夢なんか見たくない(詩)
朝、私は疲れています。寝たのだから疲れが取れていなければいけないはずなのに、私は眠ったときよりも朝のほうが疲れているのです。
理由はわかっています。
私は毎日、夢の中で戦っているからなのです。相手は会社の上司だったり、部下だったり、あるいは家族だったり、まったく赤の他人のときもあります。
夢の中の戦いに勝っていれば、起きたときも高揚していて疲れを感じないと思います。逆に戦いに負けていれば、死んでしまうのですから、もう戦う夢も見なくなるでしょう。
しかし、夢の中の戦いはいつも五分五分の戦いで、毎日戦っている途中で目が覚めるので、疲れきっているのです。
私はベッドから起き上がるどころか、寝返りを打つ気力もありません。体にまったく力が入らないのです。
このまま起きて、現実の世界でも戦うなんて、私には出来ません。
だから会社を休みます。ずる休みではありません。心療内科が私に立派な病名をつけてくれましたから。
夢を見ない方法があるのならば、誰か教えてください。そうすれば私も会社に行けるようになるでしょう。現実の世界で戦う勇気も出てくるでしょう。
私は夢を見たくないのです。
私は夢を見ないことを夢見る男です。
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