感じ!つい最近でしょ?」「そういえば、わたしたちご近所なのよ。こないだ朝犬の散歩してたら、ライアンを公園で見かけたの。気づいた?」と人懐こい笑顔で寄って来て、立ち話。(このとき、夫もわたしも彼女の顔を覚えてなかったという・・)

そういえば、癌センターに行った初日には、患者のおじいさんにも話しかけられたんだった。「国籍どこ?」「日本」と言うと、昔日本の米軍基地にいたことがあるとのこと。「ぼくは最近、やっと癌フリーになったよ。あなたも絶対大丈夫。」

まあもちろん、東京でもアメリカでも人によるので、あくまでわたしの個人的な体験ですが。日本では、「普通の人/癌患者」という区分け、モンタナでは、「普通の人/普通の人+癌」という感じか。

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