三浦法律事務所/Miura & Partners

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三浦法律事務所の公式noteです。法律ネタから弁護士インタビューまで。 HP:https://www.miura-partners.com/ 公式Twitter:https://twitter.com/miura_partners (代表弁護士:三浦亮太/第二東京弁護士会所属)

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最近の記事

労働法UPDATE Vol.13:労働基準関係法制研究会②~これまでの議論の整理~

今年の1月23日から、労働基準関係法制研究会(以下「本研究会」といいます。)が開催され(開催の経緯等については、労働法UPDATE Vol.8を参照)、今後の労働基準関係法制を検討するに際し、以下の各論点について議論が重ねられてきました。 そして、4月23日に開催された第6回会議では、上記各論点についてこれまでの議論を整理した資料が公表されました(労働基準関係法制研究会 これまでの議論の整理)。当該資料は、今後の研究会で各論点をより具体的に掘り下げていくために作成されており

    • 内部通報UPDATE Vol.11:公益通報者保護法を巡る展開と展望

      1. はじめに2024年は上半期だけでも公益通報者保護法に関するさまざまな展開があり、2022年6月1日の改正公益通報者保護法施行から約2年を経て、さらなる法改正の議論が始動しています。 本稿では、公益通報者保護法に関する新たな展開をご紹介した上で、法改正に向けた今後の展望について解説します。 2. 意識調査2024年4月に消費者庁は、「民間事業者の内部通報対応‐実態調査結果概要‐」を公表しました。 これは、2023年12月(全上場企業3,917社及び全国の非上場事業者6

      • ポイント解説・金商法 #17:「インサイダー取引規制に関するQ&A」の改訂【事後交付型株式報酬における現物株式の付与・株式報酬の源泉徴収税額充当目的の売却について】

        令和6年4月19日、金融庁・証券取引等監視委員会から、「インサイダー取引規制に関するQ&A【応用編】」の改訂版(以下「本Q&A」といいます)が公表されており、本Q&Aでは、事後交付型株式報酬(譲渡制限付株式ユニット(RSU)及び業績連動型株式ユニット(PSU))における現物株式の付与及び株式報酬の源泉徴収税額充当目的の売却に関するインサイダー取引規制の適用に関する「応用編」問9・10の2問が追加されています。 なお、株式報酬としての譲渡制限付株式(リストリクテッド・ストッ

        • 労働法UPDATE Vol.12:【速報】最高裁判例~配転における職種限定合意の意義~

          2024年4月26日、配転に関する新たな最高裁判例(以下「本判決」といいます。)が示されました。本判決は職種限定合意が存在する場合の配転の考え方を初めて示した判例であり、いわゆるジョブ型雇用が注目される昨今において、実務上重要な判例といえます。以下ではその内容等を速報ベースで紹介します。 1. 使用者による配転と職種限定合意はじめに、本判決を紹介する前提として、「配転」について簡単に確認します。 「配転」とは従業員の配置の変更であり、同じ勤務地内での所属部署の変更が「配置

        労働法UPDATE Vol.13:労働基準関係法制研究会②~これまでの議論の整理~

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        • 労働法UPDATE
          13本
        • 内部通報UPDATE
          12本
        • ポイント解説・金商法
          17本
        • 相続・事業承継UPDATE
          2本
        • イノベーション法務
          1本
        • M&P弁護士図鑑
          2本

        記事

          労働法UPDATE Vol.11:【速報】事業場外労働のみなし労働時間制に関する新たな最高裁判例②

          2024年4月16日、事業場外労働のみなし労働時間制(労働基準法38条の2。以下「事業場外みなし制」といいます。)に関する新たな最高裁判例(以下「本判決」といいます。)が示されました。その詳細等は前回の「労働法UPDATE Vol.10:【速報】事業場外労働のみなし労働時間制に関する新たな最高裁判例①」にてご紹介しております。 今回は、「労働時間を算定し難いとき」に関する他の裁判例も踏まえつつ、本判決に関する実務上のポイントや示唆について検討を試みたいと思います。 1.

          労働法UPDATE Vol.11:【速報】事業場外労働のみなし労働時間制に関する新たな最高裁判例②

          労働法UPDATE Vol.10:【速報】事業場外労働のみなし労働時間制に関する新たな最高裁判例①

          2024年4月16日、事業場外労働のみなし労働時間制(労働基準法38条の2。以下「事業場外みなし労働時間制」といいます。)に関する新たな最高裁判例 (以下「本判決」といいます。)が示されました。本判決は同制度に関する約10年ぶりの最高裁判例であり、実務上重要かつ注目すべき判例です。以下では、本判決の内容等について、速報ベースでご紹介します。 1. 労働時間の把握と事業場外みなし労働時間制はじめに、本判決の前提となる事業場外みなし労働時間制の概要を確認します。 労働基準法は

          労働法UPDATE Vol.10:【速報】事業場外労働のみなし労働時間制に関する新たな最高裁判例①

          相続・事業承継UPDATE Vol.2:戸籍証明書等の広域交付が始まるものの各地で混乱が続く

          戸籍法改正により、自分自身や父母らの戸籍を、どこの市区町村でも取得可能にする「広域交付」の制度が導入され、同制度の運用が2024年3月1日に開始しました。ただ、運用開始直後に大規模なシステムの不具合が発生し、法務大臣が陳謝する事態となりました。それから1か月以上が経過した本投稿の執筆時においても、未だ現場の混乱は続いているようです。 1. 戸籍証明書等の広域交付とは改正前から、戸籍の正本はそれぞれの市区町村で管理される一方で、副本のデータについては、法務省のシステム上で管理

          相続・事業承継UPDATE Vol.2:戸籍証明書等の広域交付が始まるものの各地で混乱が続く

          ポイント解説・金商法 #16:2023年改正金融商品取引法等の改正に係る政府令案(四半期報告書の廃止、企業・株主間のガバナンスに関する合意、企業・株主間の株主保有株式の処分・買増し等に関する合意の臨時報告書の提出事由の追加等)に係るパブリックコメント結果公表と改正法の施行

          1. パブリックコメント結果等2024年3月27日、金融庁は、2023年金融商品取引法等の改正に係る政府令案(四半期報告書の廃止等、令和5年法律第79号改正附則第1条第3号関係)につき、確定した改正内容とパブリックコメント結果等を公表しました。確定した政府令等は、2024年3月27日に公布されており、同年4月1日から施行・適用されています。 金商法の改正自体の概要は、「ポイント解説・金商法 #9」および「ポイント解説・金商法 #10」において解説をしておりますので、ご参照

          ポイント解説・金商法 #16:2023年改正金融商品取引法等の改正に係る政府令案(四半期報告書の廃止、企業・株主間のガバナンスに関する合意、企業・株主間の株主保有株式の処分・買増し等に関する合意の臨時報告書の提出事由の追加等)に係るパブリックコメント結果公表と改正法の施行

          イノベーション法務 Vol.1:スタートアップ育成5か年計画の進展

          2024年に入り、政府が2022年11月28日に公表した「スタートアップ育成5か年計画」(以下「5か年計画」といいます。)は、2年目を迎えることになります。 5か年計画では、2027年度にスタートアップへの投資額を10兆円規模(計画策定当時の8,000 億円規模の10倍以上)とすることを目標に、以下の3本柱の取組を一体として推進することを打ち出しました。 そして、昨年2023年6月16日に公表された「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画 2023改訂版」(以下「2

          イノベーション法務 Vol.1:スタートアップ育成5か年計画の進展

          M&P弁護士図鑑 Vol.2:四大事務所からインハウスを経てM&Pに キャリア変遷の根底には「専門性と“おもしろさ”の追求」(後藤 徹也弁護士)

          2019年1月に30人の弁護士でスタートした三浦法律事務所(M&P)も、今や100名近い弁護士を抱える法律事務所にまで成長しました。この成長の裏には、ユニークなキャリアと強い志を持った弁護士一人ひとりの思いが存在します。そこで本連載では、M&Pの個性的な弁護士たちに個別取材を決行。普段はなかなか語られない、弁護士たちの素顔を掘り下げてご紹介します。 ――本連載、第二回は65期の後藤徹也弁護士です。後藤弁護士は新卒で四大事務所の一つに入り、約8年在籍していますが、ファーストキ

          M&P弁護士図鑑 Vol.2:四大事務所からインハウスを経てM&Pに キャリア変遷の根底には「専門性と“おもしろさ”の追求」(後藤 徹也弁護士)

          Catch up 法令・政策動向 Vol.2:個人情報保護法 いわゆる3年ごと見直し-関係団体ヒアリングと見直し検討事項-

          Vol.1では、改正個人情報保護法の施行状況についてご説明しましたが、Vol.2では、個人情報保護委員会(事務局)「個人情報保護法 いわゆる3年ごと見直し規定に基づく検討」およびヒアリングの主な意見、これに対する筆者のコメントをご紹介します。 また、末尾では、関係団体ヒアリング後に公表された「個人情報保護法 いわゆる3年ごと見直し規定に基づく検討項目」をご紹介します。 なお、次回以降は、引き続き個人情報保護委員会の動向、特に当該検討項目の検討状況をご紹介のうえコメントして

          Catch up 法令・政策動向 Vol.2:個人情報保護法 いわゆる3年ごと見直し-関係団体ヒアリングと見直し検討事項-

          Catch up 法令・政策動向 Vol.1:個人情報保護法 いわゆる3年ごと見直し-改正個人情報保護法の施行状況と検討の方向性-

          新法が制定され、また、法改正がなされたとき、その内容を紹介する媒体は多くあり、それらの媒体は情報収集に有益です。 しかし、政府提出法案は、国会に提出される前の閣議決定に至るまで、行政機関が開催する有識者会議等による議論を経ることが一般的です。そして、その会議が行われている際に集約される関係者の意見や、有識者のコメントを踏まえて成案となることから、企業が自らに関連する法律について能動的に対応し、また、新法・改正法の成立に向けて準備するためには、各会議の動静をチェックしていくこ

          Catch up 法令・政策動向 Vol.1:個人情報保護法 いわゆる3年ごと見直し-改正個人情報保護法の施行状況と検討の方向性-

          労働法UPDATE Vol.9:労働法改正Catch Up & Remind①~2024年4月施行の法改正~

          働き方が多様化する中、それを規律する労働法についても様々な改正が次々となされており、企業の経営者や人事部においては、日々対応を迫られているように思われます。 「労働法UPDATE」ではこれまでも、労働法に関する最新のトピックを随時お伝えしてきましたが、その一環として「労働法改正Catch Up & Remind」と銘打ち、今後、より一層法改正の成立・施行にフォーカスした形で、労働法に関する最新の動向をお伝えしてまいります。 第1弾となる本記事では、施行が目前に迫った以下の

          労働法UPDATE Vol.9:労働法改正Catch Up & Remind①~2024年4月施行の法改正~

          危機管理INSIGHTS Vol.17:外国公務員贈賄規制の勘所⑤-【速報】2024年2月の外国公務員贈賄防止指針改訂-

          1. はじめに2024年2月、経済産業省は「外国公務員贈賄防止指針」(以下「本指針」といいます。)の改訂版を公表しました(以下、2024年改訂を「本改訂」といいます。)。これは、2021年5月以来、約3年ぶりの改訂となります(2021年5月改訂については、「危機管理INSIGHTS Vol.3:外国公務員贈賄規制の勘所③-2021年5月の外国公務員贈賄防止指針改訂とスモール・ファシリテーション・ペイメント-」をご参照ください。)。 本指針に関するパブリック・コメントの結果

          危機管理INSIGHTS Vol.17:外国公務員贈賄規制の勘所⑤-【速報】2024年2月の外国公務員贈賄防止指針改訂-

          インド最新法令UPDATE Vol.5:Arbitration in India – Key Highlights of 2023

          In last decade or so India has emerged as one of the prominent major economies of the world. However, despite being one of the most sought-after destinations for the foreign investment, India is still not perceived as an easy destination to

          インド最新法令UPDATE Vol.5:Arbitration in India – Key Highlights of 2023

          中国最新法令UPDATE Vol.12:中国独占禁止法の改正動向①~日本企業間のM&Aでも問題となり得る事業者集中の届出~

          1. はじめに2022年8月1日に改正独禁法が施行され、国家市場監督管理総局(以下「当局」といいます。)は、同法の公布に合わせて、独占禁止法の6つの重要な下位規則の改正に向けた意見募集草案を公表しました(改正独禁法および6つの下位規則の意見募集稿については、以下をご参照ください。)。 以降、6つの下位規則は次々と公布・施行され、それぞれの公布日・施行日は下表のとおりです。 これらの下位規則の中でも、M&Aに付随して問題となりやすいのが、直近に改正された「国務院による事業

          中国最新法令UPDATE Vol.12:中国独占禁止法の改正動向①~日本企業間のM&Aでも問題となり得る事業者集中の届出~