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ふれる〜超初心者の茶道 侘びの月




茶道を始めて丸1年と9ヶ月の超初心者です。
秋のはじめ頃から、ようやく水屋のお仕事をする事ができました。
初心者の私達ができる水屋の仕事とは、先生が事前に用意されたお茶碗や菓子器を洗い拭く、湯を沸かす、お茶のグラムを測りこして小分けする…。
先輩方は釜の準備、漉した抹茶を棗(薄茶)や茶入(濃茶)に入れたり、菓子の準備をしたりします。
水屋の仕事のため、朝10時稽古が始まる1時間半前の8時半ごろに先生宅に到着すると、茶室の床の間はすでに整っている状態なので、おそらく先生は早朝から部屋を掃除して、床の間の準備をされていると思います。

稽古が終わると、茶碗を湯通しして拭きあげ、茶巾を石鹸で洗い、部屋を掃除機や箒で掃除して片付ける。初心者の私達に出来ることはまだまだ限られてるみたい。
終わって玄関を出る頃には、毎回新しい知識で頭がパンパンのまま、全身からは疲れがどっと流れ出ていく。
覚える事が山のようにあり、お手前でも水屋でも道具を緊張しながら丁寧に扱い、難しいことばかりだけど、それでも茶道は奥深く楽しいと感じた1年間でした。

長い間noteに書き留めていなかったので、今年最後に少しでも書かないと終わらない気がして、慌てて書いてます。
準備が大事と分かっておきながら何も学んでない‼︎ 笑、いや反省!


美しい侘びの十月


5月から10月の間、炉はふさがれ、代わりに畳の上に風炉を置きます。
11月には風炉を仕舞い、炉を開き、お茶の正月を迎えます。炉開きの稽古日にぜんざいをいただくのが恒例行事^ ^。
10月は風炉で茶を点てる最後の月。季節も移ろい風炉の花も最後となり、その名残りを惜しみ、わびたものが好まれます。

10月のお点前は中置きといって道具畳の中央に風炉を置き、火の暖かさを少しずつ客に近づけてゆくという気づかいだそうです。
細水差を使ったり、金継ぎの茶碗や秋色の侘びたもの、今までしまってあった懐かしいものなど"侘びの月"を意図して使ったり、花は籠に多めにと、いつもとは少し違う、美しさと儚さが感じられる茶室はとても好きでした。
10月だけという特別感もあり、魅力も増します⤴︎

その中で十一代玄々斎が好まれた五行棚を使うお点前はとても印象的でした。
五行棚は焼杉の上下の板に三本の竹の柱で作られていて、竹の節の数も客付側は二節、勝手付側は三節、向こう側(奥側)は一節になってます。
その五行棚の中に、炭の火、風炉の土、釜の金、湯の水がおさまっている。(木火土金水)
陰陽五行を体現する姿だそうです。
"棚"だけど普通の棚点前と違うところは、蓋置は陶器でなく竹を使い、釜に水を刺した後の湯返しもありません。


ソマ籠
秋明菊(シュウメイギク)、藤袴(フジバカマ)、芒(ススキ)

藤袴(フジバカマ)は秋の七草で、アサギマダラの美しい青い蝶を呼ぶ植物として有名です。
一部分が虫に食べられたような朽ちた葉は、10月(侘びの月)だからこれもいいかと、と先生は仰ってました。

不完全なものの中に美を感じる"わびさびの世界"ってとてもいいなと思う…♡


掛け軸「掬水月存手」
花はリンドウ(竜胆)とカルカヤ(刈萱)
リンドウは稽古中にぽっと開いてました♡




掬水月存手
(水きくすれば 月てにあり)
禅語で漢詩『春山夜月』にあり、
「掬水月在手 弄花満香衣」の語で禅の世界では使われます。

“手の中の水に月が浮かぶのや、衣服に染み付いた花の香りに気付けるのは、あれこれ考えている時には難しく、静かな心の時や、無垢な心である時。
そうした心でいられる時こそ”本質”との出会いがある"、との意味だそうです。

水の煌めきや美しい情景が見えるこの掛け軸の言葉はとても好きでした。


花入はイタドリ
「虎杖」と書くらしい。

イタドリは大きくなると高さ2mほど。茎は太く、中空で竹のように節がある。春の新芽のころには茎は柔らかく食べられるようです。
花はカリガネソウ(雁金草)
青紫色の個性的な楽しげな花!



毎回、可愛らしい花が茶室をほっこりとさせてくれました。
今年は異常な暑さとマンションの改修工事もあり日当たりが悪かったから花がダメになったとよく話されてました。その中で「やっと一つだけ咲いたから切ってきました〜!」と茶室や玄関や部屋のあちこちに飾られます。
私は内心いつも「たった一つなのにもったいないっ」て思うのですが、花器に入れて蕾や開く姿を愛でることで植物たちが一層輝くことも知りました。


白山菊とヒヨドリジョウゴ
緑の実から真っ赤な実へ



花入イタドリに秋明菊
鮮やかな白と繊細な姿♡


干支茶碗
たくさんのうさぎ"卯"に出会った年でした
2023年 癸卯年


「歳月不待人」(さいげつひとをまたず)


今年もたくさんのお点前を学び、美味しい和菓子をたくさん味わいました。
そして毎回の稽古を通して思ったこと、反省してることが二つあります。
一つは"わたしはよく間違える"。
頭で分かっていても身体が反応しない。
今自分が行っている動作の意識が足りないということが嫌というほど思い知らされる瞬間が多々ありました。

もう一つはやはり"知識が圧倒的に少ない"ということ。
歴史や暦を知らないから、気づかない、繋がらないということが多いです。
最低限のことはこれから学んでいきたいと思ってるけど、果たして頭に入ってくれるかどうか
(//∇//)


先日先生が今年最後の稽古日に仰られたのは、
「茶道は難しいものではなく、おもてなしの心です。その時代にあうお茶の形があり、考えることこそが大事だと思います。
ここで感じたことを家でもどこでもできる範囲のことをやってみてください。道具を持っていなくてもそれに見立てることも楽しさが広がります。
なにをするにも準備が一番大事。いかに準備して本番を臨むかで結果が違ってくると思いますし、次への広がりも変わってきます。
そしてお茶のお点前の場合だと、決まったところに一回で狙って置くという、位置の決定が一番大事。
道具の位置、自分の位置、決まった場所へ一回で決めて行うというのはちゃんと意味があります。
動作の順序や手順はその次。
新しい年も一緒に頑張りましょう!」

心に響く言葉たちでした。


忙しいと言い訳せずに、マイペースに"ふれる〜茶道〜のnote続けていけたらと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。

2024年もどうぞよろしくお願いします。









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