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ため息俳句 湯飲みを買いに

 益子の陶器市に行った。
 四五年ぶりか。
 年をとったせいか、茶碗や皿を、角にぶつけてが傷めたり、落として割ったりすこることが、増えた。
 普段使いの湯飲みをカミサンがほしいということで、益子まで足を伸ばした。この連休には、陶器市が開かれ、賑わうのだ。
 益子町のメインストリートの両脇に所狭しと陶芸家のみなさんが店を列ねている。一寸外れた露地にも、広場にも。この期間はそれらの店々を巡って歩くお客さん達で、混雑するのだ。
 何度も来ているので、大凡の目星はつくのだが、新しい発見は行く度にある。

 我々が買えるのは、金額のはるものはありえない。それに、普段使いの茶碗や皿や、稀に花瓶などだ。実用性を想定できない物は買わない。
今回は、湯飲みと使い勝手の良さそうな皿を探すことにした。

 湯飲みを五客、角皿二枚、円い皿二枚、今日の購入の全部だ。


 これは、自分が気に入った自分用の湯飲み。一見平凡ながらすっきりとした姿の良さもそうだが、手のひらにのせて、包むように持った時の感触、すこし重さのある感じ、それらが手にしたときの気分になじむような気がしたのだ。価格なんて、岩波新書の二冊分よりずっと安価である。
 連れ合いは、連れ合いなりの気に入った買いものをした。皿は、調理係の自分の好みを優先させて買った。
 

先ず触れて手に尋ねゆく陶器市  空茶