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社会全般について記します。「社会学」についても触れていくかもしれません。
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アート、芸術を知るためのオススメ本 【その2】  8冊を厳選

アート、芸術を知るためのオススメ本 【その2】  8冊を厳選

今年は、さまざまな芸術関連本を読み漁っています。
5月に一度、オススメ本をまとめましたが、その後も、オススメの本がどんどん増えていっているので、第2弾としてまとめていきます。

5月にまとめた記事「アート、芸術を知るためのオススメ本 7冊と、+1」はこちら

■『巨大化する現代アートビジネス』まずは、2名のジャーナリストによって記された『巨大化する現代アートビジネス』です。

約7兆6200億円規

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「メタバースの答え合わせ」に最適な一冊

「メタバースの答え合わせ」に最適な一冊

メタバース関連の本を何冊か読んでますが、今のところ、一番しっかりとした分析がなされている本だと感じたのが、
加藤直人さんの
『メタバース さよならアトムの時代』 (集英社)
です。

メタバースによってもたらされる未来に可能性を感じさせつつも、
過度に舞い上がりも、貶めもせず、
徹頭徹尾、常温を貫く姿勢がとても信頼できます。

私としては「ほぼ想定通り」な内容でしたので、
自身のメタバース考察の「

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アート、芸術を知るためのオススメ本 7冊と、+1

アート、芸術を知るためのオススメ本 7冊と、+1

今年は芸術への理解を深めたいと思い、さまざまな芸術関連本を読み漁っています。
中でもオススメの本をいくつか紹介していきます。

ビジネスパーソンに特にオススメなのは、こちら。
新書という体裁もあり、ビジネス書として読んでも、とても面白いです。

自分の関わる業界と重ね合わせて読めるところが多々あると思います。

私の場合、
第五章 「科学」を武器に職人ギルドを征した王立アカデミー
を、昨今の漫画業

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「サードウェーブ・パブリッシング」という希望

「サードウェーブ・パブリッシング」という希望

この記事のベースとなる「サードウェーブ・パブリッシングという希望:出版の10年後」というタイトルで記したブログ記事を公開したのは、2016年5月15日でした。

早いもので、あれから5年が経とうとしています。

「サードウェーブ・パブリッシング」と言えるような本や店舗を見かける機会が少しずつ増えてきました。

出版業界を舞台にした映画『騙し絵の牙』で、ヒロインが最後に選択した道は、まさに「サードウ

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「読書感想文」なんていらない。 →「小論文」を義務教育にしよう

「読書感想文」なんていらない。 →「小論文」を義務教育にしよう

「『読書感想文』って必要なくない?」という国語教師のツイートが話題になっています。

そのツイートを見たことで、数年前の朝日新聞の記事を思い出しました。

私が2006年に立ち上げた小学生限定の新人公募文学賞「12歳の文学賞」受賞者へのインタビューです。

(鈴木るりかさんのデビュー作はこちらです↓)

3年連続・大賞を受賞し、中学生作家として華々しくデビューした鈴木るりかさんですら、
読書感想文

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「毎日出勤で強制的にコミュニティ発生」こそが会社のパワーの源泉”だった”

「毎日出勤で強制的にコミュニティ発生」こそが会社のパワーの源泉”だった”

「毎日出勤」というしきたりによって、
強制的に一箇所にコミュニティを発生させていたのが、
会社という組織形態
なんだな、と最近つくづく感じています。

とりわけ、出版社のような、
装置を持つわけでもなく、
商品制作の大部分をアウトソーシングしている
会社は、その機能こそが肝なのだと思います。

■出版社の財産はオフィスに固着しているのかもしれない「出版社の財産とは何か」
という問いは、以前からよく

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書店はなぜ儲からないのか? 〜「リピーター不在」ビジネスからの脱却

書店はなぜ儲からないのか? 〜「リピーター不在」ビジネスからの脱却

書店は、色々と試行錯誤しているのに、
そもそも儲からないのはなぜなのか?

そんな質問を友人から投げかけられました。

非常に興味深いテーマです。

さまざまな理由が浮かぶと思いますが、
私の答えは明確です。

商品にリピーターが存在しないから、
です。

(注:この記事は書店、出版のビジネス構造を分析するために書いています。
「書店は儲かるからやっているのではない。出版社の人間がそんなこともわか

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【テーマ別おすすめ本】 アメリカのアニメ業界を学べる8冊

【テーマ別おすすめ本】 アメリカのアニメ業界を学べる8冊

コンテンツビジネスを考えていくうえで、「王者」アメリカのアニメ業界を知ることは欠かせません。

近年何が起こっているのか、どこに向かおうとしてるのか、ということはもちろん、
これまでの歴史も把握しておくことも肝心だと考えています。

そんな時に大いに役立つ、おすすめの本を紹介していきます。

■昨今のディズニーの動向が一冊で把握できるまずお薦めなのは、
2020年2月にウォルト・ディズニー・カンパ

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amazonと差別化できる「唯一の強み」が全く活かされてないのはなぜなんだろう

amazonと差別化できる「唯一の強み」が全く活かされてないのはなぜなんだろう

出版取次の大手・トーハンの運営する本の通販サイト「e-hon」。

自分が応援したい書店「My書店」を登録することができ、
自宅に直送してもらっても、その書店の売上となる仕組みがあります。

すばらしいです。

が、

そんな仕組みが「e-hon」にあることを、
書店の休業が続くこの事態の中で初めて知りました…

編集者でありながら、お恥ずかしい限り。

■amazonと差別化できる「唯一にして、

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好著『遅いインターネット』 魅力的な嘘を「信じたい」人たちを図解する

好著『遅いインターネット』 魅力的な嘘を「信じたい」人たちを図解する

アメリカ大統領・トランプを支持する人たちの心情とは、一体どういうものなのか、ずっと理解できずにいました。

もちろん、「保守的なブルーカラー層」「ラストベルト」「職を奪われた白人層」など、一般的に言われていることは把握しています。
理屈としてはもちろん分かる、でも何かしっくりこない…
そんな小骨が引っかかっているような状態が続いていました。

この本を読んだことで、ようやく腑に落ちました。

宇野

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「混迷の2020年代カルチャー」を見通すための必読書『2010s』

「混迷の2020年代カルチャー」を見通すための必読書『2010s』

予想だにしないスタートとなった2020年代。

いつ、どのようにして収束するのか、まだ全く先が見えてきませんが、
ある程度落ち着いた後にも、私たちの生活に大きな影響を及ぼし続けることはまず間違いないでしょう。

社会、政治、経済はもちろんのこと、
映画、音楽、文学、漫画、アート等々、多くのカルチャーにも多大なる変革をもたらす可能性はかなり高いと考えられます。

暗い気分が湧いてきがちな日々だからこ

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読書メモ2020年1月~2月:クールジャパンやキャッシュレスや社内起業など

読書メモ2020年1月~2月:クールジャパンやキャッシュレスや社内起業など

今年始めの二ヶ月に読んだ本から、いくつか挙げていきます。

海外ではジャーナリスト出身の投資家がよく見られる
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なぜ日本ではあまり見られないのか、が気になります。
そのあたりの詳しい分析も読みたかったです。

本書に出てきた「にしなかバレー」「五反田バレー」が気になります。このウェブ記事が参考になります。

でも、下記にすごく納得。

CVCは自社の事業との相乗効果を重視するため採算は度外

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本屋は「テーマパーク」になる:出版不況でも児童書だけは伸びてる理由

本屋は「テーマパーク」になる:出版不況でも児童書だけは伸びてる理由

減少が続く出版物売上の中で、2006年と2018年を比べ、唯一プラスの値を示しているのが、児童書ジャンルです。

その要因を考えていく先には、
これから本屋がどうあるべきか
出版物がどうあるべきか
のヒントが詰まっているように感じます。

■唯一、売上が伸びている児童書の市場2006年に約900億円の売上だったのに対し、2018年は約1,010億円です。

出版物の総売上が2018年は約1兆5

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