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田口ランディ『ハーモニーの幸せ』を読んで 『ボディ&ソウル 台湾への旅』

「人生を変えようと思ったら、まず身体から。そう私は思う。精神は肉体に宿るのである。身体を変えてこそ心も晴れやかに前向きになるというものだ」という著者の言葉は、幼少期から病気がちで運動嫌いの私にとって耳に痛い。それでもやはり身体あっての人生なのだから、最近なるべく歩くようにはしている。(ジムまで通う気にはまだなれない。)

閑話休題、他のエッセイでもそうだが、それにしても田口ランディは人との縁が自然に繋がっていく。そこには、第六感と呼ぶだけでは足りない、人間の力の及ばない何かの力が働いているとしか思えない。

このエッセイを読んで、道教に興味を持ち、『道教とはなにか』(ちくま学芸文庫)を買って読んでみた。道教の世界には気功、錬丹術、呪言・呪符など原始的なものが今でも残っている。科学の最先端を突き進む台湾にあって、まだこのような伝統文化が残っていることに驚く。

もしかしたら、これらの力は人類がもともと持っていたものであり、それが人類が生き残れた理由のひとつなのではないかと思ってしまう。

確かに田口ランディだけでなく、ひとつ行動を起こしただけで、数珠繋がりのように人生が変わった人の話はよく聞く。

最近、私は霊の存在について、人力の及ばない何かの力として信じるようになってきた。

現状に立ち止まることなく、インスピレーションが湧いたら、何かしら行動を起こしてみると、今まで見たことのない新しい世界に出会えるのかもしれない。

このエッセイで、私は台湾の魅力を知った。この身近な外国に、私はまだ一度も行っていない。中国との関係が危うい中、できれば早めに台湾に行ってみたいと思う。

最後に長くなるが、このエッセイの中で著者の父との関係を書いた文章を紹介したい。
「私は長いこと『関係』を先に考えていた。『関係性』が良くなることばかりを考えて、個々の人間を置き去りにしていた。いま、はっきりわかる。個々に愛があっても、だからと言って関係性が良くなるとは限らない。関係性とは個々の人間性とは別のシステムなのである。いっしょくたに考えてはいけない。関係を超えて、唯一個としての相手を見れば、少なくとも恨まずにはいられる。」

愛と人間の関係性を述べているが、奥の深い難しい問題だと思う。今私は自分の家族について、この文章の意味を考えている。(あまりにもプライベートなことなので、それについては省略することにしたので、あしからず。)

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