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『韓国文学の中心にあるもの』

『韓国文学の中心にあるもの』斎藤真理子


 この本を、もっとたくさんの人に読んでもらいたい。

最近、韓国文学にハマってます。
それは、韓国ドラマやK-POPのような、ドラマティックで華やかさはないです。
静かだけと力強い、ことばの重みをしっかりと感じるというか、胸にぐっと迫ってくるこの感じが大好きです。

決して、ハッピーエンドでは終わりません。救いようがないことが多いです。泣けて、泣けて仕方ないことが多いです。理不尽で、不条理で、ただただ切なくて、やるせないことも多いです。

だけど、とても面白いのです。
わたしの語彙がないせいで、面白いの一言になってしまうのですが、この斎藤真理子さんの『韓国文学の中心にあるもの』を読んでいただけると、理解してもらえると思います。

韓国文学は、ただの小説ではないのです。
多くの苦しみ、悲しみ、不条理、みじめな思いを経験したからこそ、ことばに深みがあるのです。
物語りに情があるのです。

日本の義務教育では習わなかった韓国の歴史を、この本は教えてくれます。
本当に知らないことが多いです。
隣人なら背負うべき重荷を、わたしは知らなかった。
同じことが、日本に起これば、日本人はきっと耐えられないと思う。昔の日本人なら耐えられたのかもしれない。今の私たちには、あまりにも平和過ぎて理解ができないと思う。
時代が違うの一言では片づけられない重い歴史があります。

翻訳以外で本を書かれたのは、この本が初めてだそうです。
ですが、その形容することばはとても詩的なのに分かりやすい、文芸課のわたしはとても勉強になりました。
こんな文章を書く人になりたい。

もっと多くの人に読んでもらいたい。


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