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水木三甫の心葉♡♧詩集

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心葉♡♧詩集では、心に感じたままを言葉に置き換えて表現した詩を掲載します。 まだまだ表現力不足で、うまく伝えられない未熟な僕ですが、進化していく姿を追いかけていただき、感想などを… もっと読む
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記事一覧

悲しい時間(詩)

悲しい時間(詩)

何の感情もない言葉が口から溢れる時間
無表情の時間 音程のない時間
もしかしたら秒針だってないかもしれない時間
途切れ途切れの点線のような時間
ゆらゆら震える波線のような時間
逆さまに流れていく時間
日が昇る前の最後の暗闇の時間
宇宙でたった一人になる時間
ぜんぶ悲しい時間

輪廻転生(詩)

輪廻転生(詩)

仕方ない朝に目覚め
どうでもいい夜に眠る
そんな朝と夜のあいだに
僕はどれだけの涙を流すのだろうか
たくさんの涙を流すには
心の井戸はもう涸れかけていないだろうか
笑顔の数が涙の数を追い抜くなんて僕に思えないのは
僕の想像力が足りないからだろうか
そして僕はまた
仕方ない朝に目覚め
どうでもいい夜に眠る
どこまで続くのだろうか
僕のこの輪廻転生

引き算(僕と君との相性)(詩)

引き算(僕と君との相性)(詩)

僕の話した言葉―君が聞いた言葉=二人の分かち合い度

君への僕の思い―僕への君の思い=二人の心のすれ違い度

僕の君への奉仕―君の僕への奉仕=二人の心の支え合い度

すべてゼロならば、僕と君の相性はピッタリなんだけど・・・どうかな?

夢なんか見たくない(詩)

夢なんか見たくない(詩)

朝、私は疲れています。寝たのだから疲れが取れていなければいけないはずなのに、私は眠ったときよりも朝のほうが疲れているのです。

理由はわかっています。
私は毎日、夢の中で戦っているからなのです。相手は会社の上司だったり、部下だったり、あるいは家族だったり、まったく赤の他人のときもあります。

夢の中の戦いに勝っていれば、起きたときも高揚していて疲れを感じないと思います。逆に戦いに負けていれば、死ん

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ちょうどいい幸せ(詩)

ちょうどいい幸せ(詩)

ぜいたくな悩みだけど
幸せって疲れるね
うきうきした気分になるのはいいけれど
そのあとになぜかずーんと落ち込むの
幸せになるためには体力が必要なんだね
幸せになるための筋肉ってあるんだね
私にはそれが足りないみたい
ずっと幸せでいると
幸せに体が押しつぶされそうになるの
たぶん今の幸せが
私にとってちょうどいい幸せなんだろうね

もしも子供ができたなら(詩)

もしも子供ができたなら(詩)

もしも結婚して
妻が子供を生んだなら

初めての笑顔や笑い声
初めての言葉にならない言葉
それらを妻と一緒に見ていよう

夜泣きしたら
妻の代わりに抱っこしよう
乳はあげられないけれど

でもこれだけは妻には負けたくない
絶対に
ママより先にパパと呼ばせよう

寂しき風船(詩)

寂しき風船(詩)

何もない青空を
老いた風船が横切っていく
人間の欲望という手から逃げ出し
やっと自由になれたのも束の間
今度は空気圧と対峙するはめになった
しばらくすれば
人間からも青空からも無視される
ゴミ屑になることを
風船はすでに知っている

スズメに涙は似合わない(詩)

スズメに涙は似合わない(詩)

歌えよスズメ
笑えよスズメ
踊れよスズメ
そして
戯れよスズメたち

君らの声に悲しみはなく
君らの表情に孤独はない
スズメの涙ほどなんて言葉もあるが
君らに涙は似合わない

だから
歌えよスズメ
笑えよスズメ
踊れよスズメ
そして
戯れよスズメたち

シングルぼっち(詩)

シングルぼっち(詩)

君は今、シングルぼっち?
僕は今、シングルぼっち!
シングルぼっちは淋しいから
もし君もシングルぼっちで淋しいなら
僕とダブルぼっちにならないかい?

飢え(詩)

飢え(詩)

くたびれた町の
くたびれた部屋の
くたびれた鏡に
くたびれた俺が映っていた

ヒビ割れた町の
ヒビ割れた部屋の
ヒビ割れたコップに入った水を
ヒビ割れた俺は一口だけ飲む

干からびた町の
干からびた部屋の
干からびたベッドに
干からびた俺は倒れ込んだ

そして俺はベッドの上で
もう開くことのないだろう瞳を閉じる

ダイアモンドにならないで(詩)

ダイアモンドにならないで(詩)

傷ついている多くの者たちよ
傷つきたくないからといって
ダイアモンドになりたいとは思わないでくれ
確かにダイアモンドは傷つかないが
ダイアモンドは平気で相手を傷つけるから

下から目線(詩)

下から目線(詩)

自分の言いたいことも言えず、呼吸するのもしんどくなって、それでも愚痴をこぼさず、自分が我慢すればいいと思う。

いつもまわりを気にして、そんな自分が嫌になって、社会という枠の中から出たくなって、それでも絆という鎖を解けずにいる。

それなのに自我を捨てきれず、良心と常識のあいだで傷ついて、いっそ体を道連れに自我を殺してしまいたくなる。

どうせならばロボットのように、自分では何も考えず、ただ人に従

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天気予報(詩)

天気予報(詩)

マイナスの空から降る雨は、草木を蒼く染めるでしょう。
カラスの声と一緒に落ちてくる雨は、水溜りを黒く光らせるでしょう。
コンクリートに降る雨は、棘々しい音を立てて道行く人を傷つけるでしょう。
雲ひとつない冬の晴れ間は、飢えた仔犬に秘密の匂いを授けるでしょう。
プラスの空から降る雨は、永遠に止むことはないでしょう。