瑞野明青

歴史や旅が好きです 平安末期から鎌倉時代が本籍だと思っていたのですが、最近幕末・明治に…

瑞野明青

歴史や旅が好きです 平安末期から鎌倉時代が本籍だと思っていたのですが、最近幕末・明治にはまってます 旅は国内・海外とも行きます

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  • 私のために綴る物語

    小説 私のために綴る物語 をまとめたものです

  • 【小説】奔波の先に〜聞多と俊輔〜幕末編

    小説 奔波の先に〜聞多と俊輔〜幕末編 をまとめました

  • 奔波の先に~井上馨と伊藤博文~ 飛翔編

    井上馨の生涯を描いていきます。 維新の三傑を失い、これからの政府は伊藤博文と共に自分たちで担っていく。それには困難が…

  • 【小説】奔波の先に ~聞多と俊輔~ 明治維新編

    【小説】奔波の先に ~聞多と俊輔~ の明治維新編をまとめます。

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【小説】「奔波の先に」の先にはどこに行くんだろう(参考文献リスト) 

 井上馨に興味を持って、とりあえずこれだけ読みました。 どこに向かうかどこまで続けられるのかわからないんですが、影響が大きいのは坂野潤治先生のものです。特に「未完の明治維新」にはなぜか泣けました。明治維新にかけた人たちの思いが、ここに帰結するとは思えないの何故か。  伊藤博文の影に隠れ、実績もどこまでがそうなのか、よくわからないと言われています。そのために総理大臣になりそこねて(実際にはけっていますが)います。しかし、折角大河ドラマ「青天を衝け」で登場したのですから(カット

    • 私のために綴る物語(23)

      第五章 一期一会と二律背反(3)  ホテルの部屋に帰ると、槇村に聞いてみたくなった。このシンプルながら素敵なシュミーズドレスをもともときていた人のこと。 「奥さんを、お連れになったのですか」 「いえ、流石に普通のパーティだけですよ」 「でも、あのドレスですよね。身体を値踏みされているのがわかるんですよ。自覚がないと無理」  視線は胸元から胸のラインに常に注がれ続けた。執拗でエロティックな目線だった。 「だから、妻に逃げられた」 「たぶん」 「でも、少し覚悟のある貴女がいる。

      • 私のために綴る物語(22)

        第五章 一期一会と二律背反(2)  期待に胸が膨れてきた金曜日の夜、新しく買ったグリーンのタイトなワンピースを着て、きよはると待ち合わせ場所のホテルに急いだ。ロビーに着いて見渡すと、すでに来ていたその男と目があった。手を振って呼ぶ姿に苦笑いしながら近寄っていった。 「お招きありがとうございます」  多香子の姿を上から下までなめるように見ると、男は言った。 「あおいさん、私の部屋に行きましょう」  多香子の腰に手を回すと、エレベーターに乗せて、部屋へと連れて行った。スーツ

        • 私のために綴る物語(21)

          第五章 一期一会と二律背反(1)  京都から帰ってきた多香子は、まず正弘への連絡から始めることになった。 『昨夜早く寝てしまって、その後色々急いでいたので、  今になってしまいました。  無事帰ってきました、ごめんなさい                      多香子』 『心配したけど、これで安心しました。  今週どこかでデートをしたい 正弘』  これで、一応安心かなと思った。今週会うのなら、やっぱり水曜日かなと思い、正弘に送っていた。  すると、転送サービスから

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        【小説】「奔波の先に」の先にはどこに行くんだろう(参考文献リスト) 

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          23本
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        • 奔波の先に~井上馨と伊藤博文~ 飛翔編
          22本
        • 【小説】奔波の先に ~聞多と俊輔~ 明治維新編
          89本

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          私のために綴る物語(20)

          第四章 うたかたの京都(5)  きよはるは手拭いで多香子の目を塞いだ。そしてその男は何もせずにしばらく眺めていた。多香子はさっきの体の熱が時々暴発して、身体が波を打つと、「あぁ」と声を上げていた。 「いい眺めだ。私にはさっきの夜景よりも、こっちのほうが数倍良い」  まずはと、きよはるはキスをしてきた。多香子はこの人のキスは気持ちがいいと思った。なじんでくるとそれだけで子宮の奥まで動き出す。もう、開いている足の間から何かが零れそうな気がした。足が閉じられないことが今更なが

          私のために綴る物語(20)

          私のために綴る物語(19)

          第四章 うたかたの京都(4) 「これを着るんだ」  そう言ってきよはるから渡されたのはシースルーの本当に薄いタンクトップだった。かなりのオーバーサイズで、誰でも着られるものだった。またバスローブの紐とかなりの数の手拭いをベッドサイドテーブルにおいていた。 「ほう、こんなものでも、薄物を纏うということはそそられるものか」  多香子を舐め回すように見て、手拭いを二本つなげると胸の下に縛り付けた。タンクトップに気持ち余裕をもたせると、膨らみの上をバスローブの紐で縛り、この二

          私のために綴る物語(19)

          私のために綴る物語(18)

          第四章 うたかたの京都(3) 「さぁあおい、こっちを向きなさい。ゲームの始まりだ」  その言葉に合わせて、多香子はきよはるの方に向いた。またキスをするときよはるの手は背中を撫で回し始めた。そして唇は首筋をたどり、胸元で止まった。タオルを外し、胸の谷間に顔を埋めてから背中の手を胸に当てていた。  胸の膨らみに手を当てて揉みしだくと、多香子の顔が歪みだした。声が出るのを必死に抑えていた。しかし、ふくらみの頂点を避けて揉まれていると、その頂点の蕾は一層敏感になっていた。そこを舐

          私のために綴る物語(18)

          私のために綴る物語(17)

          第四章 うたかたの京都(3) 「それじゃぁ、行きましょう」  きよはるは多香子を立つように促した。この男の自分を見る目の色が変わっているのに気がついた。なんだろうこの目の昏さは。 「どこに? 魔窟ですか」  不自然なくらいに多香子はおどけてみせた。まさか、こんなことが自分にできるなんてまだ信じられなかった。 「新しい世界への扉を開けるんです」 「あの、お会計は?」 「すんでます」  そう言って笑われると、多香子は受け入れるしかないと決心した。 「ごちそうさまでした」  覚

          私のために綴る物語(17)

          私のために綴る物語(16)

          第四章 うたかたの京都(2)  多香子は食欲を見て、何が楽しいのかと思ったが、思い当たることもあった。『欲望』『欲』『情欲』そんな言葉が頭に浮かんだ。この男は何を望もうとしているのだろうか。  そんなことよりも、お腹が空いたのだから食べるのは当然だと、一口サイズに切られたサンドイッチを頬張った。肉汁たっぷりで、ソースも甘くなく美味しかった。 「よかったら、ポテトチップスをつまんでください。あんまり食いしん坊だと思われるのも、恥ずかしいですから」  多香子は恥じらいを含むか

          私のために綴る物語(16)

          私のために綴る物語(15)

          第四章 うたかたの京都(1) 「間もなく京都です。お降りの方はお支度をお願いします」  車内放送に少し慌てて、降りる準備をした。多香子は一人だった。目的は亀岡での京都クラブ対東京SCのサッカー観戦だが、心の奥深くにもう一つの目的を隠していた。  この日宿泊するホテルは、二条城近くのこじんまりとした、どちらかというと高級なホテルだった。もう少し行くと本当に超のつく高級ホテルがあって、歴史的にも興味深いところだった。そんなホテルに格安プランなどなく、予算内に収まる格安プラン

          私のために綴る物語(15)

          私のために綴る物語(14)

          第三章 友人と恋人の違い(5)  史之は文華と一緒に自分の家に帰っていた。  文華を部屋の中に入れて、寝室を案内していた。メインの寝室を文華に使わせて、自分は書斎で寝ようとしていた。 「文華はベッド使っていいから。僕はこっちの部屋で寝る。冷蔵庫のものも好きに飲んでいい」  文華は気になっていたことを尋ねていた。 「ありがとう。で、ふーちゃん。澤田さんってふーちゃんと付き合っていた人?」 「何でそんなこと」  史之は機嫌が悪くなっていた。文華を誘ったのには理由があったが

          私のために綴る物語(14)

          私のために綴る物語(13)

          第三章 友人と恋人の違い(4)  正弘が連れてきたのはラブホテルだった。  多香子の腰に手を回して、離さないようにしていた。熱を持って見つめられると、もう引き返せないことを自覚するしか無かった。多香子も汗ばんだ体を持て余していた。 「宿泊でいいね」 「うん。一晩中一緒だね」  部屋に入るなり、正弘は多香子を抱きしめていた。キスは最初からディープで多香子には戸惑いがあった。それでもお互い夢中で吸い合うと、体の中が熱を持ってくるのを感じていた。 「あっ、シャワーを浴びて

          私のために綴る物語(13)

          私のために綴る物語(12)

          第三章 友人と恋人の違い(4)  試合日当日、多香子は正弘と西船橋駅で待ち合わせた。二人で共通して乗り換える駅だった。  スタジアムにつくと、正弘をメンバーに紹介した。史之も女性を連れてきていて、その様子を見た多香子は緊張していた。正弘はその視線の先の男が、多香子の元カレとわかった。実際多香子は視線を頻繁に向けながら、彼らと遠い席に座ることにした。  そんな時正弘はビールを買いに席を立った史之を見て、慌ててついて行った。  ビールを持って、二人でにこやかに戻ってきたのを

          私のために綴る物語(12)

          私のために綴る物語(11)

          第三章 友人と恋人の違い(3)  多香子達が仙台に行く日がやってきた。女子会のような遠征旅行は久しぶりで、多香子も寂しさを忘れていた。趣味の一点だけのつながりで、後はバラバラなゆるい関係は、何かあった時に優しく受け止めてもらえる存在だった。  東京駅で待ち合わせをして、皆と会うと新幹線に乗り込んだ。 「こういう旅行って今までやっていなかったのか不思議」  前橋が改めて言い出していた。 「そう、みんなではあったのにね。女子だけってなんでやっていなかったのかな」 「松村さんだ

          私のために綴る物語(11)

          私のために綴る物語(10)

          第三章 友人と恋人の違い(2)   他のメンバーも別れ、途中まで一緒だった前橋が降りると、多香子は一人になった。  アパートの自分の部屋につくと、改めて史之と別れた実感が迫ってきた。  一人でいることが寂しくなっていた。そんな時メールを見ると、塚嶺からメールが来ていることに気がついた。 「彼と別れました。    澤田多香子 」  メールの中身もろくに読まずにそれだけ書いて返事にしていた。誰かに話をしたかった。聞いてくれそうな人は、他に思い浮かばなかっただけかもしれない

          私のために綴る物語(10)

          私のために綴る物語(9)

          第三章 友人と恋人の違い(1)  一人になった実感がないまま、自分の部屋に帰ってきた多香子は、自分の生活をきちんとすることだと考えていた。  散らかった服を片付け、洗濯を始めた。  さすがにゴミは大丈夫だが、ものの多さにこれから始めようと思った。忙しさにかまけて、基本的なことをやってこなかったツケが回ったのだと。断捨離かときめく片付けのどちらでも良いから、人を上げても恥ずかしくない部屋にすると決めた。  そうはいっても、手に取ったものには思い出が浮かんできた。これは、

          私のために綴る物語(9)