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Antique vol.2|MASON'S demitasse cup&saucer

肌寒さの中にそっと春の息吹を感じる、晴れた3月の昼下がりに。そんな凛々しくも穏やかな時間がよく似合う、可憐な素朴さが漂うカップ&ソーサー。

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1796年創業のイギリス・ロンドンの老舗陶器メーカー、MASON'S(メイソンズ)。イギリスらしい気品あるデザインながら、とても丈夫で実用性も兼ね備えたメイソンズの陶製品は、イギリスの家庭で永く親しまれています。

こちらは1970年頃に生産されたと思われる、ヴィンテージのデミタスカップ&ソーサー。ほんのりクリームがかった陶器に施されたテラコッタ色の小花柄、手のひらで包みこめるほどのコロンとした小さなカップにキュッとくびれた持ち手のフォルム。全てのディテールが重なり合い、唯一無二の愛々しい魅力を放ちます。

多様なデザインの陶器を生産していたMASON'S。19世紀後半のジャポニズムの動きに合わせて和の要素を取り入れた「imari」シリーズや、中国文化に影響を受けた「regency」シリーズが人気を博し、豪華で華やかなデザインが象徴的なブランドかもしれません。その中で、MASON'Sの新たな魅力を教えてくれたこのカップ&ソーサー。食器棚からちらりと見える度に、ふわっとやさしい空気が漂います。

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MASON'S
1796年、イギリス・ロンドンに創業。創業者はマイルズ・メイソン。当初は陶磁器輸入業が中心であったが、後に工場を作り自社生産をスタート。 1813年に「ironstone china」の特許をとり、美しさだけでなく「硬くて丈夫な日常に使う器」として広く親しまれた。この工法は、のちにイギリス陶器の定番に。1968年、陶製品を幅広く扱うウェッジウッドグループとなり、MASON'S名での生産は終了。高い実用性、デザイン性に希少性が相まり、今も高い人気を誇るブランド。

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