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日曜美術館を見て(2022.12.4)

日曜美術館は勅使川原三郎がテーマ。再放送で以前に見ている。「見えないものがあるから見えるものがある」、「動かないものがあるから動くものがある」。すべてが見えてしまえば、それは既に見えるとは言えない。すべてが動いてしまえば、それは既に動いているとは言えない。裏と表の関係をいかに客に提示し、感じてもらえるか。それが勅使川原三郎にとっての演劇の役目であるのだろう。ストーリーも気にせず、不思議な体の動きを目で追いかけていると、現実の世界にいるのか、非現実の世界にいるのかわからなくなる。明かりがあるから、暗闇を凝視する。するとその中に何かが見えてくる。動く絵であり、動く詩でもある。彫刻を見るようになって、彫刻の作る影に興味を持つようになった。影とひとつになって作品を見ると、新しい作品が現れる。勅使川原三郎のダンスにとっても影は重要な演出の一手段だと思った。演劇やダンスにはあまり興味がなかったが、見ていて見飽きることがない。不思議な世界。感情をそのまま形にするもの。同じ感情でも踊る人によって動きが違うもの。見る人それぞれに違う見方ができるもの。ダンスの奥深さの一部分を知ったような気がした。こんなダンスのような小説を書いてみたいと思った。

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