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感受性を磨く工場散歩 (vol 210)

「あれっ⁉」いつもと何か違う気がする。

住んでいる街の様子、いつも見慣れた景色に違和感を覚えたことありますか?

毎日何気なく見ているようでも、いつもと違う何かを感じるときがあります。
近所の家が外壁工事を始めた。車を買い替えたのかな。 路地に咲いた花がきれい。今すれ違ったおじさん、今日は帽子かぶってないな。。。

海外の生産拠点、生産現場でも同じです。
マネジャー達や駐在員には毎日工場をぐるっと廻りなよ、と言っています。
私自身、朝一番は工場を一筆書きで回ります。従業員300人、10,000㎡の工場、15分ほどのお散歩です。気が向けば午後にももう一度ぐるっと廻る。

指摘をするためや、従業員の行動に目を光らせている訳でもありません。
日課として工場の状態を目に入れる。お散歩そのものとです。働いているチームメンバーに毎朝「おはよう」と声をかけるため、と言った方がいいのかも。赴任当初は警戒心ありありだった工場メンバーも、毎日の繰り返しと分かると親しみをもって「Hi !」と応えてくれます。

粛々と生産が続く工場の中の景色。毎日劇的に変わるものではありません。
それでも、時々、「おやっ!」のタイミングがあります。「なんか昨日と違うな~」何が違うかはすぐには判りませんが、感じるのです。
この感性をとても大切にしています。「なんだろう、この違和感は」と思ったら周囲を改めて観察する。「あ~これかな」を見つて、メンバーに聞く。現場主任のところに行って質問する。
この変化への気づきと質問で、工場で起きている問題にいち早く気付くことができるようになるのです。

会議やタスクを多く抱えているマネジャーや駐在員。問題発生時に呼ばれれば現場に急行。直ぐに現場に駆け付ける姿勢はありがたいし、大切です。ただ、それだけに限らず、現場を知り尽くすための行動をもう一つ
自分の感性で、まだ報告の上がってきていない問題点にいち早く気付く。自ら工場内の出来事を拾いに行く
これって、結構、工場マネジメントで効くんですよね。
問題が起きた時に目的を持ってみる現場、これだけの記憶では、順調、正常な状態のイメージが目に焼き付いていません。むしろ、自分の持っている順調なときの工場イメージ、情景を記憶の中に焼き付けて、「あれっ」と差を感じること。これを感受性というのです。

"What!? / Huh!?", I feel something different from usual.
I sometimes feel it when I walk around the factory.
Even if I don't know what's different immediately, I feel something “Oops!?”.
When we go around the factory every day at a certain time and observe, we will unknowingly see and remember the normal daily conditions, even if we do not look closely.
When there is a phenomenon that is different from usual, it makes a noise as a "sixth sense".
Sensitivity to abnormalities arises from this kind of feeling.
The meaning of "sharpen the sixth sense" requested at the morning meeting is the feeling of valuing "What!? / Huh!?".

社内ツイート

「あれっ⁉」いつもと何か違う気がする。
工場内を歩いて、時々感じることがあります。
直ぐには何が違うのかは分からなくても、「おやっ」と思うのです。
毎日、決まった時間に工場を巡回して観察していると、じっくり見てはいなくても、知らず知らずのうちに毎日の通常の状態が目に入り、記憶されていきます。
いつもと異なる現象があると、「第6感」として心が騒ぐのです。
異常に対する感受性とは、このような感覚から生まれます。
朝礼でお願いしている「第6感を磨く」の意味は、「あれっ⁉」を大切にする感覚です。

社内ツイート日本語訳

五感を使う。これって、分析的なアプローチだったりします。
直観力を使うのが第六感。五感の嗅覚ではなく、異常に対して「鼻が効く」とも言えるものです。
生産拠点の責任者としての差別化スキルは第六感です。

欧米系のマネジャーは現場に行ったり、工場のメンバーと親しく話をしない傾向がある。そんなステレオタイプの評価をするつもりはありません。日系企業として「現地、現物の習慣」は根付いています。それでももう一振りのスパイスを。
目立ったスキルではありませんが、現地のマネジャー達に身につけてほしい能力の一つです。

虫眼鏡で工場を観るだけでなく、感性を研ぎ澄ませて工場を散策する
お勧めです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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