水月の図書館日記

広告業界から図書館に転職しました。好きな物はミステリーとエッセイ。自宅の蔵書は1000…

水月の図書館日記

広告業界から図書館に転職しました。好きな物はミステリーとエッセイ。自宅の蔵書は1000冊以上。

最近の記事

地域図書館と学校図書館

公共図書館と学校の図書館って、全く別物でしょ? はい、全く違います。 でも最近は協力体制を作っている自治体が増えて来ました。 例えば、図書館の本を学校で借りられるようになったり、図書館が学校図書館の本選びを手伝ったり。意外と近い存在になっています。 最近では図書館振興財団主催の「図書館で調べるコンクール」を夏休みの課題にしている学校もあるので、どんどん近い存在になってます。 読書は小さい時から習慣になっていると、大人になってからも役に立ちます。小学生にたくさん本を読んで

    • 図書館とマーケティング

      「図書館もペルソナを決めるべき」 広報誌を担当して、上長にこう提案してみた。 公共施設あるあるの「利用者は老若男女のみんな」のポリシーから、誰にも届かない広報誌が10年続いていた。 ちょうど私が転職したタイミングで、月刊から季刊になると話していたので、見直したいと提案しました。 マーケティングが全く関わらなかった業界だからこそ、取り入れていくことでさらなる発展があると思う。 「ターゲット🟰みんな」の意識があると、どうしても一部の人に届けるマーケティング思考が受け入れられに

      • 休館日でも図書館は動いている

        月に一度図書館は、館内整理日として休みの日があります。 休館日なんだから、職員も休んでるんでしょ? いいえ、普段そろわない常勤メンバーが全員出勤しているんです。 図書館の中は、図書館員たちがいつもと違う雰囲気で働いています。 どんなことをしているかというと、月に一度のミーティングや打ち合わせ。 その他にもメンバー同士での研修や特集の入れ替えをしています。 利用者さんがいない図書館は、みんなが気軽におしゃべりしながら作業しているので、いつもとは違う雰囲気です。 今日の

        • 20代の生活と図書館の利用法

          図書館に来てくれない20代図書館の利用者層って、どんなイメージでしょうか? きっとあなたのイメージであってます。 未就学児ファミリー層と小学生、そして年配層です。 極端に二分化してしまっています。 高校生や社会人になると生活圏から離れてしまったり、自分で本を買うことが多くなるので極端に利用が少ないです。 だからと言って、図書館が20代向けの用意をしていないなんてことはありません。 大学生のうちに読んでおくといい本も、社会人になって読みたい本も、リーダーを目指している人に

        地域図書館と学校図書館

          図書館の本の選び方

          私たち図書館司書のメインと言っても過言でない仕事は、図書館に入れる本を選ぶ「選書」だと思っています。 自治体によって、積極的には購入しない本や必ず購入する本などの決まりはありますが、基本的には図書館の流通を行う会社のカタログから今週分の本を選んでいます。 私のいる図書館では、シリーズは基本的に完結するまで集める決まりです。そのため、新シリーズの第一巻を集めるかどうするかとても頭を捻っています。 人気が出たら確保しておきたいけど、棚に余裕があるか、どのくらい続くのか、同じ作

          図書館の本の選び方

          図書館の本は4回返却される

          図書館だけでなく、サービス業で言えることですが、1番やってはいけないことが「利用者さんが不利になること」。 むやみやたらに弁償はお願いしていないし、リクエストは方針に反さない限りできるだけ購入している。 毎日の業務の中で、1番ミスが起こりやすくて、利用者さんの不利になってしまうのが、「返却漏れ」です。 利用者さんが返してくれたのに、私たちのミスで返却されていない場合、督促の電話をしたり、紛失として弁償購入を依頼してしまったりします。 そうならないように、返却はスキャンを

          図書館の本は4回返却される

          図書館はもう夏休み

          ようやく桜が咲いてくれた4月。私たち図書館員はすでに夏休みのことを考えています。 というのも、読書感想文に向けておすすめの本を選び、特集を用意して、参考になるような冊子を作るため、7月までたった3ヶ月しかないからです。 特に苦戦するのが、おすすめの本。 中学生も読みやすくて、感想文を書きやすい本を 小説に偏りすぎないように選んでいます。 定番の「西の魔女が死んだ」や「窓際のトットちゃん」などは、何も考えずにおすすめします。 一方、最近の本はしっかり悩んで、私たちも読んで

          図書館はもう夏休み

          子どもと戦う図書館員

          図書館のお仕事の一つに、本の修理があります。 ページの敗れたところを修繕テープで貼り付け、水に濡れたら波打たないように乾かします。 修理の中でも1番多いのは、背割れやページはずれです。 背割れはページの間が開いて、背表紙の裏が見えている状態。ページはずれは、まとまってページが取れてしまった状態です。 これは経年劣化による糊の劣化や本の使用頻度でも起きるのですが、180度よりも大きく開くと起こりやすくなります。 特に児童書は、背割れやページはずれが多いです。 子どもたち

          子どもと戦う図書館員

          のんびりしてる時は世界を広げる図書館員

          図書館のお仕事って、どんなイメージですか? ゆっくりした時間の中で、のんびりとしたお仕事。 仕事中に本が読めそうな、本好きにはたまらない仕事。 こんなイメージをたまに聞きます。 実際のバックルームでは、イベントの用意をしたり、新着図書の整備やお問い合わせ対応など、時間に追われてバタバタと仕事をしているんです。 ただ、ゆっくりした時間があるのは事実です。 カウンター対応や書架整理(本棚の整理)の担当時間のときは、雨の日は利用者さんが少ないのでのんびり過ごしています。 ここ

          のんびりしてる時は世界を広げる図書館員