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サステナブルな暮らしのマインドセット

以前Waterlustという海洋保全啓発の洋服ブランドの方からサステナビリティに関するお話を聞く機会がありました。

そこで印象的だったのは、

「みんな忙しいからすべてを完璧にできないのは当たり前。エコな活動は減点法ではなく加点法で考えて、できるだけ多くの人が少しでもできることをするのが大事。」

という趣旨の言葉でした。

確かに、一人あたりのゴミの量が全員同じだと仮定すると、1%の人が99%ゴミを減らすよりも、10%の人が10%ゴミを減らすほうがトータルのゴミの量は減ります。

というわけで今回サステナブルな暮らしにシフトしていくにあたってのテーマは、ゆるく、無理をしないこと。自分の中で持続可能な生活でないと意味がないと思ったからです。いろいろと試行錯誤をくりかえし以下の四つのルールにたどりつきました。今ではこのルールを念頭に置いて、どんなものを暮らしに取り入れるかを決めています。

1.いきなりすべてを変えようとしない

サステナビリティに興味を持ってリサーチを始めると今まで全然気にならなかったことが目についてきて全部変えなきゃ、と張り切る人もいるかと思います。例えば、家の中にあるすべてのプラスチック製品を自然由来のものに変えたり、ファストファッションじゃない洋服しか着ない、買い物時に絶対にビニール袋はもらいたくないからエコバックを大量に買う、など。

もしエコじゃないものを使っているところを誰かに見られたら頑張ってない人と思われていやだな、と他人の目を気にしたりすることもあるかもしれません。

しかしながら「今持ってるものを使い倒すのが一番エコ」とはよく言ったものですが、全部の持ち物を一気に一新するのはあまりサステナブルではありません。家の中のくたくたになっているものを少しずつ新調していく、ぐらいがちょうどいいのかと思います。

逆に、サステナブルって壮大すぎて何から手につけていいかわからない、という人もいるかもしれません。サステナブルといっても環境、貧困、人権、動物愛護など、色々な関連分野があります。何から始めていいかわからないというときは、自分の中で一番関心のある分野でできることから始めるといいかと思います。私の場合は環境問題からサステナビリティに興味を持ったのでプラスチックの消費やゴミの量をできるだけ削減したいと思っていますが、動物愛護の分野はあまりピンときてないのでベジタリアンやビーガンになろうとは今のところ考えていません。

自分の中で、張り切りすぎて全部一新しようと思ったとき、逆に何から始めたらいいかわからないと思ったときは、いきなり全部変えるのではなく少しずつ変えていこう、と言い聞かせるようにしています。

2.気になることを少しずつ試してみる

興味を持って情報収集を始めたら、色々と試してみたいことやものなどが出てきます。そこで気をつけるようにしているのは、自分が気になることしか試さないこと、そして少しずつ試してみることです。

いくらおすすめされててもあんまり興味わかないな、というものって誰にでもあります。例えば、私の場合は使い捨てないマイストロー。ストローをいつも持ち歩くのもピンとこないし、使ったら洗いにくいそうだし、そもそもそこまでストロー使わないなあ…とマイストローがおすすめされているたびに思います。ライフスタイルや興味は人によって違うので、自分のアンテナに引っかからないことはまだ時期尚早、と試さないことにしています。

気になって試してみようと決めた時も少しずつ試すことにしています。具体的には、

  • 初めて試す消耗品は一番小さいサイズを買う

  • 初めて試す耐久品は返品・交換・修理可能なものを選ぶ、新品だけでなく中古も探してみる

  • 初めて試す習慣は新しいものは買わず、何も捨てずに小さく始めてみる

です。

消耗品を買うとき、大容量だとお得なのでたくさんの量を買う場合があります。しかしながら、特にエコな商品は今まで使っていた商品と使用感が違いすぎるときが多々あります。ちょっと使ってみたけど今後使いたくないなということもあるので、最初はできるだけ小さいサイズを購入することにしています。私の失敗談は、タブレット状のハンドソープ。家で使うときに水に入れて溶かして使う、完全にプラスチックフリーなハンドソープです。大容量のほうがお得だったので、12個入を買ったのですが、1個使ってなんか違うな…と思ったので少ない方を買えばよかったなと後悔しています。

耐久財の場合は返品・交換・修理ポリシーを必ず確認してから買います。アメリカの場合は返品できるものがたくさんあるので実物を家に迎えて、あれなんか違うな、と感じた場合に返品出来るようにしています。また、人によって抵抗感は違うかとは思いますが、中古品をまず探すというのも手です。中古だから値段が安いし、気に入らなかったらまた売って処分できます。

新しい習慣の場合は今持っているもので疑似体験をして自分に合うかどうか確認してから必要なものを取り揃えます。例えば、私は2021年、生ごみのコンポスト(食品廃棄物を堆肥化する取り組み)を始めたのですが、それにあたって①生ごみを集めて冷凍庫に保管する、②週一回集めたごみを徒歩10分ぐらいのところにあるファーマーズマーケットに持っていく、という新しい習慣を取り入れる必要がありました。実際にやってみてライフスタイルに合うかわからなかったので、適当な袋を使って2週間ほどコンポスト体験をして続けられそうだなと感じてから、コンポストビンを買うことにしました。

3.しっくりこないことは取り入れない

このように少しづつ試してみたことがしっくりとこないなと思ったらきっぱりと諦めることにしています。感覚や生活習慣は人それぞれなので、エコなことを取り入れない理由について、別に誰にも説明する必要はありません。なんとなくしっくりこないのに、エコだからと続けようとするといずれ無理がきます。なので違う方法でサステナブルな方法を探すようにしています。

例えば私は以前、手を洗う液体石鹸が切れたので固形石鹸にしようとしたことがありました。数日間手を洗ってみて、なんか面倒くさいな、と手を洗うたびにストレスに感じるようになりました。なのでまた液体石鹸に戻したのですが、新しく購入した液体石鹸はボトルがリサイクルで再利用されたプラスチック素材のものを選びました。

キッチンペーパーも一時期使わないようにと、ストックを意図的に切らしていたことがありました。布巾を代替品として使おうとしたのですが、数日たって布巾では拭きたくないものもあるな、とキッチンペーパーをまた買いました。このときも再生紙を利用したものを買い、布巾で足りるものは布巾で、キッチンペーパーを使った場合はコンポストに入れるようにしています。

4.こだわりがある分野は多少目をつぶる

最後のマイルールは自分の中でこだわりがある分野は大目に見ることです。自分の好きなこと、人生の楽しみをエコじゃないからと我慢するのは本末転倒です。大目に見る代わりに、できる範囲内でエコに努めようとしています。

私は電子機器って文明の進化を感じられて好きなので、エコでないとわかりつつも、ついつい興味がわくと買ってしまいます。このときに気をつけているのは長く使えるものを買うこと、中古でもいいものは中古で探すことです。個人的にパソコンとスマホは新品を買いますが、できる限り高スペックにして買います。購入時点で最高スペックのものにしておくと比較的長く使えるし、使わなくなって売るときも買い手が見つかりやすいです。逆にカメラ、家電系は中古でもいいかなと思うので、中古で買います。

旅行も好きなので移動の環境負荷とかあまり考えずに旅行します。旅行のときにしているエコなことは、多少かさばってもマイバッグ、マイボトル、マイカップを持っていくことです。こうすることで旅行先でもゴミの量が減ります。あとは海外に行く場合はできる範囲で長期滞在をするようにしたり、など。飛行機に乗る方が環境負荷が高いだろうとは思いますが、好きなこと、こだわりがあることは我慢せず、その中でできることを探すと無理なくサステナブルかなと感じています。

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