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ボートレースの勝率について

ボートレーサーのクラス分けに用いられる「勝率」。一般的な「確率」とは違うものですが、ボートレースを深く知る上で避けては通れない概念です。今回は、そんな勝率についていろいろと書きます。

☆「勝率」の復習

まず、「勝率」を知らない人のために、簡単に復習を。
ボートレースにおいては着順に点数が割り振られており、これを「着順点」と言います。この着順点の合計を、出走回数で割ったものが選手の「勝率」となり、レーサーのクラス分けに用いられます。
一般戦の着順点は以下の通り。

1着…10点 2着…8点 3着…6点 4着…4点 5着…2点 6着…1点

なお、SGはこの点数に2点増し、G1・G2開催は1点増しとなり、優勝戦はさらに1着~3着が1点、4着~6着が2点増しとなります。

例えば、節間で1着、3着、6着、4着、3着、2着を取った選手の勝率は、
(10+6+1+4+6+8)÷6=35÷6=5.83 となります。

☆期別最高勝率は?

ボートレースの期は半年ごとに前期と後期に分かれます。すなわち、半年間の成績が基本になるわけですが、その半年間で最高の勝率を残したのが、「モンスター」2291野中和夫。その勝率、9.53です。
当時は点増しがSGの1点しかなかったというのだから、この数字がどれほど圧倒的なのかがわかります。
現行制度における期別最高勝率は、おそらく3388今垣光太郎が2002年後期にマークした9.45。半年間で14連勝(2002年8月29日蒲郡9R~10月17日宮島12R)を含む55勝を挙げ、1着率は53.9%。宮島グラチャン、蒲郡メモリアルを含む6回の優勝を果たしました。

☆A1、A2、B1…それぞれの必要勝率を検証

続いては、レーサーが各級に上がるための必要勝率、これを検証します。
2022年後期における各級の必要勝率は以下の通りでした。

A1…6.24 A2…5.41 B1…2.00

まずA1。6.24なので、全レース3着を取っても足りません。一般的にA1に上がるためには6.20がボーダーラインと言われているため、均すと全レース3着、たまに2着や1着…の成績が求められるということです。言い換えれば、全レースで舟券に貢献するレベルじゃないと、A1にはなれないとも読み取れます。
そしてA2。ここでは、「選手が全レースでコース通りの着順に入った」場合を想定します。
節間の予選を6走、1コース~6コースをすべて割り振られ、そのコース通りに着順を取ったとすると、勝率は以下の通りです。

(10+8+6+4+2+1)÷6=31÷6=5.17

ちょっと足りません。つまり、A級に上がるには、コース通りよりもちょっといい成績を取らなければならないということです。

最後にB1。これは簡単ですね。オール5着でいいのです。養成所を出てまともにボートを操縦できるようになった選手なら、まず1年~1年半でクリアできる数字です。なので出走回数が足りていなかったり、事故率が0.70を超えていたりしない限り、ある程度経験を積んだ選手が勝率でB1に上がれないなんてことはまずありません。

☆3.80ってどんな勝率?

最後に、私のテリトリーである4期通算勝率=3.80の検証です。
とはいうものの、数字が示す通り、オール4着ない程度の成績です。すなわち、均せば1回も舟券に貢献できないどころか、あと1個着順を上げれば舟券に入れる4着すら満足に取れない程度の成績ということになります。改めて文章にすれば、そういう成績を2年続けているのだからそりゃクビになるよね、と納得できるかと思います。

以上、勝率についてのあれこれを説明しました。この他に、説明してほしい内容があればコメント欄やXでどんどんリクエストしてください。

※出典
ボートレースライター桧村賢一の舟券即戦力 https://m-kyotei.jp/blog_himura/10628/ 
ひまひまデータ競艇ページ http://www.interq.or.jp/ito/kiida/kyotei/
艇国データバンク http://www.boatrace-db.net/racer/aresult/regno/3388/

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