23.09.15 vs 京都サンガF.C.

全員が連動するポジションチェンジ


スタメン

Jリーグは約2週間空いての開催。よって京都はたっぷり浦和戦に向けて準備出来ましたが、浦和はルヴァン杯があり、2試合戦った後。さらに敦樹がA代表に選ばれ、試合にも出て、点まで決めてきてしまった状況でした。(かなり嬉しい。)
よって浦和はボランチを岩尾と安居のコンビ、トップ下には早川が入りました。

京都のハイプレスをかわすには

前半は、浦和のボールを京都のハイプレスで獲り、京都が攻める。でもなかなか決定機が作れない。という試合展開でした。
特にそのハイプレスが顕著であったのは30:30。
ボールを回収したホイブラーデンが、西川を経由して酒井に渡したシーン。GKに下げた事がスイッチとなり京都のハイプレス開始。
松田が西川へプレス。外に開いた酒井には、三竿と武田が蓋をする。ボールを獲られかけましたが、酒井へのファールで浦和ボールに。
浦和の狙いとしては、酒井サイドから攻める。もしくは酒井に渡った時点で一旦ストップし作り直す。の2択だったのかなと。
それをうまく塞がれてしまいました。

直後の30:54。荻原がボールを持った時点で、原が前のルートを消し、谷内田が中盤へのルートを切る。となると荻原は下げるしかなくなり、これが京都のハイプレスのスイッチに。
ホイブラーデンに下げたところに山崎がプレス。ショルツに逃げますが、松田は更に外に逃げられないように外切りのプレス。となれば武田は中央の安居にプレスに行けば良いのですが、同時に小泉も降りてきたので、そちらも少々気になる。よって安居に少しのスペースと時間が与えられ、浦和が行きたかった右サイドの酒井へとボールを繋げることが出来ました。

続く31:33。ショルツからホイブラーデンへと攻めるサイドを変えようとした段階で、ホイブラーデンの前には原が、荻原には谷内田、関根には福田、早川にはアピアタウィアがすぐプレスに行ける位置にいました。

この状況を浦和は一気に打開します。
岩尾がIHの位置に潜り込み、岩尾のポジションには関根が降りてくる。
元々関根がいた位置には荻原が駆け上がる。そして荻原のいたポジションには早川が降りてきました。全員がほぼ同時に連動してこのポジションチェンジを行ったので京都の選手はマークするべき相手を一瞬見失います。そしてホイブラーデンの選択肢が一気に増えました。
この時は降りてきた早川へのパスを選択しました。結果、京都にとられかけましたが、岩尾が回収。アピアタウィアとイヨハの最終ラインのずれはさっきの段階で生み出せていたので、そのスペースにスルーパスを通せました。

ハイプレスのスイッチは『バックパス』。浦和としてはこの一気に前に出てくる京都の裏を、左サイドなら荻原や関根。右サイドなら酒井。またカンテを狙い、前半のうちにビックチャンスを2回作れました。
また、一瞬でポジションチェンジをすることでマークをずらし、フリーの選手やスペースを作る事で浦和は打開を図りましたが、こちらはあまりうまく行きませんでした。

浦和の守備組織を崩すために

京都は浦和からハイプレスでボールを前線で回収できればそのままフィニッシュ。もしくは浦和に蹴らせて最終ラインが回収し、前半のボール支配率を53%と浦和を上回ることになりました。
その京都のボール保持ですが、特徴的だったのは12:00。最終ラインのイヨハがボールを持った際、松田と山崎は裏を狙ってました。ということは酒井とショルツ、ホイブラーデンはその駆け引きの対象になっているので、2列目の選手にパスが出た際に、前にプレスが出来ません。
なので三竿や、浦和の2列目の小泉と安居の間に顔を出す選手に簡単にパスを通せました。京都はここから浦和のゴールに迫りました。

その京都の狙いを防いだのは主に小泉でした。
浦和のSHの献身力の大事さは以前にも書いた通りで、現在大久保は故障中なので小泉が頑張りました。
京都の狙い通り空いた三竿に対して、小泉はイヨハへプレスしてから続けて三竿に前を向かせないプレスをしかける走力を見せました。
左サイドでは、裏を走る選手はあまりおらず、荻原はある程度自由に守備出来たので、関根の縦プレスに対し、荻原も続けて出れました。

ただ、43:00。浦和の2トップを京都が2-1だけではなく、谷内田も含め、人数をかけられると綺麗に剥がされます。
重要なのはその後で、イヨハが前に運んできた際どうするかで、この時右SHにいた早川は、イヨハに出ると近くにいる武田や、外にいる三竿をフリーにさせてしまいます。なので早川は出れない。となると浦和全体がずるずる下がる事になり押し込まれる展開に。

カンテが超頑張ってプレスバックしてくれたら良いのですが、現実的ではないので、2列目の誰かが出て、そこを瞬時にスライドして埋めるか、岩尾が内を消しつつプレスすれば外に逃げさせ、早川も狙いを付けやす勝ったかもしれません。

浦和の反撃は…?

ハーフタイムで浦和は、早川を下げて敦樹を投入。安居を一列上げました。また、右SBを酒井から明本に。珍しい交代でしたがこれは酒井本人の申し出だったそうで。
後半は前半とは状況が一変し、浦和がボールを持ち続けゲームを支配する展開に。
原因の一つとして、京都がシステムを変えた事があげられます。
京都は54分に谷内田から麻田を投入。3-4-2-1のような形に変えました。
浦和の最終ラインに対し、3トップをぶつける狙いがあったのかもしれませんが、あまり脅威を感じられず。むしろハメることができ、ロングボールに対してもショルツとホイブラーデンが跳ね返すことが出来ました。

京都から上手くボールを回収できる浦和は、京都のシステム変更が浦和ボール保持時でも裏目に出ていました。
後半からは浦和の4-1-2-3 vs 京都の5-2-3に。
59:45、西川がボールを持った際。京都のボランチのどちらかは浦和の岩尾に付き、3トップの松田と山崎ショルツとホイブラーデンに。
原は荻原についていました。
ただ、5バックに対し、浦和も明本、小泉、カンテ、安居、関根の5人+敦樹が最前線に。寄って、京都の5と2-3の間に広大なスペースができ、敦樹らしく受けてかた反転しドリブルで突破。それと同時に荻原も左サイドを駆け上がったので一気に人数有利の状況を作り出せました。

また、京都を押し込んだ際、京都は5-4-1と引いて守るところから始まりますが、この時、京都側が、『5バックにしたから引いて守る』派と『それでもハイプレスは辞めない』派がいたのか分かりませんが、1人だけ前に出て、京都の守備ラインがずれることがありました。
64:00。ショルツがボールを持っている際、武田が出たので、その裏を敦樹が使いました。
そこからシュートまで持っていけました。

それでもゴールは生まれず、カンテ+67分にリンセン、高橋投入。82分に興梠投入で実質4トップに。
戦術など関係なし。京都が引き気味で守るなら、殴って殴って殴り続けようという戦い方をし、最終的にシュート15本を打ちましたが無得点。
勝ち点2を落とす結果となってしまいました。

最後に

今回は京都のハイプレス自体を簡単にかわせるシーンは決して多かったとは言えず、前半は京都にボールを持たせてしまいました。
後半からは京都のシステム変更により浦和が試合を支配する展開に。
90分を通してビックチャンスと言えるシーンは2つか3つは作れたと思います。
ですが、結果として無得点。
浦和サポはもちろん。京都サポの方、なんなら他チームのサポーターまでもが例のジャッジに関して物申している今節。
もはや審判までもが敵となってしまう可能性があるのなら、超綺麗に得点出来るように。出ないと3位以内は難しいのかもしれません。

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