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顔も声も忘れてしまうという話

元カノと別れて3年程経つ。
当時は失恋ソングを聴いて涙が出てくることもあった。別れてすぐは嫌でも思い出してしまったがなんとか思い出さないように、忘れようと過ごしているうちにだんだんと思い出す機会が減った。
1年半からか年程経つと、懐かしい記憶や悲しい記憶としてではなく、ただの事実として記憶され、思い出しても感情が伴わなくなってしまう。現在は正直顔も声も何を話したかさえ具体的に思い出すことが難しい。

一緒に過ごしていたのは9年、付き合ったのは約6年。青春の全てと言っていい。今でもユーミンの卒業写真を聴くと思い出すのはその人。

あなたは私の青春そのもの

松任谷由実/卒業写真


中学から一緒で、それぞれ自分への期待でいっぱいのまま相談なしに就職先を選んだ。彼女は福岡や大阪など自分のしたい仕事のために場所を選ばす就活をしていた。自分は何の仕事をすれば良いか定まらずフラフラしていた。そして彼女は志望していた県外の会社に落ちてしまった。
おそらくその段階で、仕事がまず1番で2人の関係はその次であるという共通認識ができていたのだと思う。就職先を選ぶ段階になっても将来の具体的な話をせずに今をそれぞれ楽しんでいた。2人とも未来なんてわからなかった、選択が必要になる時期までは距離があると信じていた。そして何より自分の可能性を信じていた。積み重ねたものよりもこれから先のことの方が明るく見えていた。

結局自分は県外に就職した。
離れてから自分は褒められたことはしていないし、自分から別れを切り出した。ハタチそこそこで遠距離になり、ちょうどコロナ禍で会うこともままならず、結果別れてしまうことも仕方ないことであったなと今では思う。
一緒になるにはどちらかが仕事を辞めて引っ越さなければならなかった。
コロナ禍ということもあったが何より自分は自分のことが1番大切だったのだと思う。

自分の親友と元カノが幼馴染だったこともあり、別れてから会うことがあった。
お互いが努力をすれば関係を続けてずっと長く一緒にいることができたと今でも思う。

当たり前だが、今があるのは別れを選択したからで正直後悔はあるが感謝もある。そして別れたことで学んだことは多くある。良くも悪くも。


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