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『虎に翼』密度が濃かった第3週

『虎に翼』朝ドラ 第3週「女は三界に家なし?」

「虎に翼」、いいですね。好きです。子供時代もなく第3週で早くも明律大学女子部を卒業、ということで4月から始まったにしても密度が濃く、時の流れも早い展開。今後の展開やエピソードもいろいろあるということですかね?
寅子(伊藤沙莉さん)はもちろん、それぞれのキャラクターも活きているからそれぞれが心に響くセリフを言うあたりも好きなところ。
特に女性にとっては大いに共感するし感情移入もしやすいのでは。

しかも寅子だけでなく、女子学部のよね(土居志央梨さん)、桜川涼子(桜井ユキさん)、大庭梅子(平岩紙さん)、崔香淑(チェ ヒャンスクさん)、母役の猪爪はる(石田ゆり子さん)、友達の花江(森田望智さん)、などなど彼女たちの境遇や彼女たちが発する弱音や本音にものすごく共鳴するところもあったり。

花江のキャラがぶりっ子過ぎてちょっと気になる…と前回書いたけれど、寅子宅で「毒まんじゅう事件」の再検証をしたときに女子学部の仲間たちと寅子の会話に疎外感やコンプレックスを感じて花江が泣き出してしまう場面では、それまでのぶりっ子&ナヨナヨキャラが活きたな、と思いました。

今週(3週)も密度が濃く、好きなシーンがたくさんありました。
ありすぎて細かくはかけません(笑)

あれだけ最初から一匹狼で尖っていたよねの、幼少期~女子部に入るまでの背景が描かれ、まんじゅうづくりで仲間たちと親睦を深め本音をぶつけ合い、少しずつ理解しつつ、からの、月経が重い寅子のためよねが痛みに効くツボを教えてくれるシーンにつながるあたり、なんという爽快感でしょう。
人間関係のそういう変化を丁寧に描いていますよね。
花江が感情を爆発させるまでの様子も少しずつしっかり挟み込まれていましたし。

お嫁さんの花江がつくった料理の味付けに姑のはるが「もう少し甘くして」と、作っても作っても褒めてくれないという不満と(その前に、女子部の寅子の友だちにも女中と間違われて傷ついたこともあり)、学業に切磋琢磨して前に進んでいる寅子たちを前にいじけてしまった花江。すごく印象的でした。
花江の気持ちもよく分かるし、同時にそれまで花江の思いに気づいていなかった寅子たちの気持ちも並行して味わうことができました。

しかし・・・、どんだけ味付けを甘くすればいいんだよ~!
そして、それまでのシリアスなシーンのあとに、「俺には分かるよ」とひょっこり“直道節”をさく裂させる兄(上川周作さん)の場違いなキャラ挿入で笑いに誘うなど、緩急が効いていたし丸く収まった感じがして心地よかったです。

お兄さんが出てきて話の流れが変わった場面は唐突感もあったけれども、そこはしっかり尾野真千子さんのナレーションで「なぜお前がまとめる?」と寅子の心の声で視聴者のツッコミもまとめて代弁してくれたあたりはさすがだなと。

息子夫婦が家を出ることになりそうだと悟ったはるの「二人が幸せであればそれでいい」みたいな言葉も、一歩引いた大人の発言でしたね。

その他にも、今週は女子学生を呼び込むための法廷劇での乱闘シーンや、弱音は吐いたほうがいいか吐くべきではないかの議論シーン、よねは辛い過去があったけどだからといって偉いわけでもないしそれ以外の人をひとくくりにして見下すべきじゃないという寅子、とか、寅子の「はて?」のあとには誰もがハッとする、納得できるような言葉がたくさん出てきました。

来週は第4週「屈み女に反り男?」で、法学部に進学した寅子たちに花岡(岩田剛典さん)が新たに登場するようですが、ますます面白くなりそうですね。

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