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現代語訳『我身にたどる姫君』(第一巻)

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王朝物語『我身にたどる姫君』の現代語訳です。
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2018年10月の記事一覧

現代語訳「我身にたどる姫君」(第一巻 その45)

 やがて夕食の時間になり、帝が退出すると二宮《にのみや》たちも一緒に出て行ったため、宮の…

たま
5年前
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現代語訳「我身にたどる姫君」(第一巻 その46)

 帝が戻って来ると、皇后宮《こうごうのみや》が赤くほてった顔で苦しげに臥《ふ》していたた…

たま
5年前
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現代語訳「我身にたどる姫君」(第一巻 その47)

 このままでは極めて具合が悪いと悩んだ皇后宮《こうごうのみや》は、姫君を宮の宣旨《せんじ…

たま
5年前
7

現代語訳「我身にたどる姫君」(第一巻 その48)

 姫君が様々に思い悩んで過ごしていたところ、夜更けになって牛車がやって来たが、それが皇后…

たま
5年前
5

現代語訳「我身にたどる姫君」(第一巻 その49)

 尼君は、姫君に同行するのは最小限の若い女房だけと決め、宰相《さいしょう》の君と侍従《じ…

たま
5年前
4

現代語訳「我身にたどる姫君」(第一巻 その50)

 姫君たち一行は夜がすっかり明けた頃に、都にある宮の宣旨《せんじ》の里に到着した。  い…

たま
5年前
4

現代語訳「我身にたどる姫君」(第一巻 その51)

 皇后宮《こうごうのみや》は特にこれといった病ではなかったため、少しずつ快方に向かった。安心した二宮は慌てて音羽山へと向かったが、姫君は既に立ち去った後だった。  いら立ち、泣きながら恨み言を並べると、尼君は素知らぬ振りで答えた。 「大変申し訳ございません。このような年にもなって、身分の低いあの子のことで嘘《うそ》つきだと思われるのは不本意なのですが、かつてこの山里の主《あるじ》だった者から密《ひそ》かに託された娘で、つれづれの慰めのために探し出して引き取り、十年ほど一緒に暮

現代語訳「我身にたどる姫君」(第一巻 その52)

「思いの丈を何度も訴えたのを頼みにしていたからこそ、御前《ごぜん》に呼ばれて訪問する隙が…

たま
5年前
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現代語訳「我身にたどる姫君」(第一巻 その53)

 だからといって、行方を知っていようといまいと、尼君に恨み言を述べても甲斐《かい》がなく…

たま
5年前
4

現代語訳「我身にたどる姫君」(第一巻 その54)

 慕わしい残り香《が》が身体から離れず、面影が寄り添い、ただ脱ぎ捨てたままに見える襲《か…

たま
5年前
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現代語訳「我身にたどる姫君」(第一巻 その55)

 姫君のために嘘を重ね、罪悪感にさいなまれた尼君は、「気分が優れないので失礼します」と言…

たま
5年前
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現代語訳「我身にたどる姫君」(第一巻 その56)

 程なく権中納言もわざわざ音羽山にやって来た。同じように行方不明であることを伝えられると…

たま
5年前
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現代語訳「我身にたどる姫君」(第一巻 その57)

 その頃、姫君は上陽宮《じょうようきゅう》に閉じ込められているような心地でいた。頼もしく…

たま
5年前
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現代語訳「我身にたどる姫君」(第一巻 その58)

 思慮深い皇后宮《こうごうのみや》の心には、人知れぬ関白との関係が恥ずかしくも気が引けて、これまで姫君の素性が世人に知られないように対処してきた。しかし、姫君が次第に成長するにつれて、厄介な事情の身の上が言いようもない問題を引き起こすかもしれないと思うとつらく、絶えない悩みに苦しんでいた。 (続く) ★  再び皇后にスポットが向けられます。  姫君の居場所を移すことで近親相姦の危機は回避できましたが、姫君の