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現代語訳『さいき』(その13)

 やがて僧は豊前国《ぶぜんのくに》にある佐伯《さいき》の館《やかた》にたどり着いた。
「こちらは都のとある方より承った御消息《ごしょうそく》でございます。恐れ入りますが、家主《いえあるじ》殿にお渡しいただきたく存じます」
 僧は応対した下人《げにん》に書簡を渡したが、あいにく佐伯は泊まりがけの鷹狩《たかが》りで不在だったため、返事をもらうことなく屋敷を後にした。

(続く)

 手紙は無事に佐伯の屋敷に届きました。しかし、佐伯本人は不在で、「相手の返答までは望まない」という女の言葉通りの展開になってしまいました。

 ――さて、問題です。この後に何が起きるか予想できますでしょうか。

 それでは次回にまたお会いしましょう。


【 主な参考文献 】


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