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ため息俳句 未明の夢

 すでに昨日の未明の夢。

 若い頃の母と若い頃の父がいい争っている。お金のことらしいが、それだけではなさそうだ。
 母が突然、家から飛びだす勢い。
 裸足だ。
 玄関で振り返って、こちらを見た。
 目があった。 
 兄は友達の家に遊びに行って不在、ガキのボクだけが立ちつくして胸がつぶれんばかり。
 夏で、蝉が鳴いていた。

 何でそんな夢を見たのかわからない。
 明日は、母の命日。
 何度目の命日かは忘れた。

 そう、確かにその夢のような出来事があった。
 夕刻前、母は帰ってきて、いつものように夕飯になったことを憶えている。

 母の墓参りが済むと、三月もほぼ終いだ。
 
 今日は、終日、雨。
   一時、春らしくない激しさで降った。

春霖しゆんりんや泣き笑ひなる母しき  空茶