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織物の町を訪ねて。

普段愛用しているリネン素材のネックレス。調べてみると、群馬県桐生市で明治時代から続く、老舗織物工場で作られていました。日本屈指の織都である桐生とは、どんなところなのでしょう。さっそく桐生織物の歴史に触れる小さな旅に出掛けました。

1300年以上続く絹織物の産地である桐生。江戸時代には「西の西陣、東の桐生」と言われていたそう。元々盛んであった養蚕や製糸産業に、織物の製造工程にまつわる高い技術が加わり、大正から昭和初期には最盛期を迎え、現在のような発展に繋がります。

この織物産業の発展には、女性たちの大きな活躍なしには語れません。昔から絹産業が盛んな上州(群馬県)では、多くの女性が養蚕や製糸、織物を仕事にして、家計を支えていました。群馬の「かかあ天下」の由来はここにあるのですね。現在も多くの女性が製糸場や織物工場で活躍しています。

桐生で盛んに行われた、お召織(おめしおり)・緯錦織(よこにしきおり)・経錦織(たてにしきおり)・風通織(ふうつうおり)・浮経織(うきたており)・経絣紋織(たてかすりもんおり)・綟り織(もじりおり)の7つの技法によって作られる織物は「桐生織」として伝統的工芸品に指定されています。

世代を超えて、今も変わらずに発展を続ける桐生織物。東京から電車で約2時間。そこには、古くから続く伝統的な織物文化の空気と、現代とうまく融合させながら伝統を継承する新しい風がありました。

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