見出し画像

ひな人形との別れ

こんにちは、アラカンのおかんです^^ コロナで経営していたゲストハウスのお客様がほぼゼロに😵日々悪戦苦闘しながらもほっこりしたものを書いていきたいと思っています😄

端正な顔立ち

おかんが小学校3年生の時、その人形はやってきました。「ひな人形」です。両親が、台東区あたりの人形屋さんで七段飾りのひな人形を買って、届けられました。経済的に余裕がなかった頃のことですので、奮発して買ってくれたのでしょう。きれいで端正な顔立ちの男雛(おびな)と女雛(めびな)を見たとき、おかんはいっぺんで気に入りました。そして母と兄も一緒に飾り付けをしました。幼かった弟はひな人形の刀や道具を触りたくてしょうがなかったようで、ちょこちょこいたずらをしていたのを覚えています。そしてひな祭りの日は決まって、母はちらし寿司を作ってくれて、家族で「うれしいひなまつり」の歌を歌ったのでした。

そんなひな人形も歴史を重ねていきます。。。

だんだんと

年々年を重ねたおかんは、ある時におびなとめびな、そしてぼんぼりや屏風を除いて、思い切ってさよならすることにしました。飾るのが段々としんどくなってきたからです。かわいそうに思いましたが、仕方がなかったのです。とうとうおびなとめびなだけになりました。

一本の電話

こうして、ひなまつりの日におびなとめびなを飾り、半世紀もの間、大切に守ってきたおかんですが、先日、一本の電話をします。電話の相手は母の友人で保育士をしているKさんです。留守電で「ひな人形はいりませんか」とメッセージを残したのです。最後に残ったひな人形をこの際に、どなたかにもらってもらおうと決めたのです。Kさんの勤めている保育園で飾ってもらえないかと思ったのです。Kさんは母より一回り年下ですが、今でも現役で仕事をされています。夕方、バイクでKさんはやってきました。

思わぬ返事

おかんは、玄関に置いておいたひな人形の入った箱を見せました。「これなんですけど」と箱を開けました。「わあ、きれいな顔」とKさんはおびなとめびなを見ていいました。「状態はとてもいいんです」とおかん。着物も色鮮やかで顔にも傷ひとつありません。「保育園でもらってもらえませんか」と尋ねると、「あのね、保育園にはひな人形があるんですよ。どなたかが寄付してくれたんで」というKさん。「ああ、そうなんだ。どうしよう」とおかんが思っていると、「私、これをいただいてもいいかしら」と思わぬ返事が返ってきました。Kさんには息子さんが二人いますが、まだ結婚をしていません。そしてKさんは私より年上です。Kさんはさらに、こう続けました。「私ね、実はひな人形を持っていないんですよ。実家にあったお人形は、ねずみがかじちゃって」「それに会津のひな人形はちょっと変わっているんですよ」Kさんは会津の出身で実家はご兄弟が店を継いでいます。予想外の返答に何て答えたらいいかと思いましたが、「私より長生きしないとダメですよ」と、おかんは返事をしていました。Kさんは笑いながら「大切にしますから」と言ってくれました。

今までありがとう

50年連れ添ったひな人形と別れた日。世間では断捨離というけれど、そんなにあっさりとはいかず、悲しい日でした。でも、きっと大切にしてくれると思います。今までありがとう。。。さようなら

さいごまでお読みいただきありがとうございました。スキやフォローもしていただけると励みになります。それではまたね。ばいばーい😃







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?