見出し画像

日本一予約が埋まる「オテルドゥミクニ」が閉店。70歳からが第2章!

日本一有名なシェフ、三國清三(ミクニ キヨミ)氏のフレンチレストラン
「オテル・ドゥ・ミクニ」(東京都新宿区四ツ谷)
が、2022年12月28日に閉店しました。

普段から、「日本一予約が埋まるフレンチ」と言われたお店。

三國さんが閉店を発表した翌日には、700件超の予約問い合わせ があったそうです。

そんな中!
なんと幸運なことに、お世話になっている経営者さんにご招待頂き、12月、クローズ目前の「オテル・ドゥ・ミクニ」にディナーで行くことが出来ました!

行かせて頂いたのは3回目。
素晴らしいお料理に感動したのはもちろんです!

が、先日、ふとつけたニュース番組、フジテレビ「Mr.サンデー」で三國さんについての特集を2週連続でやっているのを知って、またまた感動したんです!

⭐生産者&食材リスペクトのメニュー

場所は閑静な住宅地。
時は12月。

既に日も暮れた暗い中、タクシーが目的地に近付くと、そこだけスポットライトが当たったような上品な佇まいの「オテル・ドゥ・ミクニ」が目に入りました。

ゲートをくぐった中にはクリスマスツリー☆
これが、三國さんが物件を探していた時に一目惚れしたという場所ですね!

テーブルの上には、新宿のタワーマンションか!というくらいにグラスがずらり。

シャンパングラス、ワイングラス、何とかグラス。
ん~、それしか知らない。。。

ディナーがスタートする前に、三國さん直々にメニューの説明をしてくださいました。

説明を聞いていても、メニューを見ていても、三國さんがどれだけ食材・素材にこだわっていらっしゃるかが分かりました。

メニューにびっしりと書かれているのは、北海道産、千葉産、山形産などの産地記載。
「中村さんが創った」とか「清水牧場の」などの記載も多く、生産者や食材へのリスペクトが半端ない!

⭐お皿の上のアート、絶品ディナー

🔶北海道新篠津つちから農場の中村さんが創った玉ねぎ”ねを”のタルトタタン。
ふわふわのタルトタタン。
優しいお味♪

パンも美味しかった!
このくるくるバターが美味しかった!
(くるくるバターは私が勝手に命名)

メニューを見たら、このあとすごいご馳走がどんどん来ると分かっているのに、私達のテーブルだけは、パンのお代わりだらけ!

🔶フランス産冬トリュフのパイ包み焼き、スープ仕立て、ポールボキューズ風(岩手清水鶏のコンフィと人参・牛蒡・レンコン・しめじ・ブナピー入り)

パイを上からざくざく崩すと、すごい湯気が!
やけど覚悟、アッツアツで食べるべし!
器に張りついたパイもどうやったら全て食べ尽くせるか、テーブルのみんなで情報交換。

🔶韓国産蝦夷鮑のステーキ、カリフラワーライスとその肝のソース合え

メニュー説明の時に会場が笑いに包まれたのは、鮑のくだり。

「蝦夷鮑は、個体差があり、大きさがまちまちなので、運ばれて来た際、お隣りの方のものと見比べないでくださいね。」と。

そして!
鮑、キター!
見るなと言われると見たいのが性(さが)。
右よし!左よし!
あ~、良かった~!
けんかになるような大きさの差はなく、平和に頂きました♪

🔶京都舞鶴沖 鰆の塩昆布焼き、北海道産ビーツ・千葉産バターナッツカボチャ・ベルギー産セロリラヴのキューブとその3種野菜のピュレ添え

んま~!
ドレスをまとった鰆が出てきました!

🔶千葉産黒毛和牛フィレ肉のロティ、5種の季節温野菜(赤大根・クワイ・うど・小松菜・ちいたけ)添え、グリーンマスタード風味

私の好きな「よく焼き」にリクエスト。
美味~☆
しいたけじゃなくて、ちいたけっちゅーのもいい!

⭐3種のデザートはフルコースあるあるを回避!

前回も感動したのは「オテル・ドゥ・ミクニ」のスペシャルなデザート!
なんと3種類出てくる~!
「期待を超える」というのが三國さんの思いだそうです。

🔶長野松本産清水牧場のチーズ”プティニュアージュ”、東京蜂蜜とメープルヴィネガー風味
東京蜂蜜、聞いたこと、あります!
都心のビルの屋上に養蜂場があり、そこ作られたという蜂蜜。

🔶山形産ラ・フランスのパリジャンとグラニテ、群馬産バラのスープ仕立て、トンカ豆のクレーム和え、東京杉並産内藤栗のモンブランのタルト風、東京立川産イチジクのソルベ添え

あら~、私が一番好きなスイーツがモンブランってご存じでしたか♪
甘味と酸味のハーモニー♪

🔶コーヒーと3種の小菓子(グリヨットのマカロン・アプリコットのパートドフリュイ・バナナのタルト)

これが嬉しい。

デザート来る。
コーヒー来ない。
コーヒーが来た時にはもうデザート跡形もなし。
コーヒーを待っていると、ソルベが溶ける。

これ、フルコースあるある。
でも、ミクニではもう1品来るので安心してデザート、イタダキ!

素晴らしいお料理に会話も弾んで楽しいディナーでした。
ご馳走様でした。

そして四ツ谷の「オテル・ドゥ・ミクニ」は2022年末に閉店。
2年後?に新たに8席のみのレストランとして生まれ変わるそうです!

お席、取れるかしら!?

ちなみに、その他の丸の内や札幌、横浜、名古屋、京都のミクニレストランは継続されるようですね。
https://oui-mikuni.co.jp/shoplist/

⭐進路を決めたハンバーグステーキ

クリスマスディナーの余韻もたっぷり残る中、1月、フジテレビ「Mr.サンデー」で2週に渡って特集された三國さんストーリー!

1周目、食い入るように見た私は、翌週分もばっちり録画!

漁師の息子から「フレンチの巨匠」へ道は、いかにして切り開かれたのか!?
三國さんのすごさに改めて驚きました。

1954年、北海道増毛町で、貧しい漁師の家に生まれた三國清三さん。

中学卒業後、調理師を目指し、札幌の米問屋で住み込みの丁稚奉公に。
でも、料理と言っても和食、洋食、中華料理、フランス料理と様々で、どの道に行くか、思案中の時。

その頃、店主の奥さんが作ってくれたハンバーグの美味しさに感動!
スパゲティにグラタン、ポークチャップなど、三國さんは札幌に出るまで洋食を食べたことがなかったのです。

その感動がきっかけで、洋食の料理人になることを決意。

⭐鍋磨きでチャンスをつかむ!

1970年、16歳の三國さんは、【洋食といえば「札幌グランドホテル」】と聞き、その厨房に入り込み「ここで働かせてください!」と直談判したんですって!

当時の札幌グランドホテルでは、中卒採用はほぼ不可能。
でも、三國さんは諦めない。

ホテルの厨房へ忍び込み、鍋磨きを率先して行い、半年間継続。
ある日、三國さんは西洋料理部の課長代理だった青木氏に呼ばれ、翌日から正社員としてメインダイニングに行くようにという指示が!

後に青木氏は、三國さんの「目の輝きがすごかった」「なんとかしてやろうって気持ちになったのがあいつとの出会いです」と話されていたそうです。

誰もいなくなった厨房で料理の練習をするなど、努力が評価され、10代でワゴンサービスを任されるまでに。

その後、帝国ホテルで修行を始めた三國さんは、帝国ホテル18のレストラン、総勢350人の料理人をまとめるトップ、村上信夫氏と出会うのです。

村上料理長は、日本にフレンチ、バイキングを持ち込んだ料理人の神様。

三國さんは洗い場で得意の鍋磨きから始めて社員を目指すものの、パートから社員になれる制度が廃止に。

やっぱり三國さんは諦めない。

なんと、18全てのレストランの鍋磨きをさせて欲しいと懇願。
1974年、続けて3か月、三國さんは20歳。
村上料理長から信じられない言葉を聞かされたといいます。

「ジュネーブに行きなさい。君をスイス日本大使館の料理長に推薦しておいたよ。」
「10年は帰らないこと。働いて得た収入は自己投資に使いなさい。美術館に行き、いいレストランに行き食事をしなさい。」

⭐まさかの抜擢!大使館の料理長に!

こうして、4年間、大使館に勤務。
と言っても、ここまでのプロフィールでは、料理修行の期間は短いですよね。

少ない経験値の中、大使館の料理人が務まるの!?という疑問が。

でも、初めてお迎えしたゲスト、アメリカ大使の接待にはウサギの料理を提供し、絶賛されたといいます。

実は、事前にアメリカ大使の行きつけレストランを調べ、研修してくれ!と突撃したとか!

三國さん、直談判、突撃、得意ですね~。
そして大使の好きな料理、その材料、調理方法、仕入先までも、根掘り葉掘り情報収集。
さすがです!

以前、読んだ著書2冊はどちらもサイン入り。
貴重!

⭐師匠は「厨房のモーツァルト」と「厨房のダビンチ」

🔶「厨房のモーツァルト」との出会い

4年間の大使館勤務を経て、通訳の人からローザンヌ地方にある名店の話を聞き、「厨房のモーツァルト」と名高いフレディ・ジラルデ氏に弟子入りを志願!

いきなり知らない日本人に頼まれても当然、断りますよね。

でも、絶対諦めないのが三國さん。

許されるまで居座る!

お店の前を動かない三國さんに根負けしたか、中へ招き入れたジラルデ氏。

ここでも、人が嫌がる雑用で人生を突破してきた三國さんの力を発揮し、見事、現代フランス料理界の天才料理人フレディ・ジラルデ氏のもとで2年間、修行を積んだのです。

ジラルデ氏が「厨房のモーツァルト」と呼ばれた理由は?

実は彼の料理スタイルは、「スポンタネ」と呼ばれ、意味は空気をつかむ、ありのままに、自然に。

つまりその日仕入れた食材、特徴を見て、レシピなし、即興・アドリブで料理を作るスタイル!

なんと70席を「スポンタネ」で回す!
カウンター8席だけ!とかならまだ分かるけど、70席!?

三國さんはこの頃を【客席は天国 厨房は地獄】と表現されてましたが、5年間の修行で自分のスキルがぐんぐん伸びていくのが分かったそうです。

「何故、見知らぬ日本人である三國さんを雇ったのか?」
という問いに対して、ジラルデ氏は、「ミクニはキッチンでもプライベートでも料理への姿勢が誠実だった」と答えられたそうです。

そして三國さんは、「サティフィカ」という、その店で修行し、認められた者のみ得られる証明書のようなものを手に入れたのです。

その後、合計6軒の三ツ星レストランにて修業を重ねたそうですが、3軒以上で修行した人など、ほぼいないそうです。

🔶「厨房のダヴィンチ」との出会い
最後の修行場となったのが、「厨房のダヴィンチ」と呼ばれたアラン・シャペル氏の厨房。

今回はジラルデのお店で修行した証「サティフィカ」が印籠となって、いきなりメインスタッフへ。

「厨房のダヴィンチ」というアラン・シャペル式は「思想」「哲学」。

つまり、直観や感性の「スポンタネ」で即興料理をしていたジラルデ式とは正反対。

評価されるものの、三國さんが作ったザリガニ料理の盛り付けを見て、シャペル氏が言った一言がずっと残ったといいます。

「洗練されていない」

ある夏の日、三國さんがまかないを作ったところ、他のスタッフから「生クリームをくれ」「物足りない」と言われたといいます。

夏でもがっつり生クリーム入りがいいフランス人、夏はあっさりしたものがいいだろう、という日本人の感性。
この違いに気付いた三國さんは、8年ぶりに帰国したのです。

世にもとんがったフレンチレストラン「ビストロ・サカナザ」の料理人として、「直感」「感性」のジラルデ式でやろうとするも、スタッフからは、「毎日言ってることが違う」「分からない」と不評で、離れてしまう。

これはもう、1から自分のお店を立ち上げるしかない!と、繁盛店だった「サカナザ」を閉じ、いよいよ東京・四ッ谷に「オテル・ドゥ・ミクニ」を開店したのです!

その後の活躍は、「日本一予約が埋まるフレンチ」と呼ばれるほど。
ポールマッカートニーや、ハリソンフォードも訪れたそうです。

「オテル・ドゥ・ミクニ」内には、巨匠の方々との写真パネルがありました。

⭐70歳から80歳は第2章

🔶恩師からの免許皆伝
三國さんの最後の恩師となったアラン・シャペル氏は、亡くなる2ヶ月前に「オテル・ドゥ・ミクニ」に予約もなしでひょっこり来店されたそうです。

突然来られた恩師に、震える手で料理を出す三國さん。

「ジャポニゼ」という一皿は、備前焼のお皿に、フォアグラにレーズン・くるみを詰め、ゼリーで包むフレンチ伝統の手法ながらも、日本の野菜や彩を加えた作った一品だったそうです。

その一皿を、いとおしそうに食べ尽くしたアラン氏は、ゲストブックにこう記したといいます。

「キヨミは、フランス人シェフたちの料理を見事にジャポニゼにしてのけた。この偉業は全ての人にとって尊く、価値の高い出来事である。心より友情をこめて」
アラン・シャペル

感動!!!
かつて、三國さんの料理に対して「洗練されていない」と言っていた恩師から、まさに免許皆伝!

🔶閉店のその日、受け継がれた「サティフィカ」
2022年12月28日「オテル・ドゥ・ミクニ」は37年の歴史を経て閉店。

スタッフの一人一人に手渡された「サティフィカ」。
日本には、修行したことを証明する「サティフィカ」の文化はないけれど、ジラルデ氏がくれた「サティフィカ」で人生を切り開いた三國さんからの心遣いで渡されたそうです。

🔶69歳まではまだ第1章だった!
三國さんは現在68歳。

70歳になる頃に、新たに8席だけのお店を出されるそうです。

お客さんが三國さんの手作業を見ることが出来、その日の食材次第で、お客さんと「どうする?」と決める「スポンタネ」式のようです☆

昨年、出版された「三流シェフ」という自伝的エッセイで、こう書かれています。

「3年後に僕は70歳になる。
そのときに、僕の新しい店「三國」を開店させる。
僕は僕のために料理をする」

なんと、今までの人生は、まだ第1章。
70歳~80歳が第2章だというんです!

多くの人がそれはもう最終章だろうと思うような年齢。
番組内でも、次のステップにわくわくされている三國さんの姿が印象的でした。


ホテルニューオータニ幕張「SATSUKI」では、時折、
「三國清三の洋食紀行」のディナーコースが開催・提供されていました。

幕張でも三國さんのお料理が食べれるなんて!とラッキーな気持ちになっていましたが、これからもあるといいな~♪

フォンダンショコラ、美味しかった♪

美しいデザート☆
また出会えますように。

⭐⭐戸川みゆきのインスタグラム⭐⭐

海外旅行アカウント
ダイビングアカウント
国内旅行アカウント
グルメアカウント
ライフスタイルアカウント


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?