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展示会投資の考え方と活用し切るための心構え

こんにちは、LayerXの松本 (@MJ_LayerX)です。同社でインサイドセールス(以降IS)のマネージャーを担当していました。
今年からマーケティング部(以降MK)に異動しました。

皆さん、展示会に興味持ってもらえたかな・・・

前回のnoteを今井さん(@M_imai_CEREBRIX)に取り上げてもらい、たくさんの方にご覧いただきました。ありがとうございます!

本資料はJapan Sales Collectionというイベントでお話ししたものです。アーカイブ配信も始まるみたいなので、ぜひご覧ください。
私は他発表者の内容を一切見ておりませんので、画面に穴が開くほど見ようと思います。

モッタイナイ!

JSCでの発表の主題

さて、今回は発表の中から泣く泣く削った内容を投稿します。
発表では「リード→商談」をスピード感を持って効率よく進めていくことを中心にお話ししました。展示会会場で得た情報を抜け漏れなくリードに付与し、ISがお客様と素早く深くコミュニケーションをとることで、「温度感の高いお客様を抜け漏れなく商談化しきる」ということが主題でした。

「温度感の高いお客様を抜け漏れなく商談化しきる」だけでいいんだっけ?

そう、勿体無い

お気づきの方もいらっしゃるかもしれません。
これ、めちゃもったいないです。
温度感の高いお客様だけなわけないですよね。というわけで「他のお客様はどうするの?」という点についても補足的に記載します。なお、これは一つの考え方であり、絶対の解決策ではないことを事前にお伝えしておきます。
別の答えをお持ちの皆さん、ぜひ私に教えてください。

展示会に投資すべきなのか?

→Yes!にするのはあなた次第

(以降、前回のnoteを読んでいる前提で進みます)
前述の通り、LayerXでは「展示会への投資目的は商談作成である」としています。これは、商談をたくさん作れば成約も増え会社は潤う(→結果、お客様により良いサービスを提供できる)、というロジックの基に成り立ちます。
本当にそうでしょうか?
とにかく商談を作ればいいじゃん!とノリで進み続けると、必ず破綻します。(もちろんISの皆さんは各チャネルの商談化率を注視されていることと思います)

下の表をご覧ください。既出のステップを遡ったファネルを表にしたものです。数字はサンプルです。

「温度感の高いお客様ぬけもれなく商談化しきる」とこうなる。

会場でキャッチした情報をしっかりと連携できているので、商談は作成できているようです。商談単価も10万円を切る程度ですので、B2B SaaSであれば許容範囲内ではないでしょうか?
ただし、ユニットエコノミクス(LTV / CAC)が3を下回っています。

「顧客を獲得し、利益を生んでいくために、投資すべきところは投資をする」このバランスがとれているのが、ユニットエコノミクスが「3」という数字です。

CAC/LTVで計算するユニットエコノミクスとは?計算方法や目標数値、改善方法を解説

高くは評価できない施策のようです。
そこで、数値または転換率のいずれかを向上させることで、より投資効率を上げていく必要があります。例えば有効商談化率を向上させると、以降の数値も向上してユニットエコノミクスは3を上回るものになります。

例:有効商談化率を上げるとイイカンジになる

展示会リードに捨てるところなし

当社でもLTV / CACが低いという状態になっていました。
なぜなら、「温度感の高いお客様を抜け漏れなく商談化しきる」ことしかできていなかったからです。下図の青線部分がものすごきできている一方、温度感の高くないお客様のフォローが手付かずでした。
()内は展示会リード総数を100%とした時の比率です。

「温度感の高いお客様を抜け漏れなく商談化しきる」だけがんばったよ!

『MK対応』としたリードなら、メルマガをはじめとした練り上げられたジャーニーの中で温度感を高めることができそうです。

いわゆるジャーニーで商談化を狙う。

『IS対応 B』(今すぐのニーズがなさそう)としたリードなら、1ヶ月後に再度アプローチした方が良いに決まっています。ついでに失注商談の掘り起こしもします。展示会では同業他社にも提案を受けている可能性が高く、結果の確認やフィードバックをいただくことができると、提案に深みを出すこともできます。(お客様から無理やり聞き出すことはやめましょう)

事前設定したアクション日で掘り起しに近い再提案を狙う。

実際にやってみました

上々でした

結論、やった方がいいです。下図のイメージをご覧ください。具体的な数字は記載できませんので、「これくらいになったらいいよね」という割合で分岐をしています。()内は展示会リード総数を100%とした時の比率です。
先の図と比べて、成約数が0.5%増えています。名刺1000枚なら、5件の成約増です

全リードへアプローチし切ることで、商談数は1.5倍になっている(あくまでサンプルです)

特に『IS対応 B』のフローでは、想定以上に商談化できました。
会場での判断が甘かったり、忙しくされていてヒアリングがしっかりできていなかったお客様への再コンタクトができたりと、展示会運営自体へのフィードバックを得ることができました。
「商談化条件を緩める・掘り起しに向けた情報を収集する」など、事前にフィールドセールスと握ることで、即成約にこだわらない長期的な戦略を作ることもできました。(成約率は低下する可能性があります)

無限の掘り起しループが完成する(詳細はまた今度)

難しいこともわかりました

逆に『MK対応』のフローでは、展示会の会期前から仕込みが必要なことも多くあります。会場でのセミナー告知やコンテンツの配布など、まだ当社では上手にできていないことがわかりました。
これらに取り組むことで商談化率の1.7%増(名刺1000枚なら17商談増)が狙えるなら、取り組む価値はありますね!

ナーチャリングのサイクルは、科学の宝庫。やり込み要素が半端ない

組織によって、チャネルの評価方法は異なる

上記の内容は、お客様へ価値を届けることを第一義とし、そのための商談をいかに作成していくかについて解説しています。全体最適によった考え方です。
組織によって、商談作成数でチャネルを評価方法は異なると思います。
例えば、リード獲得したチャネルを評価したり、商談になった直前のチャネルを評価したり、とまちまちです。
上記のフローではその評価の違いを無視し、展示会の効果を最大化することに振り切った内容となっています。お客様が自社サービスを利用することで幸せになってもらうことが重要なのであって、担当者が評価されるかどうかは二の次です。

ここまでお読みいただいた皆さんはもうお気づきでしょう。
展示会は、MKもISもFSも(なんなら全社で)協力しないと成立しません。
みんなで連携していい施策にしていきましょう!

他にも以下のような内容をお話しできます。

  • 会期後、xxx日以内に接続すると商談化率が3倍!

  • ファネルで考える、ブース設計の秘訣。

  • 会場内でぶん回せ!THE MODEL 現場編。

展示会コンサルのご依頼、お待ちしております笑

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