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私がプレイセンターにいる理由

今は子ども達、日本の公立小学校に通っているのですが、ニュージーランドで学校に入る前はプレイセンターという施設に通っていました。ニュージーランド発祥の幼児教育機関、プレイセンターについて以前に書いていたものを再掲します。

2020.10.28
ニュージーランド独特の幼児教育施設、プレイセンター。私と子ども達が5年以上も通い続けた理由とその素晴らしさを書いてみます。

今日も夜の7時半からベビーシッターさんを頼んで、プレイセンターのワークショップに行ってきました。(ワークショップへの参加は全保護者の義務。)

今日のテーマはコミュニケーション。1人のファシリテーター(司会兼教えてくれる人)とオークランド全域から集まった8人のメンバーで、プレイセンターをどのように運営していくかということを学びます。テキストはありますが、内容はメンバーの考えをディスカッションしたり、先週の課題にどう取り組んだかなどの報告で進んでいきます。

こどもの楽園プレイセンター


今日の話題は、「なぜプレイセンターに入ったのか。」「なぜ今も続けているのか。」でした。私は、まず初めてプレイセンターに足を踏み入れた時の衝撃を共有しました。
私のプレイセンターは閑静な住宅街にあって、門をくぐると目の前に大きな木があり、そこの下に大きな大きな砂場がありました。滑り台や遊具もありました。建物の中に入ると、子どもたちのアートや写真、慎重に選ばれたであろう、楽しそうなおもちゃがたくさんあって「ここは子どもの楽園か。」と驚いたのを覚えています。
そこにいた人達も、本当に親切で、フレンドリーに挨拶してくれたり、娘を遊びに誘ってくれたりしました。なんて素敵な場所なんだとまた感動しました。
入会することに決め、通い始めるうちに2人目を妊娠、出産。いつの間にかプレイセンターとそのコミュニティーは我々の生活の多くを占めるようになりました。
なぜ今も続けているのかという質問には、ここは子どもにとって生活の一部で切り離せないから。子どもがどうやって成長していくのかを自分の目で見ていたいから。そしてプレイセンターは私の生活からも切り離せないから。と答えました。

ハンパない所属感


日本の幼稚園でも、行事やPTAなどで親同士の交流はあると思います。うちの子はこちらの幼稚園にも通っているので、イベントや送り迎えなどで先生やお母さん(お父さん)達と話したりもします。しかし、プレイセンターは交流といったレベルではなく、自分がそのコミュニティの構成員なのです。
詳しくはまたもっと詳しい”プレイセンターとは何なのか”という記事を書きたいのですが、とにかく全て自分たちで運営するのがプレイセンター。
毎日の遊びのメニューから、安全点検、光熱費の支払い、施設の修繕管理まですべて自分たちが計画し、運営しています。先生はいないので、全ての親が講習を受けて、幼児とは、幼児教育とはなんぞやということを学んで実践しています。
会議もターム(約10週)に4回以上。子どもを寝かせて、夜の7:30から集まります。子供たちが何に興味を持っているのか、どうその興味を伸ばしていけるのか。必要なおもちゃは何なのか。お金の終始はどうなっているのか、建物のメンテナンスはどこが必要か。サポートが必要な家族や子どもがいればそれも話し合って、共通理解をします。全部ぜーんぶ話し合いで決めるのです。
この過程を体験することで、プレイセンターへのハンパない所属感が生まれてくるのです。
このおもちゃはあの時私が提案して買ったものだ。とか、このイベント大変だったけどやって良かったな。とか。自分が動いた結果が、プレイセンターの運営に直接反映されるのです。
楽しいことばかりではなく、面倒なこともたくさんあります。タームごとの大掃除や役割分担、連絡や事務作業などもすべてついてきます。でもだからこその所属感なのです。

親戚よりも近い他人という存在


同じセンターに通う家族は、ほんとに親戚よりも身近です。知り合いの少なかったこの土地で私と子どもたちにとって大切な存在と呼べる人たちができたことが何よりの宝です。
あと1ヶ月と少しで下の子が5歳になります。プレイセンターも卒業です。子どもよりも私のプレイセンターロスが目に見えていて、少しソワソワします。
残された日々を存分に楽しみたいと思います。
またプレイセンターのこと、書いていきますね。お楽しみに。

追記:今は日本の公立小学校に通う下の子。全然違う環境ですが楽しそうに過ごしています。私はPCロスから立ち直るのに1年以上かかりましたが、今でも大切な思い出です。


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