見出し画像

人に頼る練習

先日、国立大学法人東京学芸大学附属世田谷小学校のビジネスラボという放課後学習の授業にゲストティーチャーとして参加させてもらいました。

授業が始まって自己紹介が終わった後すぐに、
ぬまっちこと沼田先生がこんなことを生徒のみんなに言いました。
「このお姉さん、すごい面白いことをたくさんやってきたのに、話をするのはあんまり上手じゃないから、僕が質問しながら進めるね!」と。
授業はなんと90分!
ぬまっちがMCをしてくれて、私や子供達に質問を投げかけてくれる、トーク型の授業でした。

小笠原で育ったこと、世界一周のこと、ミス・ユニバース・ジャパンへの挑戦のこと、いろいろな話をさせてもらいました。
参加してくれた4・5・6年生の生徒さんは基本的にバスで通い、授業ではiPadでメモをとりながら話を聞いてくれる都会育ちの子供たち。
バスもなければ、信号もない人口450人の島で育った私はとても珍しいようでたくさん質問をしてくれました。
そんな小さな島で育った私が世界一周の旅に出て、
今度は履いたこともないヒールを履いてミスコンテストに挑戦したこと、
一生懸命聞いてくれました。

ミス・ユニバースの話から、女性の管理職や政治家が少ないという話題になり、ここで唐突にぬまっちから質問が飛んできました。
「女性の社会進出がより進むためにできることは何だと思う?」
まるでQ&A審査のような空気感に一瞬テンパって早口になりましたが、
目の前にいる生徒みんなの顔をじっくりみていたら、
言いたかった思いが言葉になりました。

「誰かに頼る力を子どものうちから身につけておくこと」

この考えの思いを話させてください。

女の子はやっぱり男の子と比べて、生理があるから身体的にしんどくなることが多くある。
大人になっても妊娠や出産で身体的負担があって、働くことも難しくなる。
でも、こういった困りことは誰かのサポートで楽になることがある。

これは男性も同じだと思う。
男性だって体調不良があるし、休みたい時がある。

私の不得意をあなたの得意でサポートして、
あなたの不得意を私の得意でサポートする。
そんなふうにみんなで頼り合えることができたら、
男性の育児休暇だってとりやすいし、女性の生理休暇だってとりやすい。

でもこれを大人になっていきなり社会でやろうとしても難しい。
前例がないし、今までの人もみんなこうしているから、と我慢してしまう。
だから妊娠や出産や生理などで身体的や精神的に負担が多い女性が、働きにくくなってしまうんだと思う。

だからこそ、子どものうちから女の子も男の子もみんな頼り合うことに慣れておくことがとてもとても大切なんだと思っています。

そして私は人に頼ることが苦手です。
全部自分でやろう!とやる気があるのはいいものの抱え込んで、辛くなってしまうことがしばしば。
なので、小学生のみんなに言ったことは自分に言い聞かせてるような気持ちで言いました。

授業の終わりに差し掛かり、ハッと最初にぬまっちが言ったことを思い出しました。
「このお姉さん、すごい面白いことをたくさんやってきたのに、話をするのはあんまり上手じゃないから、僕が質問しながら進めるね!」

まさに、私の不得意をぬまっちの得意でサポートしてくれていたんです。
おかげで私は自分の力を120パーセント発揮できてとても楽しかった!
さらに気がついたのはこれをぬまっちに返さなくてもいいということ。
Pay it forward. 私がぬまっちにサポートしてもらったように誰かをサポートする。

そんな連鎖が続いていけば絶対に、今の子どもたちが大人になった時今よりも生きやすい社会になっていると思っています。

ビジネスクラスのみんな、話聞いてくれて、質問してくれて、一緒にウォーキングやってみてくれてありがとう!
また会いましょう!