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京極夏彦『姑獲鳥の夏』読了

初読み作家。読んだあ!

1章を読み始めて、理屈っぽい横溝正史、あるいはディクスン・カーを読んでいるような気がした。
これでは読者が10ページも読まずに諦めてしまいそうなところだが、さすがにこれだけ長く、高い本を買ったのだから、読まないと損だという読者の気持ちを利用したのだとしたら、ずるいやり方だと思った。
しかし、ちゃんと1章の最後で話を元に戻したのには驚いた。普通だったら4、5ページで済むような出来事に93ページも使っているのだから、小説も長くなるはずだ。これは長編小説を書く技術だなと思ったが、さすがに私には真似できないすごい技術だ。
そこからはテンポが早くなり、読者を引きつけて離さない。
京極夏彦という作家の凄さを思い知らされる小説だった。

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